「ピピン」演出のダイアンが城田優・Crystal Kayに信頼「インクレディブル!」

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6・7月に上演されるブロードウェイミュージカル「ピピン」の稽古場が、5月9日に公開された。

ブロードウェイミュージカル「ピピン」稽古場より。

ブロードウェイミュージカル「ピピン」稽古場より。

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「ピピン」は、ありきたりな人生を送りたくないと悩む若き王子・ピピンが、さまざまな体験をしながら人生の意味を探し求める姿を描いたミュージカル。東京都内の稽古場の、黒いパネルで囲まれたアクティングスペースには、ピピン役の城田優とリーディングプレイヤー役のCrystal Kayが立っていた。2015年の来日版「ピピン」も手がけたダイアン・パウルスのもとで2人が取り組んでいたのは、第1幕より、変革に目覚めたピピンが民衆に蜂起を呼びかける場面だ。

ブロードウェイミュージカル「ピピン」稽古場より。

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ダイアンは城田やCrystal Kayのやりとりを真剣な表情で見つめ、通訳の力を借りながら日本語のセリフを1語1語区切り、それぞれの語句の意味を確認しながら稽古を進めていく。「“Why”を強調して」「(『レ・ミゼラブル』で革命を呼びかける)アンジョルラスのように!」とオーダーを飛ばすダイアンは、自らも立ち上がって動いてみせながら、セリフに込められた感情を細かに説明する。ダイアンの指示に熱心に聞き入る城田とCrystal Kayは、英語と日本語を交えてダイアンとコミュニケーションを取り、彼女のオーダーに即座に応えながら演じていった。

稽古では、城田演じるピピンの演説に熱狂する民衆のシュプレヒコールを、ダイアンが指導する場面も。ダイアンは海外からのキャストも含めた大勢のパフォーマーたちと円を作り、「ニュースに出ているような暴徒を想像して。エネルギーを大事に!」とイメージを伝える。パフォーマーたちが口々に「チャールズ倒せ!」と熱い叫び声を上げると、ダイアンは「OK!」と笑顔を見せた。

ブロードウェイミュージカル「ピピン」稽古場より。

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この日の稽古の最後、キャストたちは本作の冒頭ナンバー「Magic To Do」を披露。チャールズ役の今井清隆、ファストラーダ役の霧矢大夢、キャサリン役の宮澤エマ、ルイス役の岡田亮輔、バーサ役の前田美波里らが力強い歌声を響かせる中、大勢のパフォーマーたちはしなやかなダンスやアクロバットを次々に繰り出す。最後にCrystal Kayを中心に出演者たちがポーズを決めると、稽古場には大きな拍手が起きた。

ダイアン・パウルス (c)Suzan Lapides 2012

ダイアン・パウルス (c)Suzan Lapides 2012[拡大]

稽古ののち、ダイアンが報道陣の取材に応じた。ダイアンは1972年初演の本作を「ベトナム戦争中に書かれたので、戦争のトラウマや人生の意味を探そうとする若者について提言している」と紹介。同作のリバイバルを手がけたことについては「リバイバルする作品が、上演当時に何を意味していたかに興味がある。“博物館”のような作品にするのではなく、初演時のようなインパクトを観客に与えるためにどうするかを考えるようにしています」と話す。

ブロードウェイミュージカル「ピピン」稽古場より。

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2013年の「ピピン」でトニー賞最優秀演出賞を獲得したダイアンは、サーカスを題材にしたリバイバル版について「もともとサーカスに興味がありました。『ピピン』ではリーディングプレイヤーが冒頭で『Join us!』と歌いますが、サーカスでもテントの外の呼び込み係が観客を誘います。ミステリアスでスリリングですよね」と話した。またダイアンはボブ・フォッシーの手がけた初演版に触れて「彼もサーカスに惹かれていたのだと思います。オリジナル版にもジャグリングやパントマイムが出てきますが、サーカスの要素をさらに膨らませようと思いました」と語る。

さらにアメリカ人の父と日本人の母を持つダイアンは、宝塚歌劇団の大ファンだったという亡き母を偲びながら「もし彼女が『ピピン』の日本語版を観ることができたら、どれほどの贈り物だったか」と心境を吐露。日本語版の上演に向けてダイアンは「箱の中の完成品をお見せするのではなく、客席にこの物語を広げ、日本のお客様の心を動かせたら」と意気込んだ。

ブロードウェイミュージカル「ピピン」稽古場より。

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取材会では、ダイアンがピピン役の城田とリーディングプレイヤー役のCrystal Kayの魅力を語る一コマも。城田の印象を尋ねられたダイアンは「優はインクレディブル! 日本のスターだと聞いていますが、自分から『さあどうしましょう?』と腕まくりをして取り組もうとしてくれます。エゴや虚栄心がない」「彼は作品の中から見る視点と外から見る視点を併せ持っている」と厚い信頼を寄せる。ダイアンはCrystal Kayについても「とてもビューティフルで強くて、スターの資質がある。ちょうどさっき、これが彼女の初めてのミュージカルだと聞いて『ウソでしょ!?』と言ったばかり(笑)」と称賛し、「彼女は常に自分のできる最高のパフォーマンスをしようとしていて、毎回大きく変化しています」と期待を口にした。

公演は6月10日から30日まで東京・東急シアターオーブ、7月6・7日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、7月12日から15日まで大阪・オリックス劇場、7月20・21日に静岡・静岡市清水文化会館(マリナート)大ホールにて。

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ブロードウェイミュージカル「ピピン」

2019年6月10日(月)~30日(日)
東京都 東急シアターオーブ

2019年7月6日(土)・7日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール

2019年7月12日(金)~15日(月・祝)
大阪府 オリックス劇場

2019年7月20日(土)・21日(日)
静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール

脚本:ロジャー・O・ハーソン
作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ
演出:ダイアン・パウルス

キャスト

ピピン:城田優
リーディングプレイヤー:Crystal Kay
チャールズ:今井清隆
ファストラーダ:霧矢大夢
キャサリン:宮澤エマ
ルイス:岡田亮輔
バーサ:中尾ミエ前田美波里(Wキャスト)

神谷直樹、坂元宏旬、田極翼、茶谷健太、常住富大、石井亜早実、永石千尋、妃白ゆあ、伯鞘麗名、長谷川愛実、増井紬 ほか

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PIPPIN ピピン日本語版公演2019→2022 @pippinduck

めざましどようび、いかがでしたか?朝早くて見逃した!という方、こちらのステージナタリーさんの記事には稽古後のダイアンのインタビューの内容も載っています!ぜひチェックしてみてください🧐✨
https://t.co/mzF16kZsWG

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