東京芸術祭の総合ディレクターに宮城聰が就任

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東京芸術祭の総合ディレクターに宮城聰が就任する。

宮城聰(撮影:新良太)

宮城聰(撮影:新良太)

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東京芸術祭とは、東京都によって創設された芸術祭。フェスティバル / トーキョー、東京芸術劇場による芸劇オータムセレクション、国際アート・カルチャー都市としま発信事業、アジア舞台芸術人材育成部門(APAF)の4つの事業を集結させ、東京の芸術文化の魅力を伝えつつ、芸術文化の創造力を高めることを目指している。宮城は2018年から2020年の3年にわたって、同芸術祭の総合ディレクターを務める予定。

就任にあたり宮城は、社会的な“分断”を内包した東京の状況に言及しながら、「そんな現代の東京でどのような芸術祭が成り立つのか。どういう役割を果たせるのか。これまでと違うアプローチが必要だろう。そのためには『国内』『国際』『地域』の面から考え、光を当てていきたい」と意気込みを語っている。

宮城聰コメント

ここ2、3年の世界の状況が、1930年代と似ていると感じざるを得なくなってきた。いわゆる「分断」、社会の“裂け目”が露呈するようになり、世の中の過半のひとが、何か「割りを食っている」という疎外感を覚えているように思う。そして同時に「どこかに得をしている連中が居るはずだ」と、憎悪の対象を探している。これは1930年代のドイツの状況に似ている。そして当時のドイツでは、意外にも公立劇場が「得をしている連中=既得権の側」にいると見なされていたのだが、現在の東京の演劇界も、それと同じような状況なのではないかと危惧している。
「分断」の中身は、しばらく前までは、豊かな国と貧しい国、搾取している国とされている国、経済植民地にしている国とされている国、という南北問題に帰趨される対立であったが、最近ではひとつの国の中、比較的先進国と言われていた国の中に分断がある。
そんな現代の東京でどのような芸術祭が成り立つのか。どういう役割を果たせるのか。これまでと違うアプローチが必要だろう。そのためには「国内」「国際」「地域」の面から考え、光を当てていきたい。
1つ目は、囲いがなく外からも覗くことができるところで超一流のクオリティをもった作品を上演し、人が集まる場をつくること。2つ目は、かつてのパリやニューヨークのようにアジアの若い人たちが東京に行ってみたいと思うような発信をすること。そして3つ目は、東京と地域の連携を考えるということ。2020年の東京オリンピックが東京の一極集中を加速させることにならないよう、芸術ができることを考えていきたい。

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立田ふたつき @sarasaragoe

東京芸術祭の総合ディレクターに宮城聰が就任 - ステージナタリー https://t.co/VfnEZFtnWM 知らなかった!すごい!チェックせねば…

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