小西康陽と弦楽器の調べ、アルバム「失恋と得恋」の世界を再現するバンドライブ

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小西康陽が2月18日、東京・池尻大橋GOOD TEMPOにてバンド編成のワンマンライブ「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」を行った。これは1月29日に東京・mona recordsで開催されたライブのチケットが完売したことを受け、そのアンコール公演として実施されたもの。このチケットも完売となり、当日は有料生配信も行われた。

小西康陽

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ピチカート・ファイヴとして日本のみならず海外の音楽シーンにも多大な影響を与え、ピチカート解散後も音楽プロデューサーとして幅広く活躍している小西。近年は自らマイクを取るシンガーソングライターとしての活動も精力的に行っており、2019年にはPIZZICATO ONE名義での実況録音盤「前夜 ピチカート・ワン・イン・パースン」、2024年10月には初の個人名義によるボーカルアルバム「失恋と得恋」を発表した。今回のライブはウッドベース、ギター、チェロによるドラムレスのバンド編成で、アルバムレコーディングに参加した鈴木克人(B)、田辺充邦(G)、平山織絵(Cello)の3人が登場し、「失恋と得恋」の世界を再現した。

小西康陽「失恋と得恋」ジャケット

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失恋と得恋

小西康陽「失恋と得恋」
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ライブ会場となった池尻大橋GOOD TEMPOは、旧池尻中学校をリノベーションした複合施設・HOME/WORK VILLAGEの中にあるミュージックバー。場内には開演前から心地よいジャズやイージーリスニングが流れ、来場者を温かく迎え入れた。やがてバンドメンバーとともにステージに登場した小西はまず挨拶代わりに、小坂忠のカバー「春を待っている私はこたつの中」を歌う。打楽器のないアコースティックなサウンドは穏やかで、観客も、椅子に腰かけて歌う小西もリラックスムード。歌い終えると小西は「実は最初に書いた譜面は全然違っていて。ちょっと捨てがたいので……」と、デモバージョンのアレンジによる「春を待っている私はこたつの中」を続けて披露した。

池尻中学校の校舎をリノベーションした施設・HOME/WORK VILLAGE。

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「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」の様子。

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ピチカート・ファイヴの「大都会交響楽」のセルフカバーを挟み、次は「失恋と得恋」から、カヒミ・カリィに提供した「私の人生、人生の夏」をプレイ。「このメンバーでレコーディングしたので、まったく同じサウンドが出ます」という小西の言葉の通り、チェロとウッドベースが厳かに響き、田辺のシンプルなギターソロが絡み合う。アウトロが終わった途端、小西は「間奏からもう1回いいですか? 歌詞を間違えた」とリクエストした。そんなゆるやかなムードもこのライブの醍醐味だ。小西は加えて「皆さんにぜひ聴いていただきたいところがあって。サビの前に6/4の休符が入るんですよ」と聴きどころを伝えて再挑戦。ときおり小西はこうして作曲家・編曲家としてのこだわりや特徴、かつての貴重なレコーディングエピソードなどを挟み、熱心なファンを楽しませた。

「早くも自分の曲に飽きてしまいまして」と前置きして歌われたのは、Ohio Playersのヒット曲に自ら日本語で歌詞を付けた「Sweet Sticky Thing」と、ピチカート時代にも取り上げた「銀ちゃんのラヴレター」の2曲。「銀ちゃんのラヴレター」はNHK「おかあさんといっしょ」の楽曲で、作詞は歌人の俵万智によるもの。小西はオーギュメントコードが取り入れられたスコアを解説した。その後は「失恋と得恋」から「悲しい歌」「きみになりたい」をプレイし、ジャック・ジョーンズの楽曲にこれまたオリジナルの日本語詞を乗せ、邦題も付けた「けれど愛してた」(原題「But I Loved You」)を披露。敬愛する作曲家ロジャー・ニコルスのカバーでは、「The Drifter」の日本語訳を小西は「風来坊」と解釈してみせた。

「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」の様子。

「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」の様子。 [高画質で見る]

小西康陽

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PIZZICATO ONEのレパートリー「ゴンドラの歌」(「華麗なる招待」改題)、「マジック・カーペット・ライド」を歌ったところでライブは終了となった。アンコールでは小西がグランドピアノの前に座り、おもむろに「東鳩オールレーズン」「明治チェルシー」といった懐かしのCMソングを小西らしいコード感で歌い、観客をくすりとさせる。さらに小西はピアノ1台の弾き語りで「陽の当たる大通り」を歌い、再びバンドメンバーを呼び込むと「美しい星」でフィニッシュ。「いつかぼくを 想い出して」の歌詞に添えるように「皆様もいつかこの夜を想い出してください」とメッセージを残してステージを去った。

なお生配信が行われたツイキャスプレミアでは3月4日いっぱいまでアーカイブ映像を視聴できる。

ピアノ弾き語りで歌う小西康陽。

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セットリスト

「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」2026年2月18日 池尻大橋GOOD TEMPO

「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」の様子。

「小西康陽 with『失恋と得恋』ストリング・バンド、アンコール公演」の様子。 [高画質で見る]

01. 春を待っている私はこたつの中
02. 春を待っている私はこたつの中(デモアレンジヴァージョン)
03. 大都会交響楽
04. 私の人生、人生の夏
05. 神の御業
06. Sweet Sticky Thing
07. 銀ちゃんのラヴレター
08. 悲しい歌
09. きみになりたい
10. けれど愛してた
11. 風来坊
12. ゴンドラの歌
13. マジック・カーペット・ライド
<アンコール>
14. CMソングメドレー
15. 陽の当たる大通り
16. 美しい星

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