来年2019年1月から2月にかけて上演される、ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」の製作発表が、本日11月19日に東京・マイナビBLITZ赤坂で実施された。
本作は、
約300名のオーディエンスが見守る中、製作発表は出演者たちによる劇中歌披露からスタート。まず市村と石丸が「君の歌をもう一度」を高らかに響かせると、続いて濱田、平原、田代、小野田、夢咲、咲妃、鳳、香寿が声を合わせて「なつかしい友よ」を歌い上げる。さらにクリスティーヌの息子・グスタフ役の大前優樹、加藤憲史郎、熊谷俊輝が「心で見つめて」を歌唱し、最後に濱田と平原が「愛は死なず」で美しい高音を響かせ、会場は大きな拍手に包まれた。
その後、舞台上にはホリプロの堀義貴代表取締役会長兼社長が登場。堀社長は、再演にあたって楽曲の変更や追加、新たな編曲などが行われていると見どころを紹介し、「『ラブ・ネバー・ダイ』が新しくなって帰ってきます。初演をご覧になった方も『もういいや』と思わず、ぜひよいお席をお早めにお求めください(笑)」とオーディエンスにアピールした。
続いてキャストたちが1人ひとり挨拶する。劇団四季時代に「オペラ座の怪人」でファントム役を演じた市村は、「39歳のときに『オペラ座の怪人』に出会い、公演の最中に40歳になった」と振り返り、「オペラ座の怪人」から10年後の登場人物たちが描かれる本作については「『オペラ座』と同じ日生劇場で、10年後のファントムを演じられるとは思わず……『ラブ・ネバー・ダイ』初演から約5年、『オペラ座』からは30年になる来年、僕は『ラブ・ネバー・ダイ』再演の最中に古稀を迎えます。長く生きててよかったなあってしみじみ思いますね」と感慨深げに語った。
劇団四季の「オペラ座の怪人」ラウル役でデビューした石丸は「市村さんの背中を見ながら走ってきた」と劇団時代を回顧する。また石丸は本作の初演を観劇し「オペラ座の怪人」からのラウルの変化に衝撃を受けたと言い、「10年後の姿を知っていたらラウルの役作りも変えていたのに! 10年で人は変わるんだなと……」と笑いを交えながら、「ファントム役のお話をいただいたときは、私の技術で大丈夫なのかと不安でいっぱいだった」と胸の内を告白する。上演に向けては「稽古場で先輩たちの演技を拝見しながら勉強させていただいて、(1月の公演に向け)いい“おせち料理”を作っていきたいです」と気合十分に述べた。
「がんばってみんなをフォローしようと思ったのに、さっき歌でミスをしてしまいました……」と自分の頭を拳で“コツン”と叩くのは濱田。約5年ぶりに演じるクリスティーヌについては「“愛”1つとってもいろいろな種類があって、クリスティーヌはラウルへの愛、息子への愛、ファントムへの愛をそれぞれ持っている。初演ではたどり着けなかった、彼女の複雑な思いの手がかりがつかめてきました」と分析し、「前回よりも彼女の母親としての面を強く感じている。今回はより母性を出していけたら」と役作りを語った。
「愛とかいろんなものでドロドロしている」と作品の印象を語る平原が、「実はファントムを演じてみたい」と明かすと、市村が「俺がクリスティーヌか!?」と即座にツッコんで会場を大きな笑いで包む。平原はファントムの印象を「ファントムの愛はカオナシ(宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」のキャラクター)に似ている。カオナシは黄金を欲しがらない千尋を追いかけますが、愛ってエゴなんだなと思った」と分析し、「この『ラブ・ネバー・ダイ』は、クリスティーヌがファントムに愛とは何かを気付かせる物語なのかなと。再演ではそれをお伝えできたら」と意気込んだ。
続投の田代は「初演のとき、ロイド=ウェバーさんが成田空港からヘリコプターで日比谷の日生劇場に来たことを覚えています。ロイド=ウェバーさんが作曲家として現在進行形であること、生きた楽曲を生み出し続けていることに感動しました」とエピソードを明かす。2度目のラウル役に際しては「前回のラウル役で僕は初めて父親を演じたのですが、5年経って改めて台本を読むとまったく違う景色が見えてきた。舞台に立てるのを楽しみにしています」と期待をのぞかせた。
初参加の小野田は、14年の「ザ・ビューティフル・ゲーム」への出演をきっかけに本作を知ったと言い、「『ラブ・ネバー・ダイ』のテーマ曲は、もともと『ザ・ビューティフル・ゲーム』にあった曲だそうです。いい曲だと思ったのに『この歌はカットされています』と言われて……(笑)」と明かす。ラウル役での出演に際しては「市村さんや石丸さんと舞台で対決できるのは、いち俳優として非常に光栄。丁寧に演じていきたい」と力強く述べた。
