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「シラノ」開幕、“鼻”を初披露した吉田鋼太郎「皆さんにも一度付けていただきたい」

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「シラノ・ド・ベルジュラック」公開ゲネプロより。左から黒木瞳演じるロクサーヌ、吉田鋼太郎演じるシラノ・ド・ベルジュラック。

「シラノ・ド・ベルジュラック」公開ゲネプロより。左から黒木瞳演じるロクサーヌ、吉田鋼太郎演じるシラノ・ド・ベルジュラック。

吉田鋼太郎主演「シラノ・ド・ベルジュラック」が、本日5月15日に東京・日生劇場にて開幕する。これに先駆けて昨日14日に同劇場で公開ゲネプロが行われた。

エドモン・ロスタン作の「シラノ・ド・ベルジュラック」は、17世紀中頃のフランス・パリを舞台に、剣豪シラノの生死を賭けた純愛を描く物語。今回の上演版では、上演台本をマキノノゾミと鈴木哲也、演出を鈴木裕美、音楽を清塚信也が担当している。

ガスコン青年隊に所属するシラノは、人並み外れた大きな鼻がトレードマークの近衛騎士。類稀なる詩の才能と天下一の剣の腕前を持ったシラノは、権力を嫌い、いついかなるときでも“己の正義”を貫く男だった。彼は、誰もがため息をつくような美貌の持ち主である従姉妹のロクサーヌに片思いをしていたが、自分の容姿を恥じて思いを打ち明けられないでいた。

一方、ロクサーヌは容姿端麗な青年・クリスチャンに恋をし、彼がシラノと同じ部隊に配属されたと知ると、シラノに仲立ちを依頼する。シラノはクリスチャンが表裏のない好青年だと知り、気に入るが、彼の詩心のなさに困り果て、クリスチャンの代わりにロクサーヌへの恋文を書くことになり……。

吉田は豪快なセリフ回しや“100人斬り”の場面での見事な殺陣など、熱血漢のシラノをパワフルに演じる。また自らの恋心を心の奥底に押し込めながら、ロクサーヌとクリスチャンの恋路を手助けするシラノを、憂いを帯びた演技で熱演。またヒロインの黒木瞳は、華麗な立ち振る舞いと純真な笑顔でロクサーヌを体現した。

本作ではクリスチャン役を大野拓朗白洲迅がWキャストで務める。公開ゲネプロに出演した大野は、ロクサーヌに一途に愛を傾けるも、順調にいかないクリスチャンの歯がゆさを巧みに表現。また六角精児は、ロクサーヌを慕うド・ギッシュ伯爵をコミカルに演じながらも、嫉妬に狂い策略をめぐらせる伯爵の狡猾さを、見事な演技で魅せた。さらに楽士を務める清塚と朝里奈津美の生演奏が、各シーンに彩りを添えている。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には、キャストより吉田、黒木、大野、白洲、六角が登壇。吉田は自らが演じるシラノについて「最初から最後まで出ずっぱりで、階段を駆け上り、駆け下り、100人を斬り、黒木さん演じるロクサーヌにフラれ、大野・白洲のクリスチャンとロクサーヌの恋を助け、と獅子奮迅しております。『さあ、これからやってやるぜ!』という気持ちが高まっています」と気合十分な様子。続いて黒木は「鋼太郎さんが素晴らしいので、私たちは盛り上げ隊として日々がんばっております。初舞台のような新鮮な気持ちです」と笑顔を見せた。

意気込みを聞かれた大野は「舞台上で少しでも爪痕を残して、楽しい舞台になるようがんばりたい」と述べ、白洲は「鋼太郎さんのエネルギーがすごいので、負けないようにしたいです」と熱く語った。続いて六角は「鋼太郎さんは、『人間っていうのは、こんなにセリフを覚えられるものなのか?』というほどセリフをしゃべっておられます。私はバイプレイヤーとして違った色を添えられれば」と挨拶した。

シラノの持つ長い鼻を会見の場で初お披露目した吉田は「1週間前の稽古から付けはじめましたが、重くないし、非常に快適です。メイクのときも2、3分で付くんです。皆さんにも一度付けていただきたい(笑)」と記者たちの笑いを誘う。また劇中で披露する“100人斬り”のシーンについては「“100人斬り”をして高揚したテンションで最後まで乗り切っていけるという、ちょっとした効果があります」と明かした。そんな吉田の殺陣について大野は「カッコいいですし、尊敬という言葉しか思い浮かばないです」、白洲は「手数が多いうえに、すべての所作が美しい」とそれぞれ絶賛した。

本作の見どころについて吉田は「演出家も標榜していますが、目指すのは“高級大衆演劇”。お客さんも一体になって手拍子や掛け声をかけていただきたい。フランスの古典ですが、非常に身近な純愛もので小難しさもありませんので、楽しんでいただけると思います」と自信をのぞかせ、最後には「『こんなに面白くなるとは思わなかった!』という仕上がりです。笑って泣けて勇気をもらえるお芝居なので、日常の憂さ晴らしをしに観にいらしてください」とアピールし締めくくった。

東京公演は5月30日まで。その後、6月8日から10日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される。

「シラノ・ド・ベルジュラック」

2018年5月15日(火)~30日(水)
東京都 日生劇場

2018年6月8日(金)~10日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:エドモン・ロスタン
上演台本:マキノノゾミ、鈴木哲也
演出:鈴木裕美
翻訳:石野香奈子
音楽:清塚信也

キャスト

シラノ・ド・ベルジュラック:吉田鋼太郎
ロクサーヌ:黒木瞳
クリスチャン(Wキャスト):大野拓朗 / 白洲迅

ル・ブレ:大石継太
ヴァルヴァーニ子爵:平野良
末次美紗緒
ラグノー:石川禅
ド・ギッシュ伯爵:六角精児

花王おさむ
若杉宏二

秋元龍太朗
飯田一徳
石井咲
尾関陸
小原和彦
齋籐慎平
柴一平
高橋ひろし
谷畑聡
新田健太
藤代太一
細川洋平
本多剛幸
村井麻友美
安田カナ

楽士:清塚信也
楽士:朝里奈津美

※初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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