「青春鉄道2」が出発進行！永山たかし「電車を身近に感じてもらえれば」

「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』2 ～信越地方よりアイをこめて～」が、本日11月9日に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。

本作は、2015年11月に上演された第1弾に続く「青春-AOHARU-鉄道」シリーズの新作。電車が走る路線を擬人化して描く青春のコメディマンガ「青春鉄道」を原作とし、脚本・演出は第1弾に引き続いて川尻恵太が手がけている。

ゲネプロ前に行われた囲み取材には、東海道新幹線役の永山たかし、東海道本線役の鯨井康介、東武東上線と信越線の2役を演じる高崎翔太、上越新幹線役の田中涼星、長野新幹線役の板垣李光人が、舞台衣装で登壇した。

永山は「今回、サブタイトルが『信越地方よりアイをこめて』ということで、北の方に話が進んでいきます。長野新幹線が大人になって北陸新幹線になる。そういう意味では成長物語と言っていいかも」と述べ、今回から作品に参加する板垣を見つめる。

その板垣は「長野新幹線は延伸途中ということで子供です。同じ新幹線の上越先輩に振り回されたり、在来の信越線に追いかけられたり」と自らの役どころを語っていると、信越線を演じる高崎は「しっかりしているなぁ……」と拍手。すかさず「信越線は長野くんのことが大好きなショタコンのキャラクター」と猛アピールし、「長野くんがもうかわいくてかわいくて……観客の皆さんも悶絶すると思いますよ」と言って板垣の肩を抱き寄せ、記者たちの笑いを誘う。

永山は「大丈夫？ 稽古中とかイヤじゃなかった？」と板垣を気遣いつつ、ちゃっかり「キャストの中で誰が一番好き？」と質問。小声で「永山さん」と囁く板垣を前に、好意をアピールしていた高崎が「くっそー！」と膝から崩れ落ちる。しかし「僕は長野くんを追っかける役なんで、これからこれから！」と自らを奮い立たせる高崎に、鯨井が「ポジティブかよ！」とツッコんだ。

見どころを問われた田中は、ゲネプロ前にかかわらず胸元が全開だ。「裸の上に制服を羽織っているだけっていう……」と言い淀んでいると、永山が「皆さん、『裸を見てくれ』だそうです！」と代弁。司会が「裸が売りの作品ではありませんので！」と慌てて制すると、会見場は笑いに包まれた。

最後に永山は「移動の手段でしかなかった電車を、作品を通じて身近に感じてもらえたらと思いながら稽古を積み重ねてきました。お使いの路線が遅延したら『あいつならしょうがねえな』と思って許してもらえるような、そんな作品を目指してがんばっていきます」とまとめ、会見を締めくくった。

ゲネプロは前座の「出発進行！」という掛け声でスタートし、本編はオムニバスで形式で進行した。永山演じる東海道新幹線が運行収入1位で高笑いをしたかと思えば、眞嶋秀斗演じる青い森鉄道は夜行列車の廃止で財政難に陥る嘆きを高らかに歌い上げる。またKimeru演じる西武池袋線は前作に引き続き、西武グループの会長を崇拝。観客に向けてコール＆レスポンスを繰り広げるひと幕もあった。さらに稲垣成弥演じる宇都宮線は、東北新幹線の開業を呪うべく逆さまに吊るしたてるてる坊主で天候悪化を願う。板垣は「ショートショートの構成になっていて、1つの話で絶対1カ所は笑えるといっても過言ではないくらい、楽しい作品になっています」と魅力をアピールした。

東京公演は11月13日まで。その後、11月18日から20日まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて上演される。なお本作のBlu-ray / DVD化が早くも決定。2017年3月3日に発売される。