「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)演出のピン・チョンが来日

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日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS Ping Chong's ドキュメンタリーシアター“Undesirable Elements”「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)が、来年2019年1月に東京と大阪で上演される。それに先駆け、8月28日に演出のピン・チョンが来日し、都内にて記者懇談会が行われた。

「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)、演出ピン・チョン来日記者懇談会より。

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「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)、演出ピン・チョン来日記者懇談会より。

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懇談会にはピン・チョンのほか、企画・共作・共同演出の阪本洋三、Ping Chong + Company エグゼクティブ・ディレクターのブルース・アラダイス、企画・プロデューサーの鈴木京子、日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS パフォーミングアーツ・グループ チーフ・ディレクターの森真理子が登壇した。

「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)は、障害がある人や社会に生きづらさを感じている人たちから語られたさまざまなエピソードを、演劇として再構築する“Undesirable Elements”の日本版。演出のピン・チョンはこれまでにも、移民や戦争孤児、LGBT、社会的マイノリティーなど生きづらさを感じているさまざまな人へのインタビューを行い、作品を発表している。今回は、本作の出演者オーディションに立ち会うために来日した。

「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)、演出ピン・チョン来日記者懇談会より。

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ピン・チョンは作品について「この『Undesirable Elements』は、1992年にニューヨークで初演され、当時留学中だった高萩宏さん(現・東京芸術劇場 副館長)、演劇批評家の鴻英良さんがご覧になり、95年のTOKYO演劇フェアの一環として招かれ、東京芸術劇場で『ガイジン』というタイトルで上演されました」と説明。「そのときのコンセプトは、東京に住んでいる8人の外国人が、自分たちの生きづらさや東京での生活について話すというものでしたが、今回は前回と違うコンセプトで“生きづらさ”について舞台を考えていきます」と続け、「今まで、世界で67プロダクションの『Undesirable Elements』を行ったので、今回が68番目になるでしょう」と語った。

現在は近畿大学で舞台芸術の演劇とダンスを教えていると言う阪本は、「私は(このシリーズの)最初のニューヨークで、初演のキャストとして出演しました。そのときは、どんなショーになるのかわからなくてみんなで手探りでした」と振り返る。今回のクリエーションに関わることになった経緯については、「ピンさんはあまり日本語が得意ではないので、今回のクリエーションにあたり出演者の皆さんのお話を一緒に聞き取りしたり、そこから台本を作ったりという補佐をするうちに、一緒にプロジェクトをやることになりました」と説明した。

「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)、演出ピン・チョン来日記者懇談会より。

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ピン・チョンは今回のクリエーションについて「障害をお持ちの方が中心になるでしょう」と話し、「作品の根底にあるテーマの1つとして、インクルージョン、エクスクルージョンという2つのコンセプトがありますが、その方たちを排除しない社会、その方たちと共存していける社会にいかになるか、というようなことの境界の部分を探っていきます。そこから“気付き”に持っていき、彼らと共生できる状態とはどういったことなのか、ということを皆さんで考えていきましょう」と呼びかける。

また「舞台美術は非常にシンプルですけれども、『ガイジン』をやった時代よりも進化させて、いろいろと手の込んだビジュアルの要素などを最近取り入れておりますので、今回は『ガイジン』より変わったプロダクションをご覧いただけるのではないかと思っています」と意気込みを述べた。

公演は19年1月18日から20日に東京・東京芸術劇場シアターイースト、26・27日に大阪・ナレッジシアターにて行われる。

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日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS Ping Chong's ドキュメンタリーシアター“Undesirable Elements”「生きづらさを抱える人たちの物語」(仮題)

2019年1月18日(金)~20日(日)
東京都 東京芸術劇場シアターイースト

2019年1月26日(土)・27日(日)
大阪府 ナレッジシアター

作・演出:Ping Chong(ピン・チョン)
企画・共作・共同演出:阪本洋三

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