晴天の野音で3周年「当たり前って、当たり前じゃない」
yosugalaがデビューライブを行ったのは2022年の6月22日。1年のうちで最も日が長い夏至の翌日に彼女たちは産声を上げた。夜はこれから。「夜もすがら」の意を冠したyosugalaにふさわしいシーズンだ。あれからちょうど3年後、開演時刻17:00の野音はまだまだ明るく日が差していた。SEが鳴り出し、バンドメンバーに続いて汐見まとい、未白ちあ、君島凪、黒坂未来が新衣装をまとってステージに登場。汐見の歌い出しとともに松明に火が灯り、ライブは「コノユビトマレ」で幕を開けた。笑顔で向かい合い指を重ね合ったyosugala4人は、続けて「sailing!!」「夜明けの唄」をパフォーマンス。さらに、冒頭から最高潮の盛り上がりを見せる観客へのメッセージと言わんばかりに新曲「大大大大大感謝」を届けた。
「めっ……っちゃ晴れたね」と最高のコンディションで3周年の記念日を迎えた喜び、改修前の野音でワンマンライブができるありがたみを噛み締めたyosugalaの4人。この日は衣装のみならず、マイクも各メンバー専用のものが新たに用意されたとのことで、未白は誇らしげにピカピカの白いマイクを掲げた。「倒れない程度に死ぬ気で盛り上がってほしいんですけど」という汐見の言葉に、観客は拳を上げて応答。そこから「アステリズム」「ろーるぷれいんぐ」「YOSUGAL伝説」「会心の一撃」の4曲が生演奏ならではのダイナミックなプレイに乗せて披露された。「ろーるぷれいんぐ」のイントロではRYOTA(Dr)とmalo(B)のテクニカルなソロプレイにより場内は拍手喝采。コミカルな要素が盛り込まれた異色のナンバー「YOSUGAL伝説」では曲中のセリフパートで「3年間、誰も減らなかったねー」「ホンマに奇跡ー」「当たり前って、当たり前じゃない」と、移ろいの激しいアイドルシーンにおいて変わらぬメンバーで活動を続けてきた4人の心の声が漏れた。
野音のド真ん中で「ソラノナミダ」、藍色の空の下で「indigo」
続いて「3周年を迎えたということで、新しい試みを」というメンバーの前に、スタンドマイクが運び込まれる。4人は横1列に並び、「オトギバナシ」を熱唱。ダンスを入れず歌に集中することで、4年目に向けての新たな一面を見せた。「僕のわがまま」では野音の空間に無数のシャボン玉が放たれ、夕空の下に幻想的なムードが広がった。その後4人は客席に設置されたサブステージへと移動。四方からyosugalaを見つめる大勢の観客たちと目を合わせながら、汐見は「3年間やってきてさ、いろんな形に変わっていきますけども、うちらの心の距離は変わらないですから」とメッセージを送る。そして4人は野音のド真ん中で「ひとりごと」を披露。「泣きたい時は泣けばいい 笑いたい時は笑えばいい」と歌うyosugalaと観客による合唱が夕暮れの日比谷に鳴り響く。そのまま客席中央で歌われた「ソラノナミダ」で場内はエモーショナルな空気に包まれた。
メンバーが客席通路を通ってメインステージに戻ると、ライブはいよいよ後半戦。yosugalaはここで6月20日にリリースされたばかりの最新アルバム「ヨモスガラ3」から、ERENが提供した新曲「何億分の1を」を披露した。コメントを求められたERENは「お客さんもいないところから、こういう景色を作れたのはみんなのおかげです。みんなの表情やメンバーの姿勢を今回のアルバムに落とし込んだようなところもあるので……お客さん、いつもyosugalaのメンバーを支えてくれてありがとうございます」と、楽曲にも影響を与える愛情を持った観客への感謝を述べた。そしてここからyosugalaは、ラストスパートで一気に5曲をパフォーマンス。「僕に願いを」「オヒメサマ?」で再び場内に熱気をもたらすと、「canvas」ではメンバーがまたもステージを飛び出し、水鉄砲を手に客席へ。「canvas」のパフォーマンス中には動画の撮影が許可され、観客は慌ててスマートフォンを構えて駆け回る4人を撮影した。「Sparkle」ではウォーターキャノンで盛大に水飛沫が放たれる。一気に夏ムードが高まったところで、ライブはついにラストナンバーへ。yosugalaは藍色に変わりゆく空の下で歌うのにぴったりな「indigo」を届け、笑顔でステージを締めくくった。
「4周年はもっと大きいところでお会いしましょう」
野音に響き渡るアンコールの声を受け、yosugalaはバンドメンバーとともに再登場。ここで彼女たちが歌ったのは、3年前のデビューライブで1曲目に歌ったyosugalaの始まりの歌「prologue」だ。この楽曲はアルバム「ヨモスガラ3」でアップデートされており、4人は最新アレンジの生演奏バージョンに生まれ変わった「prologue」を届けた。歌い終えると4人は、バンドメンバーと観客とともに記念撮影。そして1人ずつメッセージを送っていく。
