9月6日に、
「東京ノート」は1995年に岸田國士戯曲賞を受賞した
舞台の中央には緩やかなカーブを描いた木の階段が据えられ、その背後には四角い大きな鏡のようなオブジェ、天井からは半透明の円をつないだ柱やモビールが吊されている。隣に添えられた白いプレートから、それらは美術館の作品であること、また複数のベンチが置かれていることからそこが美術館のロビーだということがわかる。そこへ女性二人が話をしながら姿を現し……。
久々に再会した家族、故国を離れて日本で働く若者、元家庭教師と教え子など、さまざまな関係にある人たちがそれぞれの言語で話すシーンでは、美術館のロビーが社会の縮図となり、彼らが同一空間にいながらも、異なるコミュニティに属した人間であることが浮き彫りになる。と同時に、同じ言語を使いながらも分かり合えない人、言語は違っても同じ問題に苦しんでいる人が同じ絵の前に集い、絵によって心が癒される様に、美術やアートが持つ可能性を感じた。
上演に際し平田は、「『東京ノート』は、これまでの各国での上演の集大成として、大きな成果を収められたかと思います」と手応えを述べ、「来年2月には、日本人バージョンと合わせて吉祥寺シアターでの上演も控えています。ぜひ、そちらにも足をお運びください」と語っている。「東京ノート・インターナショナルバージョン」豊岡公演は本日9月8日まで。
平田オリザ コメント
「思い出せない夢のいくつか」「転校生」そして「東京ノート」と、今年は、25年前に書いた戯曲が、それぞれ再演される幸せな年になりました。
特に「東京ノート」は、これまでの各国での上演の集大成として、大きな成果を収められたかと思います。
第0回と銘打った豊岡演劇祭も、すべての公演のチケットが完売するほどの上々のスタートが切れました。「進化する演劇祭」として、来年以降、地道に発展させていきたいと考えています。
このあと、富山県南砺市利賀村でのシアターオリンピックスの上演もすでに完売のようですが、来年2月には、日本人バージョンと合わせて吉祥寺シアターでの上演も控えています。ぜひ、そちらにも足をお運びください。
「第0回豊岡演劇祭 Toyooka Theater Festival」
2019年9月6日(金)~8日(日)
メインプログラム
2019年9月6日(金)~8日(日)
兵庫県 城崎国際アートセンター ホール
作・演出:
台本翻訳協力:ソン・ギウン、サーウィター・ディティヨン、ロディ・ベラ、コディ・ポールトン、陳彦君、
出演:
2019年9月7日(土)・8日(日)
兵庫県 出石永楽館
作・演出:中屋敷法仁
出演:玉置玲央、永島敬三、大村わたる、加藤ひろたか、田中穂先、長尾友里花、福井夏、淺場万矢、とよだ恭兵、北村まりこ、村松洸希、永田紗茅 / 中屋敷法仁
スタジオ公演
ホエイ「或るめぐらの話」2019年9月7日(土)・8日(日)
兵庫県 城崎国際アートセンター スタジオ1
テキスト:高木恭造(方言詩集まるめろ「方言による三つの物語」より)
演出・出演:山田百次
2019年9月7日(土)・8日(日)
兵庫県 城崎国際アートセンター スタジオ1
作・演出:大池容子
出演:菊池佳南
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