ミュージカル「ジキル&ハイド」が本日3月3日に東京・東京国際フォーラム ホールCで開幕。これに先駆け昨日2日、同劇場で囲み取材とゲネプロが行われた。
脚本・詞をレスリー・ブリカッス、音楽を
重々しいオーケストラと共に舞台の幕が上がると、19世紀ロンドンの街並みをイメージした灰色の装置がそびえ立っている。父が心を病んだことをきっかけに、ジキルは人間の精神に干渉する薬の開発を決意し、歌い上げる。彼は「人間の善と悪の両極端の性格を分離できれば、悪を制御し消し去ることができる」と仮説を立てていた。しかし周囲から研究を否定されるとアターソンの忠告にも耳を貸さず、自身の体で薬を試してしまう。
薬によって現れた“悪”の人格・ハイドが、ジキルの研究を拒絶した権力者たちを次々と殺害していく様子は、アンサンブルの息の合った群唱に乗ってテンポよく展開する。またジキルとハイドの入れ替わりは照明の激しい明滅によって表され、物語の緊張感をさらに高めていく。
石丸は高らかに歌声を響かせながら、ジキルとハイドの2役を熱演。2つの人格が主導権を争う激しいナンバー「対決」では声色と表情を使い分け、ジキルとハイドの目まぐるしいせめぎ合いを表現する。またガーターベルトをつけた脚を高々と跳ね上げ、パワフルな歌唱で観客を魅了する笹本は、ジキルとハイドの両方に惹かれるルーシーを繊細に演じた。さらに宮澤演じるエマは、柔らかなソプラノと優しい笑顔でジキルを包み込み、婚約者に常に寄り添う純真なエマを体現した。
ゲネプロ前に行われた囲み会見には石丸、笹本、宮澤の3名が出席。3度目の出演となる石丸は、新たなキャストたちとの共演について「キャッチボールで言うと、投げ合う球やアイコンタクト、受け取り方が変わるんだなと思いました。前回と比べるのではなく今起きていることを楽しんで、稽古場ではいいキャッチボールができたと思います」と自信をのぞかせる。またハイドを演じる楽しさを祭りに例え、「“ハイド祭り”しますから、期待しててください!」と呼びかけた。
2012年版、16年版ではエマを演じた笹本は「自分なりの解釈でルーシーを演じるのが楽しみ」と、新たな役柄への挑戦に気合十分。妊娠、出産による1年の休業からの復帰については「再デビューのような気持ち。感じたことのない緊張で包まれています」と心中を明かした。またルーシーの、大きくスリットが入った衣装について質問されると、笹本は「どうですか……? 衣装に着られてないかな」と恥ずかしそうに共演者に視線を送る。石丸と宮澤は口々に「お似合いです」「スーパーセクシー!」と笹本に笑顔を返した。
初参加の宮澤は「プレッシャーしかない、みたいな状況」と稽古を振り返るが、衣装で舞台に立ったことで「なんて壮大なスケールのミュージカルに参加させていただいているんだろう」と高揚感を得たと心境を述べる。また石丸の目を見て歌うことになかなか慣れなかったと言い、「『私今、息臭くないかな』とか訳のわからない邪念が頭の中でうごめくのを止められず……」とはにかむ。続けて「でも石丸さんの目がとても優しく『大丈夫だよ』と見つめてくれていて。頼もしいパートナーです」と厚い信頼を寄せた。
最後に石丸が「新しいメンバーも加わり、よりフレッシュに、より練りこんだ『ジキル&ハイド』をお届けできると思います。ぜひ劇場に、私たちの“夢の世界”を観に来てください。お待ちしています」と挨拶し、取材は終了した。
本作は休憩込みの約3時間。公演は3月18日まで東京・東京国際フォーラム ホールC、3月24・25日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、3月30日・4月1日に大阪・梅田芸術劇場 メインホールで行われる。
ミュージカル「ジキル&ハイド」
2018年3月3日(土)~18日(日)
東京都 東京国際フォーラム ホールC
2018年3月24日(土)・25日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
2018年3月30日(金)・4月1日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール
脚本・詞:レスリー・ブリカッス
上演台本・詞:高平哲郎
演出:
音楽:
出演:
※高平哲郎の「高」ははしごだかが正式表記。
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