黒坂はチケット完売に至らなかったことを悔しがりつつも「去年の2周年ライブの倍のファンの方がいらっしゃるんですよ。yosugalaに関わってくれるすべての人の人生を私たちが彩れるように、これからも止まらずにがんばっていきたいと思います」とポジティブに語り、汐見は「私、人間って想像できることはなんでもできると思ってるんですけど、3年やってきて『もう無理かも』『頭打ちかも』と思ったことはまだ一度もなくて。『こういうふうに歌いたい』『こういう場所に立ちたい』というビジョンが浮かんでくるとき、それって私1人のビジョンじゃなくて、ほかのメンバーがいて、うちらに会いに来てくれるみんながいるイメージが浮かんでくるんです。広がっていく、上っていくイメージをくれるみんなに感謝しています」と目の前の観客に思いを伝えた。君島が「みんながここまで生き延びて、この日を迎えられて幸せです……」と感極まっていると、汐見が無言で駆けつけ身を寄せる。君島は汐見の胸に手を当て「今おっぱいを触らせてくれました」と独特なコミュニケーションでリラックス。未白は客席を見渡しながら「アイドルシーンで自分たちを客観的に見れなくて。これが売れてるというのか、順調と言えるのかわからないけど……今日集まってくれた方々をもっと大きいステージに連れていきたいので、4周年はもっと大きいところでお会いしましょう」と宣言し、観客の喝采を浴びた。
未白はさらに続けて「今日、気付きました? セットリスト。デビューライブでやった曲全部入ってるんですよ」と、メンバーも気付いていかなったセットリストについて明かし、「3年間で全部変わったなあって。yosugalaのために生きてるなって思います、最近。私1人じゃyosugalaじゃないし、4人でもyosugalaじゃない。ここにいるみんながいてyosugalaが成り立つと思うので、これからも一緒にyosugalaを作ってくれたらうれしいです!」とメッセージ。そして4人は最後にもう1曲、いつの間にか日の暮れていた野音に「My Dear」を響かせた。
4年目に突入したyosugalaは、本日6月28日よりライブツアー「yosugala tour2025」を開催。広島・広島CLUB QUATTROを皮切りに全国9都市を回る。
セットリスト
yosugala 3rd anniversary live「progress the night -日比谷公園大音楽堂-」2025年6月22日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
01. コノユビトマレ
02. sailing!!
03. 夜明けの唄
04. 大大大大大感謝
05. アステリズム
06. ろーるぷれいんぐ
07. YOSUGAL伝説
08. 会心の一撃
09. オトギバナシ
10. 僕のわがまま
11. ひとりこと
12. ソラノナミダ
13. 何億分の1を
14. 僕に願いを
15. オヒメサマ?
16. canvas
17. Sparkle
18. indigo
<アンコール>
19. prologue
20. My Dear
ツアー情報
yosugala tour 2025
2025年6月28日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
2025年6月29日(日)大阪府 GORILLA HALL OSAKA
2025年7月5日(土)福岡県 DRUM Be-1
2025年7月6日(日)香川県 DIME
2025年7月11日(金)愛知県 ElectricLadyLand
2025年7月13日(日)宮城県 darwin
2025年7月19日(土)北海道 小樽GOLDSTONE
2025年7月21日(月・祝)北海道 札幌PENNY LANE24
2025年7月25日(金)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
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未白ちあ @chia_ysgl
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写真もいっぱい撮って頂きましたのでぜひ🎶 https://t.co/N2YK37humm