ステージナタリー - 舞台・演劇の最新ニュースを毎日配信

嫉妬をテーマに“人間のわからなさ”描く、岩松了×東出昌大「二度目の夏」開幕

255

M&Oplaysプロデュース「二度目の夏」フォトコールより、左から水上京香、東出昌大。

M&Oplaysプロデュース「二度目の夏」フォトコールより、左から水上京香、東出昌大。

M&Oplaysプロデュース「二度目の夏」が、本日7月20日に開幕する。それに先駆け、昨日19日にフォトコール・初日前会見が行われた。

岩松了が作・演出を手がける「二度目の夏」は、ある夫婦と夫の親友、そして彼らの周りの男女が湖畔の別荘で繰り広げる、嫉妬を巡るドラマ。代々続く田宮家の会社を継ぎ、6代目社長となった主人公・田宮慎一郎を東出昌大、2年前に彼のもとに嫁いだ美しい女性・いずみを水上京香が演じ、さらに慎一郎の後輩で親友の北島謙吾を仲野太賀(2019年6月に芸名を太賀から改名)、家政婦の前田早紀子を清水葉月、慎一郎の秘書・上野忠を菅原永二、修理屋の男を岩松、田宮家の相談役・落合道子を片桐はいりが担当する。

フォトコールでは、作品冒頭の第1場が公開された。舞台は田宮家が夏の間だけ過ごす、とある別荘。道子と早紀子は菜園で作業しているが、そこへいずみと謙吾が仲睦まじそうな様子で現れる。謙吾は、慎一郎が出張で不在の間、いずみの遊び相手として別荘に滞在しているのだった。道子は、そんな2人の距離の近さに不安を感じる。そこへ、予定より1日早く慎一郎が帰ってきて……。

東出は慎一郎役を、時に熱く時に冷たい、幅のある演技で表現。仲野は慎一郎が全幅の信頼を置く謙吾役を繊細に立ち上げ、水上は周囲から不倫を疑われているいずみ役を終始愛らしい様子で演じた。清水は早紀子役の天真爛漫さを緩急ある芝居で体現し、菅原は早紀子と恋仲にある忠役をトリッキーな人物として立ち上げる。そして片桐は、田宮家を思う故にいずみと謙吾に疑いの目を持つ道子役を表情巧みに表現した。

フォトコール後の初日前会見には、東出、仲野、水上、清水、菅原、岩松、片桐が出席した。今回、岩松と初タッグになる東出は「岩松組に参加できるということ、そして本多劇場に立てるということが、役者として大変光栄です。気負うところもありますが、全力で取り組みます」と意気込みを述べる。続く仲野は「明日から本番が始まるということで、緊張感が高まっています。地方公演を含むと約1カ月半の公演期間になりますので、1人でも多くの人に観に来ていただければ」と来場を呼びかけた。

岩松作品に15年ぶりの参加となる片桐は、「岩松さんの作品は欠かさず観ていますが、今回はあまり観たことのない種類の芝居ができあがったと思います。……岩松さん、私合ってますか?」と突然岩松に問いかける。それに対し岩松が「そうですね、いろいろ新しいものがあるかと……」と戸惑いながら答えると、片桐が「新しいものとは?」とさらに問いかけ、会場を笑いで包んだ。さらに片桐は「台本が稽古の途中までできていなかったので、推理小説を読むがごとく、台本ができあがるのを楽しみにしていたのですが……戦慄が走る内容になっています。ぜひ楽しみにご覧くださいませ!」と期待を煽った。

岩松は、「『二度目の夏』は、嫉妬を感じる心があるか、という物語です。というのも、主演の東出さんが、そういった人間のわからなさを内面に抱えている印象があって……そこから作品が生まれました」と、今作のテーマが“嫉妬”であることを明かし、「脚本を書くのは大変でしたが、彼らが舞台上で動く姿を観ていると、報われるような気がします。明日初日を迎えることが待ち遠しい」と笑顔を見せた。

何度も同じシーンを繰り返し稽古することから、“千本ノック”と呼ばれる岩松の演出について、東出は「繰り返すことで、俳優としてとても鍛えられた。また、脚本の解釈できる幅が広いので、重ねるたびに毎回新しい発見がありました」と述べる。仲野は「僕は岩松さんとご一緒するのが今回で4回目なので、4000本ノックしたことになりますね(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「岩松さんの演出によって、自分でも思いもよらない方向に役が広がっていくんです。きちんと形にして、お客様に届けることができれば」と真摯に思いを語った。

最後に片桐が、「東出くんと太賀くんがすごく仲が良くて。休憩中に東出くんがサンドイッチを取り出して、太賀くんのほうに何も言わずに向けたんですよ。そしたら太賀くん、何も言わないでそれをパクっと食べて……これ、もう付き合ってるんじゃないか? と思いました」と稽古中のエピソードを明かすと、会見場は大きな笑いに包まれた。

M&Oplaysプロデュース「二度目の夏」の東京公演は8月12日まで。その後、17・18日に福岡の久留米シティプラザ ザ・グランドホール、20日に広島のJMSアステールプラザ 大ホール、22日に静岡の静岡市民文化会館 中ホール、24・25日に大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、27・28日に愛知の日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、9月1日に神奈川の湘南台文化センター 市民シアターで上演される。

※初出時、画像のキャプションに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

M&Oplaysプロデュース「二度目の夏」

2019年7月20日(土)~8月12日(月・振休)
東京都 本多劇場

2019年8月17日(土)・18日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

2019年8月20日(火)
広島県 JMSアステールプラザ 大ホール

2019年8月22日(木)
静岡県 静岡市民文化会館 中ホール

2019年8月24日(土)・25日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

2019年8月27日(火)・28日(水)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2019年9月1日(日)
神奈川県 湘南台文化センター 市民シアター

作・演出:岩松了
出演:東出昌大、仲野太賀水上京香清水葉月菅原永二、岩松了、片桐はいり

ステージナタリーをフォロー