「ロック頂上」賭けクリープハイプ、Mirrazら4組が対決

2月23日に東京・SHIBUYA-AXにてライブイベント「ロック頂上決戦 ver.1.0 ～EMI vs VICTORの巻～」が開催された。

これはEMI Music Japanとビクターエンタテインメントが共同主催するイベントで、EMIからThe SALOVERSとThe Mirrazが、ビクターからクリープハイプとSAKANAMONが出演。それぞれのレーベルの未来を担う気鋭たちが、激しいライブバトルを繰り広げた。

対決の先攻を務めたのは、メジャー1stアルバム「選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ」をリリースしたばかりのThe Mirraz。司会のダイノジの紹介でステージに足を踏み入れた4人はまず攻撃性全開の「スーパーフレア」を投下し、そのまま最新作からのナンバーやインディーズ時代の楽曲を織り交ぜながらライブを進めていく。ノンストップで繰り出される激しく痛快なナンバーに、フロアの熱気はひたすら上昇。終盤で畠山承平（Vo, G）は「最高！」と言い放ち、充実した表情を浮かべていた。

2番手を務めたビクター代表のSAKANAMONは、走りながら現れた藤森元生（Vo, G）の登場シーンからその意気込みを伺わせる。森野光晴（B）の「今日はビクター代表でがんばります！」という初々しい挨拶から、「SAKANAMON THE WORLD」などオーディエンスを踊らせるナンバーを連発。「空想イマイマシー」の途中では、レーベルメイトであるクリープハイプの「HE IS MINE」のワンフレーズを盛り込むサービスで会場を楽しませた。さらに藤森がいきなり「忘れものしてきた」と、バンドのキャラである「サカなもん」のぬいぐるみを持ち出してきた頃から、奔放なパフォーマンスにさらに拍車がかかる。藤森は「サカなもん」を抱えステージを自由に動き回り、森野と木村浩大（Dr）も激しいプレイで応じる。勢いに満ちた40分のステージを繰り広げた。

EMIの若手The SALOVERSは、スタンバイするなり「最年少で頂上来ちゃいました」と宣言。その言葉に違わぬ若さを感じさせるパフォーマンスで、フロア全体のボルテージを引き上げていく。MCでは初々しく和やかな一面を覗かせつつ、演奏が始まると剛胆なプレイを披露。「オールド台湾」ではおなじみの盛大な「台湾コール」がフロアに響きわたり一体感を作り出していた。

「こんばんは、今話題のバンドです」という尾崎世界観（Vo, G）の挨拶からライブを始めたのは、「ロック頂上決戦」のトリを飾るクリープハイプ。1曲目からステージ前方に観客が殺到し、場内の熱気と湿気はこれ以上ないほどに高くなっていく。この日はシングル曲やライブの定番曲を披露する一方で、長谷川カオナシ（B）と尾崎の掛け合いのようなツインボーカルが楽しめる「火まつり」も演奏され観客を魅了した。MCでは2年半前にeggmanでオープニングアクトで登場した際のエピソードが飛び出し、「今ではここで大トリです。たいていのことは2年半もあればひっくり返せますから」と尾崎が語る。本編のラストを飾った「HE IS MINE」では、「皆さん、eggmanに届くくらいの声でお願いします！」という尾崎の呼びかけのかいもあってか、盛大すぎるほどの「セックスしよう！」コールが沸き起こった。そして「最後にあなたたち、今度出す新曲やると思ってるんだろう……やるよ！」と尾崎が言い放ったあとでアンコールに届けられた「社会の窓」を経て、イベントはフィナーレへ。出演者4組の熱演に大きな拍手が送られ、「ロック頂上決戦」は引き分けの形で終了した。