左から市川團子、中村米吉。

中村米吉の#カワイイは世界を救う? 第5回 [バックナンバー]

可愛すぎる先輩・中村米吉、“後輩カワイイ”を熱弁

市川男寅・中村福之助・中村歌之助・市川團子のここがカワイイんです!

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※本コラムは5月14日に執筆され、18日に掲載予定でした。

現在東京・明治座で上演中の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」で、八面六臂の活躍をしている中村米吉。昼の部、宝塚歌劇団の植田紳爾が手がけ、1979年に初演された“男版宝塚”「不死鳥よ 波濤を越えて ―平家物語異聞―」では、衛紹王役で、約1年ぶりに立役に挑む。娘役が演じる男性役のごとき、かれんでカワイイ米吉の美しい立役は必見。また夜の部「御贔屓繫馬」では、けなげカワイイお姫様・桔梗の前に扮する。赤姫から一転、米吉の中性的な魅力にあふれた一幕にも注目したい。

そんな可愛すぎる女方・米吉が、日常で見つけた“カワイイ”を写真と共に紹介し、カワイイ×カワイイの相乗効果で読者の心を癒やすことを目的としたこのコラム。今回登場するのは、「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」で共演している後輩たち、市川男寅中村福之助中村歌之助市川團子の4人だ。実生活では弟1人を持つ、頼れるお兄ちゃんな米吉は、年下の後輩たちが可愛くて可愛くて仕方がない様子。4人がいかにカワイイかを熱弁する米吉の、“先輩カワイイ”一面にときめこう。

題字:中村米吉

明治座に一緒に出演中の“カワイイ”後輩たちをご紹介!

“カワイイ”
この連載のテーマであるこの言葉。
今や世界的に通じる単語の1つでもあるわけですが、実は正体不明な言葉でもあります。

ポケットに入る黄色いネズミのキャラクター。これカワイイ。

電車とかで見つめ合っちゃうことがあるでおなじみの赤子。ほらカワイイ。

歌舞伎界最高齢、93歳になる市川寿猿さん。大先輩だけどカワイイ。

何に対してなのかよくわかんないけど、若者はすぐ言う。カーワーイーイー。

近年は派生語も増えて、キモカワイイだのダサカワイイだの、あげくの果てにはブサカワイイなんて言葉まである。こんなのもう矛盾してる!!

それに、カワイイというのは見てくれだけではなく、感情的な意味合いも含まれますよね?

そんなところで、今回は私が感情的に可愛く思っている、現在明治座に一緒に出演中の“カワイイ”後輩たちをご紹介!

それでは参りましょう! まずは市川男寅くん。

衛紹王に扮した米吉と、衛紹王の“お姉さん”蓮花に扮した男寅。ゴージャスな髪飾りが似合う美人姉弟だ。

衛紹王に扮した米吉と、衛紹王の“お姉さん”蓮花に扮した男寅。ゴージャスな髪飾りが似合う美人姉弟だ。

今月の「波濤を越えて」では私のお姉さん。年下なのにお姉さん。歌舞伎あるあるですね(笑)。

実は私の弟と同い年で、弟が歌舞伎の道を歩んでいたらこんな感じなのかしらと、何かにつけて気になって、ついつい小言を言ってしまう後輩です。きっと面倒臭い先輩かもしれない……。

彼は先日亡くなられた市川左團次のおじ様のお孫さん。
以前、彼にあるお役を教えたときに、突然おじ様からお礼のお電話をいただいてしまったことがありました。
お電話口のなんとも言えない、どこかぶっきらぼうな口調におじさまなりの気にかけ方、優しさを感じたものでした。

偉大なおじい様のあとをいつまでも追い続けるのだ! 頑張れ! 公星!(男寅さん本名)

またその次は成駒屋、中村福之助くんに中村歌之助くん兄弟!

