Pick Up!
唯美人形 秘密
フレンチ歌謡+ゴシックロリータ、日本人のDNAが騒ぐ“あの血筋”の最新形
文 / 臼杵成晃
フランス・ギャル、シルヴィ・バルタン、フランソワーズ・アルディといったフランスの歌手が日本でもヒットを飛ばした昭和40年代、日本でも“和製フレンチポップ”“フレンチ歌謡”と呼ぶべき名曲が多数生まれた。フレンチポップの濡れた艶は歌謡曲が持つそれと姉妹のような関係で、それでいてどこかシックでおしゃれなヨーロッパ特有の雰囲気が日本人のツボにハマるのだろう。同じように、ゴシックロリータ、いわゆるゴスロリも日本人的DNAと親近性の高い舶来文化。輸入品をドメスティックに落とし込むという共通点もあってか、フレンチ歌謡とゴスロリは実に相性がよく、その2つを掛け合わせた作品はいつの時代もたびたび現れ、心地よい爪痕を残す。
唯美人形(ゆびにんぎょう)という2022年結成の3人組アイドルグループがいる。「耽美な世界で生きるお人形」というコンセプト、メランコリックな佇まい、ウィスパーボイスのようなアンニュイなボーカル、ウェットな短調のメロディ……中でも12月にリリースされたばかりの新曲「秘密」はまさに“あの血筋”。「アモーレ アモーレ」と歌うサビのメロディラインはフレンチ歌謡直系の筆運びで、否が応でも血が騒ぐ。洋館、ロリータ、薔薇、レース、人形など徹頭徹尾のこだわりが見られるミュージックビデオも秀逸。「ゴシックホラー」を標榜するAdoプロデュースのグループ・ファントムシータもその血族と思しき世界観でユニークな展開を見せているが、唯美人形はいい意味でよりインディーズ感が強く、そのアンダーグラウンドな雰囲気が独特な芳しさを放っている。
ちなみに唯美人形の「唯美」とは19世紀後半、イギリスを中心に起こった芸術運動「唯美主義」が由来なのだそう。彼女たちの静かな主張が大きな革命のうねりを起こすのか。声を張らず、表情を変えず、じわりと音楽シーンを掻き回してほしい。
唯美人形 "秘密" MV
- 唯美人形「秘密」
- 2025年12月19日(金)配信開始 / Lys Label
- 購入・再生はこちら
-
作詞・作曲:Hideo Shimamura / 編曲:Hideo Shimamura、顕-aki-
- 唯美人形「秘密(初回限定盤)」
- 2025年12月19日(金)発売
/ Lys Label
税込3000円 / LYSL-0001
唯美人形(ユビニンギョウ)
2022年7月に結成された3人組女性アイドルユニット。メンバーは紫月なな、蒼井メリッサ美華、水城琉衣の3名で、グループ名は19世紀後半の芸術運動「唯美主義」に由来する。2025年12月に1stシングル「秘密」をリリースした。
唯美人形|唯美人形 official fanclub -唯美王国-
