映画「
舞台挨拶には菊地を除いた出演者全員と西田が登壇。西田は「本作のことだけでなく、人生においても、ようやくこの日が来たなという思いです。俳優と新たな挑戦をもう一つ上のスケールでやっていきたいという思いがあって、これは始まりの扉であるような気がしています」と初監督を務めた感慨を語る。さらに「舞台は舞台のために作られたものですから、せっかく映像で物を作るとなったときに『絶対に映画でしか作れないものでないといけない』という思いがありました」と前置きし、「笑えるだけの作品や泣けるだけの作品が世の中にたくさん溢れているので、そこで皆の顔色を伺ってもしょうがないなと思って、ちょっと挑戦的な“かっとんだ”作品を作ってみました。1回でわかった人はいないんじゃないかなと思うような映画なんですけれど、睨みつけて観ていただければと思います」とメッセージを送った。
黒ネクタイの男を演じた松田は、役作りについて「“我慢”をしました。各々の会話や目に見えない空気感が大事なので、何を考えてるんだろうというのを表情から感じ取られないようにすべてを抑えて演じさせていただきました」と語り、「その“我慢”が最後にはどうなっていくかを注目してもらえればとうれしいです」と見どころを紹介する。
ヒロイン・ユキ役の皆本は「空気というか……おかしな人がたくさんいらっしゃる中で、それを一生懸命感じ取ろうと思いながらそこにいました」と撮影を述懐。白ネクタイの男に扮した玉城は「(役作りは)ないですね! あまり深く考えずに新鮮にいようかなというぐらい。でも素ではないですからね! お仕事で演じておりますので」と勢いよくアピールして会場の笑いを誘いつつ、「舞台とは別作品なので、舞台のことはまったく無視で映画をそのまま観てください。楽しんで観てもらえたらなと心から思います」と真摯に語った。
チョーカーの女を演じた高柳は、役作りについて「練習のときからチョーカーに手を置いたりして、チョーカーを着けることを意識していました」とコメント。また高柳が「現場がすごく寒かった」と撮影を振り返ると、小槙も「とにかく寒くて、みんなで毛布にくるまって雑魚寝したり仲よく過ごしてました」とほほえんだ。山口は自身の演じたトランペットの男について「狂気じみたキャラクターたちの中でも飛び抜けて狂気を放ってる。本読みで思いきりやったら抑えてくれと言われて、引き算して、狂気を隠そうとしながらも隠しきれないような役作りをしました」と述懐。さらに、これまでも西田と一緒に仕事をしてきた山口は「『監督じゃないすか』と感動しました。(西田の)夢が叶ったんだなと」と、映画に関する仕事を西田と行ったことに感激したと明かす。銀コインの男役の中村も「舞台を演出する西田さんと違った姿が見られた。映画の撮影に慣れていくスピードが尋常じゃなくて、すごい人だなと改めて思いました」と西田を称賛した。
最後に松田が「正直言って難しい作品で、それぞれの答えがあると思います。映画は何度も観られるので振り返ることができる。西田さんが初監督した作品が世の中にとって最大の謎であるように皆さんに届けばいいと思います。どんなシーンもお見逃しなく」と挨拶し、イベントを締めくくった。
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