初舞台の演目は村上元三脚本の「絵本牛若丸」。1984年に父・菊之助の初舞台で初演された演目が、このたび息子に受け継がれる。本日2月27日には東京都内で記者発表が行われ、
和史の手を引き登壇した菊之助は、「自分が勤めた牛若丸を和史に演じさせたい、そしてそれを團菊祭の演目として上演したい。こうした私の思いが強かったものですから、実現してこんなにうれしいことはございません」と関係者に感謝を述べ、「温かいご声援を何卒よろしくお願いします」と観客に呼びかけた。
続く和史は、「5月に尾上丑之助の名跡を七代目として襲名いたします。一生懸命がんばります。どうぞよろしくお願いいたします」と、しっかりした口調で挨拶。その立派な様子に、記者たちからは拍手が起きた。
報道陣からの「おめでとうございます」という呼びかけにも「ありがとうございます」と1つひとつ礼儀正しく回答する和史。どんな役者になりたいかという質問には、「お父さんのような歌舞伎俳優になりたいです」と答え、「演じてみたい役は?」という問いには、「弁天小僧です」と回答。好きなセリフは「弁天小僧菊之助ってところです」と元気よく答えた。
さらに「初舞台で楽しみにしていることは?」という質問には「ないです」とキッパリ回答。会場内に飾られた自身の牛若丸の扮装写真について記者から「似合ってますね」と触れられると、「うれしいです。似合ってます。ありがとうございます」と返し、会場を温かい笑いで包んだ。
そんな記者との和やかなやり取りを横で眺めながら、菊之助は「激しい立廻りが好きなので、家では『マハーバーラタ』の戦いのシーンなどをまねしております」と息子の歌舞伎好きエピソードを明かす。和史の祖父である菊五郎は、「今のように真っ直ぐに育ってくれれば」と孫への期待を語りつつ、「今年は5月に10連休があるんですね。お客さんがみんな外国に行ってしまわないように、なんとか足止めを……」と冗談を飛ばし、会場の笑いを誘った。
「團菊祭五月大歌舞伎」
2019年5月3日(金・祝)~27日(月)
東京都 歌舞伎座
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【会見レポート】「お父さんのような歌舞伎俳優に」寺嶋和史が「絵本牛若丸」で初舞台
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