世界一周の旅:アジア~インド~南国~アメリカ
2024年に「特別なゲストだけが招待される秘密の部屋」というコンセプトのソロツアー「AYAKA NATION Special Edition『VIP ROOM A+』」を開催し、東名阪のZeppを回った佐々木。通算10回目のソロコンサートとなる今回の公演でもその流れを踏襲して同じコンセプトが掲げられたが、世界観の舞台を豪華客船に移し、プニノフ(佐々木彩夏ファンの呼称)を美しく魅惑的なクルーズの旅へと連れ出した。開演前の場内は、スクリーンに映し出された客船、さざめく波の音とカモメの鳴き声によって本物の港のような空気が漂う。そして“出港”を告げるオープニングムービーが上映されたのち、船長帽を被り、マリンルックの衣装に身を包んだ“キャプテンあーりん”が船のデッキをイメージしたステージに登場。昨年のソロツアーのテーマ曲「Ladybird」を1曲目に披露し、水兵姿のダンサーとともにアダルティなムードを放ちながら大海原へ。勢いよく“航海”をスタートさせると、ここから早着替えを挟んだ目まぐるしいパフォーマンスで世界一周の旅を表現していった。
ダンサーとともにチャイナドレスを身にまとい「『Z』の誓い」「満漢全席」を歌い踊ったかと思えば、「GOUNN」でインドの民族衣装を模したラグジュアリーな衣装をひらめかせる佐々木。アジアの旅を満喫したあとは「ココ☆ナツ」などのももクロのサマーチューンをつなげた“南国トロピカルメドレー ”へとなだれ込み、会場の熱気をより一層上昇させる。観客がペンライトの色を一斉にブルーに変え、客席に“南国の海”の景色が広がる中、佐々木はムームー風のトロピカルな衣装で情熱的なタヒチアンダンスを繰り広げ、セクシーな腰使いで観客を夢中にさせた。その一方で、サイプレス上野とロベルト吉野「More & More feat. ももいろクローバーZ」のカバーや、ももクロの楽曲「LOST CHILD」をアレンジした「LOST CHILD (Jersey-Trap Edit)」を通して届けられたのは、アメリカのクラブカルチャーを強調したVJ演出と、ヒップホップスタイルの装いによるクールで都会的な歌とダンス。ソロ曲以外もセットリストに多く組み込むことでライブの世界観が豊かに膨らんだ。
世界一周の旅:北極~イギリス~パリ
続いて船がたどり着いたのは極夜の北極。スクリーンに表示されたキャプテンあーりんからの指示を受け、観客がブルーとピンクのペンライトを座席ごとに交互に光らせ、さらに鮮やかなレーザー照明がステージから伸びると、オーロラのように幻想的な光景が作り出される。ファー付きのフードを被った佐々木はバラードナンバー「Grenade」などを歌唱し、透き通るような歌声で会場を包みこんだ。イギリスを舞台にした次のブロックではそれまでのしっとりとしたムードから一転、「SPECIALIZER」「鉄血†Gravity」といったアグレッシブなナンバーが連続。ロックスターに扮した佐々木は、パワフルな歌声で場内のボルテージを一気に引き上げた。
キャプテンあーりんが航海の終着地に選んだのは、ナイトショーの街として有名なフランス・パリ。「My Hamburger Boy(浮気なハンバーガーボーイ)」「Lady Cat」がダンサーを率いた妖艶かつ迫力満点のパフォーマンスで届けられ、観客はムーラン・ルージュなどの一流キャバレーを彷彿とさせる本格的なショーの世界の虜になった。そしてあーりんクルーズの旅は勢いそのままに盛大なフィナーレへと突入。この華やかな航海を締めくくったのは、今回のソロコンサートに向けて制作された、“人生の旅路”をテーマにしたダンスポップナンバー「Where We Go」だ。ダンサーたちはここまでに登場した世界各国の衣装を着用。人生で出会う困難や喜びを仲間と分かち合いながら、前へ進んでいくことの大切さが力強い歌とダンスで表現された。
アンコール:「A-RIN KINGDOM」へ入国
