アジカン「ランドマーク」ツアー、結成の地横浜で終了

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONの全国ツアー「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2012『ランドマーク』」が、12月21日の神奈川・神奈川県民ホール公演でファイナルを迎えた。

12月21日の神奈川県民ホール公演の模様。

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後藤正文(Vo, G)

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喜多建介(G, Vo)

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山田貴洋(B, Vo)

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伊地知潔(Dr)

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9月にリリースした最新アルバム「ランドマーク」を携え、三原重夫(Per)、上田禎(Key, G)、岩崎愛(Cho)という3人のサポートメンバーを加えた7人体制でのライブを行ってきた今回のツアー。ステージ上に用意されているのは照明機材と、天井から吊るされた32本の棒状のLEDのみという非常にシンプルな空間にメンバーが順番に現れ、1曲目「Loser」を演奏し始めた。

BECKのカバーであるこの曲で、後藤正文(Vo, G)はハンドマイクでラップを披露し、集まったオーディエンスを驚かせる。異色の幕開けに続いては岩崎の可憐なコーラスに彩られた「All right part2」、さらに喜多建介(G, Vo)のギターを筆頭にしたシリアスなムードで会場を包み込む「N2」と、タイプの異なる楽曲を連発。続く「1.2.3.4.5.6.Baby」では歌詞と呼応した映像が壮大なアンサンブルと相まって、広がりのある世界を作り上げた。

疾走感に満ちた「大洋航路」、7人編成ならではの豊かな音像で新しい魅力を感じさせた「ブルートレイン」と、その後も新旧さまざまなナンバーが披露されていく。「君という花」では後藤がギターを下ろし、マイクをつかんでステージ最前に乗り出して歌うというパフォーマンスで観客を沸かせた。ここで後藤はこのツアーを終えるにあたっての心境を「前のツアーが震災で中止になって、『音楽なんて不謹慎だ』って空気の中で作り始めた『ランドマーク』をみんなが聴いてくれてこうしてツアーができてうれしく思います」と語った。

中盤ではサイケデリックなライティングが楽曲の世界を増幅させた「1980」、深遠なサウンドがホールに響いた「マシンガンと形容詞」など「ランドマーク」収録曲が次々と演奏されていく。「レールロード」に入る前には、東日本大震災の被災地に思いを寄せたこの曲にちなんで後藤が長めのMCを行った。「いろんな町に行ったけど、最初はどうしたらいいのかわからなくて。俺は新聞を作ってて、そこには被災地で暮らしている普通の人たちの声を載せてるんだけど、毎回『こんなこと訊いていいのかな』って思いながら話を聞いてるんだよ」「こういうMCをするとしらけるっていう人もいるけど、俺はMCで語り続けていきたい。戸惑いながらいろんな活動をしていくつもりなんで、機会があったらまたライブを観に来てください」と真剣な思いを語った後、そんな気持ちが込められた「レールロード」を熱唱した。本編の最後には「踵で愛を打ち鳴らせ」「バイシクルレース」を披露。明るい未来を予感させるような開放感のあるサウンドで、会場を大いに盛り上げた。

アンコールでは1曲目に「マーチングバンド」を演奏。山田貴洋(B, Vo)、伊地知潔(Dr)の鳴らすダイナミックなリズムを中心に、原曲よりもさらに重厚さを増したアレンジでオーディエンスを圧倒する。ここで後藤は「来年デビュー10周年なんですけど、最初はまあそれはそれはみじめな穴ぐら生活だったんですよ(笑)」と、結成の地である横浜で昔の思い出を語り始める。集客が少なかったという横浜時代、「やたらといろんな人に説教された」という下北沢時代などを振り返り、「音楽を始めた町で、こうやってたくさんの人が来てくれたのを見るのは本当にうれしいです。話が長くなったけど、ありがとうっていうことです。お礼にヒット曲やります(笑)」と語り、往年の名曲「リライト」「ループ&ループ」を連続でパフォーマンスした。

「アネモネの咲く春に」でアンコールが終了した後も観客の拍手は止まず、ステージには後藤と伊地知が登場。ここに岩崎を呼び込み「3人で1曲やります」と、後藤がディレクターを務めた岩崎の楽曲「東京LIFE」を披露する。後藤がギターを、伊地知がカホンを演奏する上に岩崎の温かく伸びやかな声が響き、ホール内の空気を和やかなものに変えていった。

その後はアジカンの4人のみで「夜を越えて」を披露。後藤はこの曲を作った過程を「この曲を作るときすごく迷ったんですよ。『瓦礫』っていう言葉が出てくるんだけど、直接被害に遭ったわけじゃないのに勝手に代弁してるんじゃないか、欺瞞なんじゃないかって。でも何年か後に『これは書いておいてよかった』と思える曲になれば」と明かし、4人だけのソリッドなアンサンブルを通じてその思いを観客に投げかけていた。

ツアーファイナルの最後に披露されたナンバーは、2月にリリースするニューシングル「今を生きて」。デビュー10周年に向けた期待を煽るような明るく華やかなサウンドで、22公演にわたるツアーを締めくくった。

ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2012「ランドマーク」
2012年12月21日 神奈川県民ホール セットリスト

01. Loser
02. All right part2
03. N2
04. 1.2.3.4.5.6.Baby
05. AとZ
06. 新世紀のラブソング
07. 大洋航路
08. ブルートレイン
09. Re:Re:
10. 君という花
11. それでは、また明日
12. アフターダーク
13. ラストダンスは悲しみを乗せて
14. 1980
15. マシンガンと形容詞
16. センスレス
17. レールロード
18. ノーネーム
19. 踵で愛を打ち鳴らせ
20. バイシクルレース
<アンコール>
21. マーチングバンド
22. リライト
23. ループ&ループ
24. アネモネの咲く春に
<ダブルアンコール>
25. 東京LIFE(岩崎愛)
26. 夜を越えて
27. 今を生きて

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