爽やか好青年な後輩2人、福之助(左)・歌之助(右)兄弟に囲まれた米吉。萌え袖な衛紹王米吉、あざとい。

爽やか好青年な後輩2人、福之助(左)・歌之助(右)兄弟に囲まれた米吉。萌え袖な衛紹王米吉、あざとい。

2人ともロン毛が似合うなあ。

彼らのお兄さんである中村橋之助くん含め、お芝居が大好きでたまらないのが伝わる素敵な後輩です。
やんちゃで活発なイメージの福之助くんに、ちょっとクールでニヒルなイメージの歌之助くん。
2人ともまだ二十代前半にも関わらず、物怖じしない堂々とした真摯な舞台姿には恐れ入ります。
もちろん不安な気持ちもあるでしょうが、兄弟3人で歩めることはとても強みですよね。
その中で果敢に挑み続け、来月末には一門での勉強会「神谷町小歌舞伎」を開催されます。

2人が勤めるのは弁天小僧と南郷力丸のコンビ。
黙阿弥の名作という、果てのない挑戦の第一歩を踏み出す彼らを、是非応援しに行ってあげてください!

最後はこの方。市川團子ちゃん!

夜の部「御贔屓繫馬」より、百足のお百に扮したフレッシュカワイイ團子と、部屋着で頭も付けていないのにとびきりカワイイ米吉。

夜の部「御贔屓繫馬」より、百足のお百に扮したフレッシュカワイイ團子と、部屋着で頭も付けていないのにとびきりカワイイ米吉。

まだまだ子供だと思っていた彼も来年ハタチになるんだとか。
よその子は育つのが早いなあ……。うち子供いないけど。

まだ十代とは思えぬしっかりした姿に、子供の頃の誰彼構わず輪ゴム鉄砲を喰らわしていたヤンチャ坊主はどこに行ったのかと驚きました。

身体も大きくなり立派な青年になった一方で、まだまだ子供らしさも健在。

今月の「御贔屓繫馬」の舞台稽古。六変化の舞踊が始まる前に、目を輝かせながら「今日は前のほうで観てもいいんですよね!?」と聞いてきまして、本当に前から3列目で稽古を観ていました。
前のめりに、食いつくように稽古を観る姿、微笑ましくも頼もしく感じたものです。

そんなカワイイ後輩たちと共に、偉大なる先輩、市川猿之助兄さんの背中を追いかけている今月の明治座の公演。
初めて猿之助兄さんとご一緒に明治座に出演した際は最年少だった私も、今では何人もの後輩たちと一緒です。

自分自身もますます精進しなくてはと思わせてくれる後輩たち、どれだけ追っても追いつけなさそうな先輩方に挟まれ、幸せな日々を過ごしています。

さあ、そんな“カワイイ”後輩たちに、“カワイイ”先輩だと思ってもらえるよう、コラムに登場してくれたお礼も兼ねて、彼らをご飯にでも連れて行くことにしよーっと。
請求先はもちろんナタリーさんで……よろしくお願いします、編集部さん!(笑)

プロフィール

中村米吉(ナカムラヨネキチ)

1993年、東京都生まれ。播磨屋。中村歌六の長男。2000年に中村米吉の名を襲名して初舞台。2011年から女方を志し、「鬼一法眼三略巻 菊畑」で皆鶴姫、「与話情浮名横櫛」でお富、「松浦の太鼓」でお縫、「仮名手本忠臣蔵 七段目」で遊女お軽、「絵本太功記」で初菊などを勤める。またアメリカ・ラスベガスで行われた歌舞伎興行では、2015年に「鯉つかみ」小桜姫役、2016年に新作歌舞伎「獅子王」白縫姫役で出演。2015年には「鳴神」の雲の絶間姫役の演技で十三夜会奨励賞、2021年には第42回松尾芸能賞で新人賞を受賞した。昨年7月に上演された「風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―」、昨年12月から今年1月にかけて上演された「オンディーヌ」では、それぞれタイトルロールを務め、3・4月に上演された「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」では、ヒロイン・ユウナ役を勤めた。6月には東京・歌舞伎座での「六月大歌舞伎」、7月には大阪・大阪松竹座での「七月大歌舞伎」への出演を控えている。7月15日には、大阪で自身のトークショーを実施予定。毎週水曜日にAuDeeプレミアムにて自身がパーソナリティを務める番組「中村米吉 悪魔の時間」を配信中。

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