家入レオが新旧ナンバーを届けた渾身の「bulb」ツアー完結、斎藤宏介と生コラボも実現

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家入レオのライブツアー「家入レオ TOUR 2025 ~bulb~」の最終公演が、11月27日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われた。

「Mirror feat. 斎藤宏介」を歌う斎藤宏介と家入レオ。(Photo by Kosuke Ito)

「Mirror feat. 斎藤宏介」を歌う斎藤宏介と家入レオ。(Photo by Kosuke Ito)

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全国5都市のホールを舞台に行われた「家入レオ TOUR 2025 ~bulb~」は、家入には珍しくリリースに紐付かないツアー。セットリストには10代の頃の初々しい楽曲から、30代に突入してから制作された最新曲まで幅広いナンバーが並び、彼女のデビューからこれまでの足跡もたどれるようなパフォーマンスが繰り広げられた。

“bulb(球根)”に自身を重ねて

開演時刻を迎え、バンドメンバーの松本ジュン(Key)、玉田豊夢(Dr)、前田恭介(B)、qurosawa(G)、前田雄吾(Manipulator)が順番に現れると、総立ちになった観客は大きな拍手を5人に送る。続いて、真紅のレースのトップスに、スパンコールをたっぷりあしらったパンツに身を包んだ家入が登場すると、一際大きな声援を主役である彼女に浴びせた。虹を思わせる鮮やかなライティングの下で、家入が1曲目に届けたのは「雨風空虹」。ジェットコースター的な起伏のある展開が特徴のこの曲を全身からエネルギーを放ちながら歌うその姿に、オーディエンスは圧倒され、たちまち熱狂した。

家入レオ(Photo by Kosuke Ito)

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タイトルにある、毒を持ちながらも美しい花を咲かせる「bulb(球根)」をテーマに掲げた今回のツアー。家入はU-NEXTで行われている生配信を見守る視聴者にも挨拶をしつつ、「私は人間も、球根と同じだと思っていて。弱さ、コンプレックス、痛み、嫉み、そういうものから目を背けずに向き合えば、いつか大きな花が咲く。毒があればあるほど個性的に美しくなれると思う。私は自分のそういう人に見せたくない部分をステージであらわにして、受け取ってくれたみんなが『完璧じゃなくてもいいんだ』って思ってもらえたらうれしい」と、自身の思いがセットリストや歌、演出に込められていることを説明する。そして「めっちゃひさしぶりの曲」という言葉から、パステルカラーの照明が灯る中でシティポップ的なアプローチが光る「Neon Nights」を披露。玉田の刻むビートに身を任せ、パンツの裾を揺らしながらたおやかな歌声を響かせる。一方、King Gnuの常田大希(Vo, G)が2019年に提供した「Overflow」では、起伏の激しい旋律を躍動しながらなめらかに歌いこなし、ボーカリストとしての底力を証明した。

全部受け止めよう!

「最高!」「愛してる!」といった声援が飛び交う中、家入はこのツアーのハイライトの1つでもあるアコースティックコーナーへ。バンドメンバーとともにハイスツールに腰をかけた彼女は、「パパの時計」とBLUE ENCOUNTの田邊駿一(Vo, G)が提供した最新曲「ラブレター」を温もりのあるアンサンブルに乗せて、1人ひとりに語りかけるように披露。観客が楽しげにハンドクラップを鳴らすと、その姿に目を細める場面もあった。

「家入レオ TOUR 2025 ~bulb~」中盤のアコースティックセッションの様子。(Photo by Kosuke Ito)

「家入レオ TOUR 2025 ~bulb~」中盤のアコースティックセッションの様子。(Photo by Kosuke Ito) [拡大]