「難しい楽譜と日々戦っています」と言う夢咲は、「先輩方の背中を追いかけて、『オペラ座の怪人』で描かれなかったメグ・ジリーの内面を掘り下げたい」と意気込む。また宝塚歌劇団時代に星組でトップ娘役を務めた夢咲は、「鳳さんやタータン(香寿)さんは星組でトップスターをされていた。大好きなお二方を前に緊張してしまうかと思いましたが、そこは観てきた回数、尊敬してきた年数がありますので……お母さんとしてすんなりと親しませていただきたいと思います!」と熱く語り、客席からの拍手を浴びた。
咲妃は宝塚歌劇団では上級生にあたる夢咲へと視線を送りながら「尊敬してやまない夢咲ねねさんと同じ役を演じさせていただける日が来ようとは……」と感慨を語ると、これを受けた夢咲は「いやいやいや!」とはにかみながら手で「×」を作り、咲妃とお辞儀を交わして会場を笑わせる。さらに咲妃は「親子の絆を表現できればと思うので、どうぞお稽古ではよろしくお願いいたします」と同じく宝塚出身の鳳、香寿に丁寧に呼びかけ、共演者たちを和ませた。
鳳はWキャストでマダム・ジリーを演じる香寿、娘のメグ・ジリー役の夢咲、咲妃がいずれも自身と同じ宝塚出身であることに触れ、「親子役の4人、実際は祖母と母と娘って感じですけど……(笑)。必死に若作りしてがんばります」と冗談を飛ばして共演者たちを笑わせた。
「大尊敬の鳳蘭さんと同じ役を演じることができてうれしい」と笑顔で話す香寿は、夢咲と咲妃に視線を送りながら「お稽古で、iPhoneでの録音のやり方が全然わからなくて……下級生に教えてもらった。同じ舞台に立ったら、上下関係なく助け合いだなと思います(笑)」とエピソードを明かす。続投に際しては「新しいキャストの皆さんや新しい楽曲も入ってきた。新しい『ラブ・ネバー・ダイ』をお届けしたい」とメッセージを送った。
続いてグスタフ役の3名がコメント。大前は「曲が大好きなので選んでもらえてうれしい。あとは……がんばります!」と元気いっぱいに話す。また初演時に兄の加藤清史郎がグスタフを演じていたと言う加藤憲史郎は、「自分なりのグスタフを演じられたら」と意気込み、初舞台の熊谷は「素晴らしい共演者の皆さんからいろんなことを吸収してがんばりたい」と抱負を述べた。
最後に出席者を代表して、市村と石丸が来場者にメッセージを送る。石丸は「私たちはこれから日々課題をクリアしつつ、初日に向けてスタートしてまいります。ご期待以上のものをお届けできるようがんばりますので、どうぞよろしくお願いします」と呼びかけ、さらに市村は「2019年のお正月公演として、日生劇場でこの作品を上演できるのは光栄なこと。多くの方に、我々のドロドロとした“泥仕合”をお見せしたいと思います」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せ、製作発表を締めくくった。
ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」の上演は1月15日から2月26日まで、東京・日生劇場にて。
ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」
2019年1月15日(火)~2月26日(火)
東京都 日生劇場
音楽:
歌詞:グレン・スレイター
脚本:アンドリュー・ロイド=ウェバー、ベン・エルトン / グレン・スレイター、フレデリック・フォーサイス
キャスト
ファントム:
クリスティーヌ・ダーエ:
ラウル・シャニュイ子爵:
メグ・ジリー:
マダム・ジリー:
グスタフ:大前優樹 / 加藤憲史郎 / 熊谷俊輝
フレック:
スケルチ:
ガングル:重松直樹
(以下五十音順)さけもとあきら、白山博基、田村雄一、丹宗立峰、照井裕隆、富永雄翔、港幸樹、安福毅、彩橋みゆ、
関連記事
市村正親のほかの記事
タグ
リンク
- ラブ・ネバー・ダイ
- ラブ・ネバー・ダイ | ホリプロ オンライン チケット
- 2019年 ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』 (@LND2019) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
タカラヅカ歌劇ポータル │ 宝塚歌劇・宝塚OG情報を発信中 @zukazuka_info
市村らが送る“泥仕合”「ラブ・ネバー・ダイ」に石丸「いいおせち料理を」 - ステージナタリー https://t.co/EiMYlzW4p9