ドキュメンタリー「
佑、時生の兄弟が組む演劇ユニット・ET×2は、2014年、サミュエル・ベケットの不条理劇「ゴドーを待ちながら」に挑み、17年には父である
佑は「ET×2は一生続けていきたくて、その中でいつか『ゴドー』をやりたい気持ちがあった」と思いを述べる。また上演作品に「ゴドーを待ちながら」を選んだ理由について「いつも二人芝居の戯曲を探すんですけど、年相応の戯曲ってなかなかないんですよ。でも舞台だと(年齢にとらわれず表現)できるということで。一発若いときに『ゴドー』かましとくか、みたいな感じで」と語った。
17年版で父・明が演出を手がけることになった経緯について、時生は「いつかやってもらわないと、という感覚はありました。あの人(明)に演出してもらって、どうなるか確かめたい部分もあって。あるとき親父が『(ゴドーの)2回目はいつなんだ? 演出は? 美術は? まあ次(演出を)やるのは俺だよな』と言ってきて……やりたいんだなと(笑)」と、エピソードを明かす。
山崎は、明が息子たちの二人芝居の演出を務めると聞き、「これはのぞきに行かないと、と思って、どうせ行くのならカメラを回そうと思い立った」と述懐。撮影の相談を受けた佑が、念のため確認すると、父・明は二つ返事で承諾したという。佑が「親父としては3人の親子対決をというより、俺の稽古場!っていうのを残せるのがうれしかったんだろうな」と口にすると、時生も「わかる!」と同意。完成したドキュメンタリーについて、佑は「カメラががっつり親父のほうに向いてますから。面白かったんでしょう、俺らなんかより。あの怒鳴り散らしを何回も見たことがありますけど、それを映像で初めて観たので新鮮でした」と感慨を述べる。これを受けた山崎は「“柄本明百面相”という感じで撮影していました」と発言し、会場の笑いを誘った。
山崎が“役者・柄本明”の話題を持ち出すと、沈黙のあと、佑が「しゃべりづれえ!」と口走る。時生は「何かのドラマで、親父がナイフで刺されるシーンがあって。もうすぐ死ぬっていうときに、二重まぶたをわざわざ一重にしていたんです。ああ、変な人だなって。相手役も困りますよね」と話し、佑と時生は「何がしたいんだろうねえ!」と同調して笑う。時生は「でも真面目なことを言えば、そういうことを本気でやった人ってなかなかいないんじゃないかなと思いますよ」と続けた。
舞台挨拶では、「ゴドーを待ちながら」公演中のエピソードも飛び出す。佑は「舞台から親父の姿が見えて緊張してしまって。行きたくねえなあって思いながらも、袖に捌けては親父にいろいろ言われて、また舞台上に戻って。また捌けたときにいろいろ言われて。セコンドとボクサーみたいでしたよ」と、演出家としての父とのエピソードを振り返った。
ユーロスペースで上映中の「柄本家のゴドー」は、東京・下北沢トリウッドで近日上映されるほか、5月下旬から京都・出町座、6月22日からは大阪・大阪・シアターセブンでも公開される予定だ。
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