「君がくれた夏」「Silly」「祈りのメロディ」と胸に迫るシリアスなトーンの楽曲を続けて披露したのち、家入はモードを切り替え「これから後半戦! 盛り上がりたいよね! 終わりたくないと思ってるだけじゃなくてさ、いろんな気持ちがあると思うけど、全部受け止めよう! あなたはあなたのままでいいんだよ!」「続けていれば明るいところにいつか出られるよ!」と自らを鼓舞するように叫ぶ。「Hello To The World」を皮切りにロックな一面を打ち出すアップテンポなナンバーを息つく暇もなく熱唱し、ホール内の熱気をぐいぐいと引き上げた。

先輩・斎藤宏介と「Mirror」を生披露

アンコールが始まると「渋谷、最高! ありがとう」とほほえんだ家入。ここで彼女は「早くも次のライブが決定しました!」とファンクラブ限定公演「家入レオ FANCLUB LIVE 2026 ~PIZZA 8~」の開催を告知する。彼女がこれまでリリースしてきたアルバム8枚から2曲ずつ選曲していく公演となることを明かすと、そのコンセプチュアルかつレアな内容に客席が沸き立つ。

家入レオ(Photo by Kosuke Ito)

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しかし、ファンへのサプライズはこれだけでは終わらない。「昨日はシングル『Mirror』のリリース日でした! 今日ファイナルじゃないですか?」と意味深に口にした彼女は、少し観客を焦らしたあと、「ということで……お呼びしてもいいでしょうか? UNISON SQUARE GARDENTenTwentyのギターボーカルの斎藤宏介さんです!」と紹介。すると「お邪魔しまーす。シークレットゲストでーす!」という陽気な挨拶とともに、斎藤がステージに現れた。

家入とは対照的な、水色のセットアップをまとった斎藤は「家入さんの歌って特別だなと思いました。全部がすごくカッコいいなと思いながら観させてもらいました」と大絶賛。家入はその言葉に恐縮しながらも「斎藤さんの番組で私の『空と青』という曲をセッションしたときに、芯があるけど、はかなさも持ち合わせた声の方だなと思って、いつかご一緒したいなと思ってお誘いしました」と憧れの先輩にオファーした経緯を説明した。

2人がステージにそろったところで披露されるのはもちろん「Mirror」。一緒に歌うのはこの日が初めてという家入と斎藤だったが、息を合わせながら、豊かなハーモニーをホールにたっぷりと響かせる。互いの個性を寄り添わせながら、歌詞の一言一句に思いを乗せていく2人をオーディエンスは息をのんで見つめ、曲が終わると万雷の拍手をステージに送った。曲の余韻が残る中、斎藤は「正直、田邊の歌を歌っているときはジェラシーを感じてました(笑)。いつか一緒にやりましょう」と家入に共作を持ちかける。その言葉を家入は恐縮しながらも、うれしそうに受け止めていた。その後、斎藤を送り出した家入は、ラストナンバーとしてデビュー曲「サブリナ」をファンと一緒に大合唱。清々しい表情で試みに満ちた「家入レオ TOUR 2025 ~bulb~」に幕を下ろした。

バンドメンバーと一緒にジャンプする家入レオ。(Photo by Kosuke Ito)

バンドメンバーと一緒にジャンプする家入レオ。(Photo by Kosuke Ito) [拡大]

セットリスト

家入レオ「家入レオ TOUR 2025 ~bulb~」2025年11月27日(木) LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

01. 雨風空虹
02. もし君を許せたら
03. 未完成
04. 恍惚
05. Neon Nights
06. love & hate
07. Overflow
08. パパの時計
09. ラブレター
10. 君がくれた夏
11. Silly
12. 祈りのメロディ
13. Hello To The World
14. Bless You
15. Shine
16. 純情
17. Pain
<アンコール>
18. Mirror feat. 斎藤宏介
19. サブリナ

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音楽ナタリー @natalie_mu

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家入レオが新旧ナンバーを届けた
渾身の「bulb」ツアー完結

斎藤宏介と「Mirror」生コラボも実現

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