「豊岡演劇祭2020 Toyooka Theater Festival」の記者会見が昨日7月1日に兵庫・江原河畔劇場にて行われ、豊岡演劇祭実行委員会会長の中貝宗治豊岡市長と、豊岡演劇祭フェスティバルディレクターで
昨年、第0回として開催された「豊岡演劇祭」は、兵庫・豊岡市を中心に実施される演劇祭。今年は、海外招聘演目の中止、ならびに国際共同制作作品の内容変更を行ったうえで、9月に開催されることが発表された。中貝市長は「豊岡市は、街の隅々に演劇があるような、“深さをもった演劇のまち”を目指しています。その推進力が『豊岡演劇祭』にはある」と演劇祭への思いを述べ、「新型コロナウイルスの影響で、アートが大きな打撃を受けています。ただ、日本はさまざまな災害を乗り越えてきた経験から、文化芸術がいかに人々を支えてきたかを知っているはず。『豊岡演劇祭』を通じて、アートが人々や町をどのように支え、変えていくのか、大いに期待しています」と笑みを浮かべた。
続いて、平田が本演劇祭の概要を説明。演劇祭は公式プログラムに加え、若手アーティストによるフリンジプログラム、カンファレンスやシンポジウムなどの関連プログラムで構成される。公式プログラムには、青年団「眠れない夜なんてない」「ヤルタ会談」「思い出せない夢のいくつか」、平田と中堀海都による新作の室内オペラ「零(ゼロ)」、
平田は、公式プログラムのラインナップについて「あまりに先端的な演目を上演しても、集客につながらないですし、かといってありきたりな演目だと、演劇祭でやる意味がない。フェスティバルディレクターとしては、バランス重視のプログラム選定をしたつもりです」と自信を見せ、「各演目のキャストについては、今後の発表を楽しみにしていただければ」と期待を煽る。また、客席数の問題については「9月開催時点での内閣府の見解に従う形で決めていきたい」とコメント。さらにフリンジプログラムを「さまざまなアーティストが自由に演目を上演できる企画」と説明し、参加団体を昨日7月1日から14日まで公募することを明かした。
最後に、このような状況下で開催に踏み切った思いを改めて記者に問われると、中貝市長は「『豊岡演劇祭』は、多様性を持った演劇祭だと思っています。城下町で行われる演劇、温泉街で行われる演劇、街中での演劇など、いろんな場所に、いろんな演目、いろんな演劇がある、という多様性を楽しんでいただける。『生きていると本当にいいよね』ということが伝わる演劇祭になれば」と語り、平田は「東京や大阪もいいけど、豊岡もいいよね、と思っていただければ。私達アーティストの仕事は、見慣れた風景や、当たり前の生活に新しい視点や言葉を与えること。作品を通して、地域の方が地域の魅力を再発見したり、観光業の方が新しいアイデアを得ることができればいいなと思います。また、第0回で初めて豊岡に足を運んだ方々が『一度来てみたかった』とおっしゃっていたのが印象的で。アートというトリガーがあれば、少し遠くても一度行ってみようという気持ちになるし、来てみると素晴らしさがわかる。演劇祭の期間だけじゃ豊岡を楽しみ切れないから、フェスティバルじゃないときにもまた来たい、と思っていただけるような演劇祭に育てていきたい」と言葉に力を込めた。
「豊岡演劇祭2020」は、2020年9月9日から22日まで開催され、チケットの販売は8月8日を予定。
「豊岡演劇祭2020 Toyooka Theater Festival」
2020年9月9日(水)~22日(火・祝)
公式プログラム
作・演出:
中堀海都+平田オリザ 室内オペラ「零(ゼロ)」
作曲・指揮:中堀海都
作・演出:平田オリザ
演出・構成:鈴木忠志
出演:高田みどり、SAMGHA / 真言聲明の会
企画・司会進行:岩井秀人
変わりゆく線「四つのバラード」「diss__olv_e」
「四つのバラード」
振付:Roy Asaaf
出演:木田真理子、児玉北斗
ピアニスト:圓井晶子
「diss__olv_e」
振付:
出演:
作・演出:
作・演出:
cigars「庭にはニワトリ二羽にワニ」「キニサクハナノナ」
作:小川未玲
演出:
構成・演出:
作・演出:
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