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舞台「さよなら鹿ハウス」に向け、丸尾丸一郎と渡部豪太が対談

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左から丸尾丸一郎、渡部豪太。

左から丸尾丸一郎、渡部豪太。

11月に東京、大阪にて上演されるOFFICE SHIKA PRODUCE「さよなら鹿ハウス」に向けて、作・演出を手がける丸尾丸一郎と主演の渡部豪太が、過日合同取材会に臨んだ。

本作は劇団鹿殺しの丸尾丸一郎による自伝的私小説「さよなら鹿ハウス」の舞台化作品。劇中では劇団鹿殺しと丸尾自身の上京物語をもとにしたストーリーが展開する。“劇団鹿“の7人は、上京してからの2年間、一軒家で共同生活をしながら、アルバイトを禁じて路上パフォーマンスを行って得る収入のみで暮らすことを決断する。彼らは“伝説になる”ことを目指すが……。

取材に応じた丸尾は「僕が『伝説になりたい』とひたすら思っていた当時は、『何をもってして伝説なんだ?』なんて考えもしなかった。それでもどこかで、誰かの記憶に残ることは意識していたと思います」と当時を振り返る。渡部は「誰もやろうともしない無茶をやるんだけど、最後までやり遂げる姿に人は感動する。そして、記憶に残ります。人の心に残るというのは、伝説のひとつじゃないかと思います」と続け、「作中の角田角一郎に共感するところがありました」と述べた。

また、丸尾は当時路上パフォーマンスを始めたきっかけについて、「関西で活動をしていたとき、チラシの折り込みや呼び込みといったまっとうな宣伝活動をいくらがんばっても、まったく劇場にお客さんが増えなかったんです。それで、チラシを見る人はいったい街の何パーセントなんだって考えて、もっと街に出ないといけないと思い立ちました」と語る。さらに唐十郎の紅テント公演や路上ミュージシャンの姿に感銘を受け、「『彼らは戦っている。僕たちにできることはないのか』と心を動かされたのがきっかけです」とエピソードを明かした。

渡部は小説版「さよなら鹿ハウス」について「小説のなかに、路上パフォーマンスをするのに適している駅のリストや注意点なんかも書かれている(笑)。この物語は、とてもいい意味で庶民的というか、誰にでもわかるように書かれています。ある劇団がたどった軌跡ですから、表現者を志す人にとっては実用性のある指南書として読めるかもしれません。私にとっては、先輩が残してくれた航海日誌だと感じました」と述べた。

また小説を舞台化することについて丸尾は「小説を書き上げたことで、これから作っていく舞台『さよなら鹿ハウス』で描きたいことが新たに見えてきました。物語は同じですが、舞台は舞台で、小説とは違う部分にスポットを当てて描くつもりです。今の僕は、あのころなりたかった自分にだいぶ近付いているんだと思います。たくさんの機会をいただいて、お芝居で食べていけている。でもその幸せを、たまに忘れてしまうんです。僕はすごくネガティブなので(笑)。ちゃんと今の幸せを忘れないでいられるように、この物語を書いたのだと思います」と思いを口にした。

OFFICE SHIKA PRODUCE「さよなら鹿ハウス」は11月8日から18日まで東京の座・高円寺1、11月22日から25日まで大阪・HEP HALLにて。出演者にはほかに、浅野康之飛磨、岡田優、勝又啓太、笹海舟、清水佐紀、玉川来夢らが名を連ねている。

OFFICE SHIKA PRODUCE「さよなら鹿ハウス」

2018年11月8日(木)~18日(日)
東京都 座・高円寺1

2018年11月22日(木)~25日(日)
大阪府 HEP HALL

作・演出:丸尾丸一郎
出演:渡部豪太 / 浅野康之飛磨、岡田優、勝又啓太、笹海舟、清水佐紀、玉川来夢 / 今井涼太、尾上武史、澤田美紀、椎名朱音、松本さえ子 / 椙山さと美(Wキャスト)、鷺沼恵美子(Wキャスト)

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