「難しいことわかんないよ」っていう人にこそ、味方になってくれる本
発売日を迎えた心境について、あのは「ようやくファンの方やいろんな方に読んでもらえることはうれしい」と喜びつつも、「読んでほしくないなっていう、そんな気持ちになっていて。まあ、大事なことやいろんなことが書けた証だと思います」と複雑な心境を明かす。自身初の著書を書いた理由については「もともと、いつか本を書くなら哲学書だなと思っていました。でもずっと書こうとは思ってなくて。2025年に『今書きたい』と思ったから書くことにしました。たぶん自分の性格上、今を逃したら書きたくなくなるだろうなってわかっていたので。来年や再来年に同じ気持ちを持ってるかっていったら、絶対ないなって経験上わかるから」と説明。自分にとっての“当たり前”である、2025年の今の感覚を4カ月かけて書き上げたという。
「哲学なんていらない哲学」というタイトルには、もともと「哲学なんていらない」と考えて生きてきた自らの経験が反映されているといい、「でもそうやって哲学なんてと否定することからも、哲学的なことが生まれていく。その入り口の奥に哲学が広がっているんだなって、自分の経験とともに感じて」と説明。自分の発言がファンから「哲学的だね」と言われることがあるものの、これまで積極的に本を読むことをしてこなかったあのは、「関心がないのに哲学をしてしまう」ということに気付いて、徐々に哲学に興味を持つようになったという。そんな経緯で書かれた本ということで、あのは「『哲学なんて難しいことわかんないよ』っていう人にこそ、味方になってくれる本だと思いますので、ぜひ読んでほしいなって思います」と呼びかけた。
「なんてことを始めちゃったんだ」と悲鳴を上げていた
また、この本のジャンルはなんなのかという記者からの質問に対しては、「自伝とかエッセイとか小説というより、全部が混ざっちゃってる感じ」と説明。「普段使う脳みそとは使い方が違って、書いているときは『なんてことを始めちゃったんだ』と悲鳴を上げていた」と苦労を明かした。本書につづられている「復讐」というテーマにちなんで、かつて自分をいじめてきた人にこの本を読んでほしいか聞かれると、「本っていうのは読もうと思って読むものだから、僕が『読んでほしい』って渡すんじゃなくて、本屋さんに並んでる僕の本をたまたま読んでそのことを知る、というのが一番いいなって思う」と回答した。
この囲み取材のあとに行われる又吉との対談については、「お会いしてしゃべったこともあるんですけど、本の話しかしてくれなくて、僕にはわからなかったので(笑)。自分も本を書いてみて、ようやく話がちょっとできると思うのでうれしいです」と期待を寄せたあの。「同じ土俵に立ってる感覚はまったくないんですけど、僕はほかの仕事もすごくあった中でバーッと書き上げたので、又吉さんは本を書くときにどうしてるのかとかを聞きたいと思います。一点集中で書いてるのか、ほかのことをしながらのほうがはかどったりするのか、とか」と意気込んだ。
2026年は1つのことを濃く、集中してやれるといいな
クリスマスイブの発売となったことについては、彼女は「プレゼントとしてはいい感じだな」とアピール。「本当は僕がプレゼントを欲しいんですけど、ファンの方にはプレゼントとしてこの本をあげたいです。まあ、お金は払ってもらうんですけど(笑)」と笑っていた。
初の東京・日本武道館公演も成功させた多忙な1年を振り返ってもらうと、あのは「そんなに忙しい感覚はなくて。いろんなことをやってきたけど、本当にやりたいことを探しながらやれた1年だったので」と回想。2026年をどういう年にしたいか聞かれた彼女は「1つのことを濃く、集中してやれるといいなって。今まではいろんなことを必死にやってたんですけど、1個1個をもっと精神研ぎ澄ませながらやっていきたいなと思います」と意気込んだ。

Eugene IRADUKUNDA @EugeneIradukund
@natalie_mu #哲学なんていらない哲学