4月に東京・TBS赤坂ACTシアターで上演される「赤坂大歌舞伎 新作歌舞伎『夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし) 赤目の転生』」の製作発表会見が、本日1月25日に都内にて行われた。
2008年に故・中村勘三郎の「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」というひと声から始まった赤坂大歌舞伎。5回目となる今回は、初の新作となる「夢幻恋双紙 赤目の転生」をモダンスイマーズ・
勘九郎とはお互いの作品を観合い、飲みに行く仲と語る蓬莱は、今回の抜擢について「飲み屋で『新作書いてよ』という話はあったのですが、本気だったとは」と恐縮しつつ、初挑戦となる歌舞伎の作・演出について「ただただ戦力になりたい」と真摯に語る。「不勉強であったり、演劇ばっかりやっていた者だから考えられることもあるかもしれない。セッションがいい形になればと思いますし、いい形にするのが仕事。自分のすべての力を発揮して、2人にぶつかっていきたい」と意気込んだ。
蓬莱が「人1人を愛することや幸せにすることの、“しんどさ”と“難しさ”」を描くという本作は、気が弱くイマイチな男・太郎(中村勘九郎)が、歌(中村七之助)を幸せにするために転生を繰り返す物語。太郎は決して不幸にさせないと歌と夫婦になるが、数年後の2人の生活は散々なものだった。太郎は歌の兄・源乃助にそんなことで歌を幸せにできるのかと殺されてしまうが、目覚めるとそこは、歌と結婚する前の世界だった。生まれ変わった太郎は、果たして歌を幸せにできるのか……。
勘九郎は蓬莱に声をかけた理由について「父から『野田(秀樹)さんや串田(和美)さんや、俺は同世代の生きている作家と出会えたことを誇りに思う。お前たちもいい人を見つけられたらいいね』と言われていた。蓬莱さんとなら、その人達ともまた全然違う、新作歌舞伎ができるんじゃないか、ぜひ書いてほしいと思い、(飲み屋でしたが)僕は真剣にオファーしてました(笑)」とラブコールを送る。
転生するたびに人格が変わる太郎を演じることついて、勘九郎は「(何役もあるので)大変だろうなと(笑)」と苦笑いするも、「でも転生していくどの太郎にも、自分がいるんです。観に来てくださる方もそうなると思うのですが、『うわ、こういうのあるわ。それ言っちゃだめ! それ昔言ったことある! 言われてだめになったことある!』とか。恋愛のあるあるというか、恐怖が散りばめられているので心にグサグサきます」と台本を読んだ手応えを語る。
七之助は記者から「身に覚えがあるようなことはありましたか?」と質問されると、「多々ありまして、怖かったですね」と答え、記者たちの笑いを誘う。続けて「恐ろしく感じましたし、自分が思ってる愛と相手が思ってる愛とは違うという、人を愛する難しさを改めて感じました」と分析し、「どの太郎も、男の人だったらどなたにでもある部分。すごい作品であることは間違いないですね。あとは役者ががんばらないと」意気込んだ。
最後に転生を繰り返す本作にちなみ「生まれ変わるなら何になりたいか」という質問が記者から飛ぶと、勘九郎は「歌って踊れる女性アイドル」、七之助は「お寿司屋さん」と答え会見は締めくくられた。チケットは2月18日発売。
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