「松竹大歌舞伎」が、6月から9月にかけて全国の会場にて上演される。
全国公立文化施設協会が主催し、今年で50年目を迎える巡業公演「松竹大歌舞伎」。今年は八代目
芝翫は「(中村)梅玉のお兄様をはじめとして、諸先輩方、同輩、後輩、大変に大きい座組でございます。東と西、両コースとも、少しでも皆さまに喜んでいただける襲名披露にしようといろいろ考えさせていただきまして、私ども成駒屋にとりまして大事な演目であり、10月にも勤めさせていただいた『熊谷陣屋』を、襟を正す気持ちで選ばせていただきました」と挨拶。「本来ですと(四代目中村)歌之助も一緒に連れて行くところなのですが、4月から高校に進学するということもあり、今回は3人で回らせていただきます」と頭を下げた。
同演目で堤軍次役を日替わりで演じる、橋之助と福之助。兄の橋之助は、「(弟と)Wキャストだからという気負いはありません。自分のお役を客観的に観ることができるのは楽しみですし、勉強させてもらいます」と目を輝かせる。一方の福之助は「『芸術祭十月大歌舞伎』で兄が軍次役を勤めていたのを、羨ましく思っていました」と率直な心境を語り、「精一杯がんばりたいと思います」と意気込みを語る。
源義経役で出演する中村梅玉は「親戚を代表してお供をいたします」と笑顔を見せた後、「何はともあれ、“芝翫”を呼び捨てにできることがうれしい。お父様に散々お世話になったので(笑)」と続け、記者たちの笑いを誘った。
今回改めて長男が橋之助を襲名したことについての感想を求められた芝翫は「『十月大歌舞伎』初日の襲名口上の際に、長男が口上で『父の前名である中村橋之助を……』と言ったときには、一瞬だけですけれども『嫌だ、絶対渡したくない!』と何とも言えない嫉妬がございました(笑)」と明かす。さらに「いまだに電話などでは『中村芝翫ですけど、橋之助です』と2つの名前を言うことが多ございますね。そして、長男が橋之助さんと呼ばれると振り向いてしまう」と四代目橋之助を見て苦笑い。「逆に私自身は『本当に芝翫になったのか? 夢だったんじゃないか?』と思ってしまうものですから、早く全国を回って、皆さんに橋之助ではなく『芝翫さん』と呼んでいただけるよう勤めたいと思います」と笑顔で会見を締めくくった。
平成29年度(公社)全国公立文化施設協会主催「松竹大歌舞伎」
東コース
2017年6月30日(金)~7月31日(月)
西コース
2017年8月31日(木)~9月25日(月)
演目
一、「猩々(しょうじょう)」
二、「八代目
三、「一谷嫩軍記 熊谷陣屋(くまがいじんや)」
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