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柚希礼音×ソニンがエネルギッシュに描く女性の生き様「FACTORY GIRLS」

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「A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」稽古場より。

「A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」稽古場より。

「A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」の公開稽古が、本日8月27日に東京都内で行われた。

本作は、ブロードウェイで活動するクレイトン・アイロンズとショーン・マホニーが音楽と作詞を手がけ、日本版脚本・演出を板垣恭一が担当する新作ロックミュージカル。作中では19世紀半ばのアメリカ・ローウェルを舞台に、自由を求めて生きる女性たちが描かれる。

公開稽古ではまず、柚希礼音演じるサラが初めて紡績工場に出勤する第3場が披露された。工場で働く女性“ファクトリー・ガールズ”に扮した出演者たちは、機械に見立てた舞台装置をスピーディに動かしながら、仕事や食事の動作がデフォルメされた振付をエネルギッシュに踊り、彼女らが過酷な労働環境にさらされるさまを体現する。

次に披露された第7場では柚希演じるサラ、実咲凜音演じるアビゲイル、清水くるみ演じるルーシーらが、自由な生き方を求める女性たちの思いを歌声で表現。1列に並んだガールズがパワフルに歌い上げると、報道陣からは大きな拍手が起きた。

続く第8場にはガールズの寄稿集「ローウェル・オウファリング」の編集者・ハリエットが登場。ソニン演じるハリエットとガールズは、寄稿集を抱きしめながら力強い歌声で「ローウェル・オウファリング」の素晴らしさをたたえた。

稽古後の囲み取材には、柚希、ソニン、実咲、清水、石田ニコル、日本版脚本・演出の板垣が出席。ガールズのリーダーとして立ち上がるサラ役の柚希は「板垣さんが当て書きしてくださって……宝塚のトップ時代の悩みが思い出されます」と胸中を明かす。柚希は、初演となる本公演ではカンパニー全体でクリエーションを行っていると言い、「私は真ん中の人だけ目立つのが好きではなくて、役名がない人も最強に光り輝いているのが最高の舞台だと考えています」「全員がキラキラ輝く中で、私たち(メインキャスト)はますます強いエネルギーを持って演じられたら」と抱負を述べた。

続くソニンは、「新作なので、考えながらクリエイトしなければいけない。苦しさはありますが、やりがいもある」と手応えを語る。さらにソニンは「普段は団体の中でこぶしを握ってみんなを率いる役が多いですが……ハリエットは孤独な役です(笑)」と話し、「上司と部下の間に立っているキャラクターなので、共感していただけるところがあると思う」とメッセージを送った。

自身の役どころを「アビゲイルは工場にやってきたサラにいろいろ教える、お姉さん的存在」と紹介するのは実咲。宝塚歌劇団の先輩にあたる柚希との共演を喜ぶ実咲は、「柚希さんは宝塚の先輩ですが、今回は私が柚希さんを教える役どころ。お客様にも新鮮に感じていただけるのでは」と笑顔でコメントした。

「一番年下の役ですが、ストーリーテラーとして話をまとめられるよう演じられたら」と目標を掲げるのは清水。女性の生き方を描いた本作について清水が「こういう作品をたくさんの人に観てもらえたら、日本も少し変わるかもと思います」と真摯に語ると、共演者たちはニコニコと清水にうなずいてみせる。これを受けた清水は「なんで笑うのー!」と足踏みして声を上げ、報道陣を和ませた。

石田は自身の演じるマーシャを「おしゃれが大好きで、働いて得た賃金で着飾り、素敵な男性を捕まえようとする“婚活中”の人です(笑)。現代の女性にも共感してもらえるかも」と分析。久しぶりのミュージカル出演に石田は、「ブランクはありますが、新鮮な気持ちでやっています。いろいろ吸収して楽しみたい」と意気込んだ。

日本版の脚本を執筆した板垣は「どの時代を扱うお芝居でも“現代劇”でなければ意味がないと、僕は考えています。今回はアメリカの話ではありますが、安い賃金でこき使われる状況はどこかの国の今に似ている」と本作を分析。上演に向けては「重い話に聞こえるかもしれませんが、エンタテインメント性がある明るい物語になっています」と続けた。

柚希は「長くミュージカルをやってきましたが、宝塚以外の取材でこんなに女性が並ぶことはなかなかない(笑)。恋愛を扱う物語ではないですが、共感できるところが多いと思います」と所感を述べる。ソニンも劇中で女性たちが息を合わせて歌い踊るシーンに触れ、「この迫力、お客様にゾワゾワゾワッとなっていただけるんじゃないかな」と期待を口にした。

締めの挨拶を求められると、柚希は「みんなで言おうよー(笑)」とキャストたちに呼びかけ、記者たちを笑いで包む。最後は柚希の「『FACTORY GIRLS』!」という掛け声に応え、板垣も含めた登壇者たちが「劇場でお待ちしています!」とメッセージを送り、囲み取材は終了した。

なお本作には原田優一平野良猪塚健太青野紗穂谷口ゆうな能條愛未戸井勝海剣幸らも出演。公演は9月25日から10月9日まで東京・TBS赤坂ACTシアター、10月25日から27日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。

「A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』」

2019年9月25日(水)~10月9日(水)
東京都 TBS赤坂ACTシアター

2019年10月25日(金)~27日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

音楽・作詞:クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニー
日本版脚本・演出:板垣恭一
出演:柚希礼音ソニン実咲凜音清水くるみ石田ニコル / 原田優一平野良猪塚健太青野紗穂谷口ゆうな能條愛未戸井勝海剣幸 ほか

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