4月に旧金毘羅大芝居(金丸座)で上演される「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の製作発表が、本日1月24日に東京都内にて開催された。
1985年に初演された「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、1835年に建築された日本最古の本格的芝居小屋・旧金毘羅大芝居(金丸座)にて毎年行われている人気興行。34回目となる今回は、八代目
会見には、芝翫、橋之助、福之助、梅玉、そして琴平町長の小野正人、松竹の安孫子正副社長が登壇した。小野町長は本公演で披露される6演目のうち、4演目が「こんぴら」での初お目見えとなること、そして第1部の「鞘當(さやあて)」にて、同じく「こんぴら」初登場となる、劇中口上が行われることを見どころとして紹介し、「桜満開の季節に、全国、そして世界から多くの方にお集まりいただきまして、開催できることを楽しみにしてます」と、意気揚々と挨拶した。
19年ぶりの「こんぴら」出演となる芝翫は、「串田和美さんからコクーン歌舞伎のお話をいただいたのも琴平で、琴平にはご縁を感じます。亡くなった(十八代)勘三郎をはじめとしたみんなで夜集まって、『あんな芝居しよう』『こんな芝居しよう』と熱く語ったことも思い出されます。今回、息子共々琴平で襲名の披露ができることを、感謝申し上げます」と頭を下げる。
そろって「こんぴら」初お目見えとなる長男の橋之助と次男の福之助は、観客との距離が近い芝居小屋という空間での芝居に、期待を膨らませている様子。橋之助は「どうしたらお客様に喜んでいただけるのか、どういうことを求められてるのか、1カ月勉強しながら勤めてまいりたいます」と目標を掲げる。さらに橋之助は、橋之助と福之助、そして松也という3人の若手で挑む第2部の最終演目「石橋」について、「お客様に気持ちよく帰っていただけるよう、松也お兄さんの胸をお借りして、弟と3人で若手のフレッシュさを売りに精一杯勤めたいです」と意気込みを語る。福之助も「帰りのお客さまの話題の中に、“福之助”というワードを入れていただけるように勤めさせていただきます」とやる気を見せた。
7年ぶりの「こんぴら」となる梅玉は、「大好きな金丸座。大好きな琴平の町。食事の前にことでん(高松琴平電気鉄道)に乗るんです。夕方の田園風景がすごくいいんですね。今回も毎日電車で往復して、夜は温泉にゆっくり入って、ゆっくりひと月楽しみたいと思います」と穏やかに語り、会見場を和ませた。
最後に芝翫が2016年から始まった襲名披露興行を振り返り、息子たちの成長を「肉体的にも精神的にも、ひと回りもふた回りも大きくなったかな」と評価する。続けて「親としては大したことも教えてないですが」と前置きしながら、「歌舞伎界の素晴らしいところですが、橋之助の場合ですと、梅王丸を(中村)吉右衛門のお兄様に教えていただいたり、福之助の場合ですと(尾上)菊之助さん、(三男の四代目中村)歌之助は(市川)染五郎さんが面倒見てくれたりと、襲名の期間中、周りの先輩方がとてもよく育ててださいました」と歌舞伎界への感謝を語る。続けて「しかしながら、まだまだスタートラインに立ったところですから、今後の精進が大事かと思っております」と襟を正し、息子たちの更なる成長への期待を語った。
「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、4月7日から22日まで香川・旧金毘羅大芝居(金丸座)にて上演。第1部には「江島生島(えじまいくしま)」「鞘當(さやあて)」「魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)」、第2部には「鳥居前(とりいまえ)」「鎌倉三代記(かまくらさんだいき)」「石橋(しゃっきょう)」が披露される。
第三十四回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」
2018年4月7日(土)~22日(日)
香川県 旧金毘羅大芝居(金丸座)
第1部:「江島生島(えじまいくしま)」「鞘當(さやあて)」「魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)」
第2部:「鳥居前(とりいまえ)」「鎌倉三代記(かまくらさんだいき)」「石橋(しゃっきょう)」
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おかん @msf_mika
襲名披露の場にこんぴらを選んでいただいたのはありがたいですね。芝翫さんの名前にはまだ慣れませんが(苦笑)
芝翫・橋之助・福之助が“芝居小屋”への思い語る「四国こんぴら歌舞伎大芝居」 - ステージナタリー https://t.co/JxRXFaFSgc