プニノフの「佐々木!」コールで幕を開けたアンコールでは、航海を終えたと思われたあーりんクルーズがさらに旅を続け、ファンタジーな世界観の「A-RIN KINGDOM」へ入国。「AYAKA NATION」でおなじみの出囃子「あーりんちゅあ」が鳴り響いたのち、歓声に包まれながら再び姿を現した佐々木は“あーりんワールド”全開の「A-rin Kingdom」でライブを再開した。曲が終わると、本コンサート初のMCへ。緊張を感じながら公演本編に臨んでいたという佐々木はせきを切ったようにしゃべり始め、素のキャラクターをあらわにしたリラックスムードのトークで笑いを起こした。このMCの途中には、昨年開催されたソロツアーのファイナル公演と今回のソロコンサートの映像がライブBlu-rayとして今秋にリリースされることが告げられた。
続いて佐々木はアリーナ前方に設けられた約200席限定の 「ロイヤルスウィート」席へ移動し、笑顔を振りまきながら観客の至近距離で「Link Link」を歌唱。ステージに戻ったあとは、楽曲を提供したヒャダインこと前山田健一が歌詞を「AYAKA NATION」10周年バージョンにアレンジした「ハッピー♡スイート♡バースデー!(A-rin 10th Anniversary ver.)」を歌い、会場全体をお祝いムードでいっぱいに。アンコールの終盤にはライブの鉄板曲として強烈な存在感を放ち続けている初期のソロナンバー「あーりんは反抗期!」「だって あーりんなんだもーん☆」が畳みかけられ、この日一番の熱量でコールや歓声がこだまする中、きらびやかなピンクの紙吹雪がアリーナに舞った。
最後の挨拶で「『AYAKA NATION』で見る客席がピンク一色に染まった景色は、1年間のご褒美のようなもので。今回は17年間のご褒美のようにも感じられました」と、これまでのアイドル活動に思いを馳せながら感慨深げに心境を語った佐々木。彼女がステージを去ると、あーりんクルーズの一行が世界一周の旅で探し求めていた宝箱が登場し、この10年間の「AYAKA NATION」の名シーンと「プニノフのみんなが あーりんにとっての宝物だよ♡ いつも ありがとう キャプテンあーりんより」という手書きのメッセージがスクリーンに。温かく、幸福感に満ちたムードの中で「AYAKA NATION 2025 VIP ROOM A+ ~the Voyage~」の幕が閉じた。
セットリスト
佐々木彩夏「AYAKA NATION 2025 VIP ROOM A+ ~the Voyage~」2025年6月14日 東京ガーデンシアター
01. Ladybird
02. 華麗なる復讐
03. 『Z』の誓い
04. 満漢全席
05. GOUNN
06. VIP ROOM A+ ~the Voyage~南国トロピカルメドレー (ココ☆ナツ / 真冬のサンサンサマータイム / 上球物語-Carpe diem-)
07. Early SUMMER!!!
08. More & More feat.
09. LOST CHILD (Jersey-Trap Edit)
10. ジョイフルワンダーランド
11. Grenade
12. SPECIALIZER
13. 鉄血†Gravity (オリジナル:西川貴教)
14. My Hamburger Boy(浮気なハンバーガーボーイ)
15. Lady Cat
16. 黒い週末
17. Where We Go
<アンコール>
18. A-rin Kingdom
19. Link Link
20. ハッピー♡スイート♡バースデー!(A-rin 10th Anniversary ver.)
21. あーりんは反抗期!
22. だって あーりんなんだもーん☆
エンドケイプ 🛸 (Endcape⚡) @endcape
え、まさかの鉄血†Gravity唄ってくれたの?
作詞家として光栄です✨
#ももクロ #あーりんクルーズ https://t.co/trYK3lzqWY