King Gnuが東京ガーデンシアターをライブハウス化、親密さと熱狂渦巻くFCツアーに幕

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King Gnuのファンクラブツアー「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」が、4月9日に東京・東京ガーデンシアターでファイナルを迎えた。

「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」東京ガーデンシアター公演の様子。(Photo by Kosuke Ito)

「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」東京ガーデンシアター公演の様子。(Photo by Kosuke Ito)

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そのタイトル通りライブハウスを舞台にした今回のツアーは、Zeppを中心に全国5都市で開催され、いずれの公演もチケットは完売。最終日を含め計4公演が行われた東京ガーデンシアター公演では、アリーナにスタンディングエリアを設けるなど、8000人を収容する会場がライブハウス仕様に仕立てられた。

アイドリングなし、フルスロットルの前半戦

常田大希(Vo, G)(Photo by Kosuke Ito)

常田大希(Vo, G)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

井口理(Vo, Key)(Photo by Kosuke Ito)

井口理(Vo, Key)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

ステージに間接照明がいくつも置かれ、アットホームな空気が漂う開演前の東京ガーデンシアター。しかし、スピーカーから新井和輝(B)による低く落ち着いたトーンの影アナが聞こえた瞬間、場内がにわかにざわめき出す。新井は「どうですか? 今日で(ツアー)終わりなんだけど」と名残惜しそうに口にすると、準備万端とばかりに客席のあちこちから歓声が上がり、観客サイドの気合いのほどを伝えた。

新井和輝(B)(Photo by Kosuke Ito)

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勢喜遊(Dr, Sampler)(Photo by Kosuke Ito)

勢喜遊(Dr, Sampler)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

オーディエンスの期待に応えるように、King Gnuはオープニングの「):阿修羅:(」からフルスロットル状態のパフォーマンスを展開。縦横無尽にホールを行き来するレーザー光線の演出を前に、勢喜遊(Dr, Sampler)は奔放にビートを刻み、常田大希(Vo, G)と新井はそれぞれの楽器を激しく鳴らし、井口理(Vo, Key)は狂騒をかき立てていく。常田の「King Gnu、はじめるぜ」という言葉からなだれ込んだ「Flash!!!」で、場内のカオティックな空気はいきなりピークに。アイドリングは不要とばかりに、序盤から観客を楽しませにかかる4人。その思いを受け取ったファンも、負けじと全力で熱狂を生み出す。

「“4人”を感じました」

「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」東京ガーデンシアター公演の様子。(Photo by Kosuke Ito)

「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」東京ガーデンシアター公演の様子。(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

サイケデリックなムードを強めた「あなたは蜃気楼」の余韻の中、井口が改めて観客に挨拶。会場の規模感の都合で足を運べないファンが多いことを詫びつつ、「毎回同じだとつまらないですから」と振り幅の大きさがKing Gnuの特性であることを言葉ににじませる。「皆さんの生き様を見せてもらっていいですか?」と煽る井口だったが、ここからのブロックでプレイされたのは「ねっこ」をはじめとする、美しく旋律なメロディや、壮大なアンサンブルが光るKing Gnu屈指のバラード群。ファンからの人気も高い「The hole」では井口の声が切実さを帯びて響き、曲が内包する人間臭さをこれまで以上に打ち出していく。その情感たっぷりの声に常田が弾く繊細なピアノの音色、勢喜の音数を抑えたドラム、新井が弾く重厚なシンセベースが重なり観客を圧倒した。

常田大希(Vo, G)(Photo by Tomoyuki Kawakami)

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井口理(Vo, Key)(Photo by Kosuke Ito)

井口理(Vo, Key)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

「すごくいいライブができています」と中盤のMCで充実感をにじませた井口。その言葉にメンバーも同意し勢喜は「恥ずかしいことを言うと“4人”を感じました。そういうツアーでした」とつぶやく。すると常田が茶化すように「4人ってことは自分も感じたってこと?」と質問をぶつけ、それに勢喜が「あ、自分もめちゃくちゃ感じた。それはそう」と照れくさそうに返すほほえましい場面も。そんなほのぼのとした空気を引き継いだのは、アコースティックアレンジも映える初期曲の「Bedtown」。チャーミングで素朴なアンサンブルにオーディエンスは体を揺らし、「McDonald Romance」では盛大なシンガロングをメンバーと繰り広げ強固な一体感を紡いだ。

チルアウト的なブロックを挟み、新たなアレンジを施した「Prayer X」でライブは後半戦へ。混沌とした時代をともに生きるファンに向けて、東京を舞台にした「Tokyo Rendez-Vous」「SPECIALZ」を続けて披露する粋な流れを経て、「はい、最高!……でも、もっと最高を更新してもらえますか? 限界見せてくださいよ」と井口がやんわりとした口調で煽る。その言葉に続いたのは、スタジアムやドームでも披露されてきた「飛行艇」。猛烈な勢いで噴き上がるスモークの中、およそ8000人規模の会場とは思えないほどのすさまじいボリュームの大合唱が轟き、ガーデンシアターを大きく揺らした。

サービス精神旺盛すぎるアンコール

新井和輝(B)(Photo by Tomoyuki Kawakami)

新井和輝(B)(Photo by Tomoyuki Kawakami)[拡大]

勢喜遊(Dr, Sampler)(Photo by Kosuke Ito)

勢喜遊(Dr, Sampler)(Photo by Kosuke Ito)[拡大]

「飛行艇」をもって大団円、とならないのが定石を嫌うKing Gnu。一旦ステージをあとにした4人だったが、アンコールに求めて登場するなり「一途」で一触即発の空気を生み出し、「ロウラヴ」では気怠いムードを醸す。さらにはSixTONESに常田が提供した「MASCARA」をセルフカバーするファンクラブツアーならではの選曲でオーディエンスを大いに沸かせるなど、終始一貫サービス精神旺盛な姿勢を見せた。ライブのラストを飾ったのは、最新アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」より「SUNNY SIDE UP」「雨燦々」という晴れやかな2曲。ここでも盛大すぎる程のシンガロングが起き、8000人の美しい歌声が万感の表情でステージに立つ4人に降り注いだ。

King Gnu(Photo by Tomoyuki Kawakami)

King Gnu(Photo by Tomoyuki Kawakami)[拡大]

「また次のツアーもありますので……もっと大きいところでね、やるかもしれないですから」とMCで口にしていた井口。次なるステージはどこなのか? 誰もがその新天地に思いを馳せる中で、「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」は幕を下ろした。

ライブ後に公開されたKing Gnuの最新ビジュアル。

ライブ後に公開されたKing Gnuの最新ビジュアル。[拡大]

なお、King Gnuは4月18日に劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)」の主題歌として書き下ろした新曲「TWILIGHT!!!」を配信リリース。ライブの終演後に鮮烈な新ビジュアルを公開してファンを驚かせた。

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セットリスト

King Gnu「KING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITION」2025年4月9日 東京ガーデンシアター

01. ):阿修羅:(
02. Flash!!!
03. Sorrows
04. あなたは蜃気楼
05. ねっこ
06. 硝子窓
07. The hole
08. Hitman
09. Bedtown
10. McDonald Romance
11. Prayer X
12. Tokyo Rendez-Vous
13. SPECIALZ
14. 飛行艇
<アンコール>
15. 一途
16. ロウラヴ
17. MASCARA
18. SUNNY SIDE UP
19. 雨燦々

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