SWALLOW、3人で大きく羽ばたいた初の東京ワンマン公演

2025年12月26日 12:30 43 4 音楽ナタリー編集部

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SWALLOWが12月21日に東京・Spotify O-nestでワンマンライブ「Northern Blood -越冬-」を開催した。

SWALLOWとは？

工藤帆乃佳（Vo, G）、安部遥音（G）、種市悠人（Key）からなる青森県三沢市出身の3ピースバンド。No titleというバンド名で活動を始め、2017年にLINE社主催の「LINEオーディション2017」で総合グランプリを受賞。2018年1月にLINEの音楽レーベル・LINE RECORDSより「rain stops, good-bye」でデビューを果たす。2019年にはGReeeeNが歌う映画「愛唄ー約束のナクヒトー」のエンディングテーマ「約束 × No title」に工藤が参加した。2020年6月にバンド名をSWALLOWに変え、11月に改名後初となる楽曲「SWALLOW」を発表。その後も楽曲配信を重ね、2023年4月に初めてのCD作品となる 1stアルバム「温室育ち」をリリースする。エフエム⻘森で毎週日曜にレギュラーラジオ番組「SWALLOW’s nest radio」を放送中。

SWALLOW「Northern Blood -越冬-」の様子。（Photo by mee）

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始まりの歌で幕を開けた初の東京ワンマン

青森県三沢市出身のスリーピースバンドSWALLOWにとって、初となる東京での単独公演。工藤帆乃佳（Vo, G）、安部遥音（G）、種市悠人（Key）の3人は、サポートミュージシャンを迎えてフルバンド編成でパフォーマンスを繰り広げた。

ステージに姿を現した3人は、正式にバンドを結成する前に高校の文化祭で演奏した曲であり、2017年に「LINEオーディション2017」に応募した楽曲でもある「rain stops, good-bye」をゆったりと紡ぐ。メロディアスな音色に乗せて、帆乃佳はすべての始まりの曲で透明感のある歌声を響かせた。その後ウインターソング「パスポート」や、決意を持って未来へと歩いていくピアノバラード「涙雨」が演奏され、会場には心地のいい空気が広がっていく。さらにバンドはTHE YELLOW MONKEYの名曲「JAM」やギターロックナンバー「嵐の女王」をエモーショナルにプレイ。「ハイウェイラジオ」「1620kHz」では情感たっぷりに紡がれるギターソロがオーディエンスの胸を昂らせた。

SWALLOW「Northern Blood -越冬-」の様子。（Photo by mee）［高画質で見る］

ライブも中盤に差し掛かった頃、歌謡曲のテイストを持つ楽曲「青く短い春」やボサノバ調のナンバー「午睡」が艶やかに演奏されていく。東京の匂いを感じさせる楽曲「虚」「田舎者」を経て、3人は地元の空気に満ちた温かな楽曲「北へ」を演奏した。ここからは改名前の“No title”時代の初期ナンバー「ねがいごと」「アオゾラ」を続けて披露。青森に住んでいた高校生時代に生まれた曲を大切に届けた。

工藤帆乃佳（Vo, G）（Photo by mee）［高画質で見る］

あふれ出した感謝の思い

ここまでほとんど言葉を挟むことなく次々と楽器を歌ってきた帆乃佳は「今までSWALLOWは長いこと青森を中心に活動していたんですけど、今日は初めて東京でワンマンライブということで。故郷の青森にも思い出がいっぱいありますが、この東京にもたくさんの人に出会えて今日ここまで……うわあ、泣いちゃう……！」と涙で声を詰まらせ、「お世話になった方がいっぱいいるんです。この景色を恩人に見せられたことがうれしいです」と感謝の思いを述べる。そして3人は2020年に改名後の初の楽曲として発表し、自由に飛び立っていく姿勢を示した楽曲「SWALLOW」をプレイ。生き生きとこの曲を演奏したあと、メンバーは最後にバラードナンバー「蒼昏」で故郷の美しいブルーモーメントの景色を描いてステージを去っていった。

安部遥音（G）（Photo by mee）［高画質で見る］

アンコールを求める声に呼ばれて、SWALLOWは再びステージに登場。“あんべ”こと安部は「青森でずっとやってきて、初めての東京ワンマンで不安もあり、楽しみもあり、半々みたいな気持ちで今日まで半年間過ごしてきました。皆さんがここに来てくださって、今日ソールドという形で迎えられました。本当にうれしく思っています」と感謝の思いを伝える。この日ほとんどのソロアレンジを変更してライブに挑んだという“ポチ”こと種市は、フロアからはあまり見えていなかった2台目のキーボードを掲げて見せた。ここで帆乃佳が「今日この箱がソールドアウトしたという事実をもって、本当に皆さんのおかげで次のアルバムの制作が確定しました。このワンマンが終わったら次のアルバムの制作が始まるので、楽しみにしていてほしいなと思います。そして次のアルバムに収録する予定の新曲を3月までにリリースします！」と宣言。さらに春に次のワンマンライブを青森・青森Quarterで行うことを発表した。また帆乃佳のソロプロジェクトがスタートすることも決定。帆乃佳は「より私らしいやり方を探しながら、SWALLOWにもいっぱい還元していけたらという気持ちでいます」と述べた。

種市悠人（Key）（Photo by mee）［高画質で見る］

感謝の思いを伝えるように帆乃佳は「紛い者の万年筆」で「側に居てくれてありがとう」と歌う。そして3人は青春時代を愛おしむような楽曲「約束のない一日」を披露。ラストは「ULTRA MARINE」でフロアに熱いコールを巻き起こし、晴れやかな表情で初の東京ワンマンに幕を下ろした。

SWALLOW「Northern Blood -越冬-」の様子。（Photo by mee）［高画質で見る］

セットリスト

SWALLOW「Northern Blood -越冬-」12月21日 Spotify O-nest

01. rain stops, good-bye
02. パスポート
03. 涙雨
04. JAM（カバー）
05. 嵐の女王
06. ハイウェイラジオ
07. 1620kHz
08. 離郷
09. 青く短い春
10. 午睡
11. 虚
12. 常葉
13. 田舎者
14. 北へ
15. ねがいごと
16. アオゾラ
17. SWALLOW
18. 蒼昏
＜アンコール＞
19. 紛い者の万年筆
20. 約束のない一日
21. ULTRA MARINE