2020年の無観客ライブで掲げた夢が現実に
さかのぼることおよそ4年前の2020年8月、超とき宣は新型コロナウイルス感染拡大状況を踏まえ、東京・アリーナ立川立飛で行う予定だった現体制初の有観客ライブの開催を断念した。この決定にメンバーは落胆するも、埼玉出身の辻野かなみと小泉遥香が外出自粛期間中にペーパークラフトでさいたまスーパーアリーナを作る企画に参加したことがきっかけで、同会場の公式キャラクター“たまーりん”から「ぜひ会場を使ってほしい」という手紙が届き、さいたまスーパーアリーナでの無観客生配信ライブが実現。そのライブの中で、坂井仁香は「必ずこの大きな大きなさいたまスーパーアリーナにみんなで帰ってきたいです!」と画面越しに宣伝部員(超とき宣ファンの呼称)に語りかけた。
当時は夢物語にも思えたこの目標だが、その後超とき宣は大きな飛躍を遂げる。2024年に入ると、1月の神奈川・横浜アリーナ公演を皮切りに、より一層精力的な活動を展開。ついにさいたまスーパーアリーナ公演の開催が決定し、約4年の時を経て夢が現実となった。さらにTikTokでの総再生回数が12億回を突破した「最上級にかわいいの!」の“バズ”に後押しを受け「THE FIRST TAKE」や「ミュージックステーション」への出演も実現する中、グループ史上最大規模のワンマンライブとなったさいたまスーパーアリーナ公演のチケットは開催の1カ月以上前にソールドアウト。約1万6千人の観客が集まり、500レベル最後方の客席までペンライトの光で埋め尽くされた景色が6人を待っていた。
巨大なソリ、新ペンライト、5つのステージ
円陣を組んだ6人の掛け声がステージ裏から会場内へと響いたのち、LEDビジョンにオープニング映像が流れると、宣伝部員(超とき宣ファンの呼称)の大きな歓声がこだまする。場内が期待感と高揚感で満ちあふれる中、LEDビジョンが左右に開き、巨大なソリに乗って超とき宣がステージに姿を現した。彼女たちがこの大一番の幕開けに歌ったのは、2020年に現体制初の楽曲としてリリースされた、宣伝部員からの人気が根強いナンバー「トゥモロー最強説!!」。メンバーカラーと白のファーで形作られたポップな衣装に身を包んだ6人は、ステージに銀テープが勢いよく発射されたのと同時にエネルギッシュなパフォーマンスをスタートさせた。辻野かなみが「皆さん盛り上がる準備できてますか!?」と呼びかけると、すでに気合いの入ったコールを浴びせていた宣伝部員は力いっぱい呼応。さらに新グッズとして用意された無線コントロール式のハート型ペンライト「Tokimeki♡Light Stick」がライブ演出に合わせて色とりどりに輝き、さいたまスーパーアリーナの広大な空間を鮮やかに彩る。「初恋サイクリング」の曲中、メンバーがステージ後方を向いて踊ると、ペンライトが揺らめく客席をバックに踊る彼女たちの笑顔がLEDビジョンに映し出された。
12月4日にリリースされた最新アルバム「ときめきルールブック」より、この日が初パフォーマンスとなった新曲もセットリストに。ポジティブなワード満載のトリッキーなナンバー「発見!ポジティブ☆モンスター!!」では、楽曲の世界観を反映したVJ演出とステージ上で噴き上がる炎がライブの勢いを加速させた。またこの公演はメイン、センター、Bステ、2つのサブステといった過去最多となる計5つのステージが用意されたのも大きな特徴。メンバーは「ハピラブルー!」を歌いながらアリーナを移動し、後方のステージへとたどり着くと、そのまま花道を通ってセンターステージへ。上昇していく円形の舞台上から360°全方向に向け、夢を追い続ける意欲をつづった「夢がとまらない!」を歌唱した。
6人はそのままセンターステージで元気いっぱいに自己紹介。客席にウェーブを起こすなど、満員の会場の景色を思う存分に堪能する。その後は「ときめきルールブック」の収録曲「超最強」「ちょま」「プリンセスヒーロー」が矢継ぎ早に畳みかけられ、火花の演出や場内を鋭く交錯するレーザー照明がライブの迫力をより一層増大させた。
「100%オレンジ」でメンバーの目に涙
次のブロックでは淡い色合いが印象的な「ときめきルールブック」の衣装でパフォーマンスが進行。すぅ(SILENT SIREN)提供の「ときどきセンチメンタル」、谷口鮪(KANA-BOON)提供の「下書きの恋」と新曲が立て続けに届けられた。「下書きの恋」の曲中にはステージ上に無数のシャボン玉が舞い、VJ演出と相まって幻想的な光景が広がる。続いてセンターステージで披露されたウインターバラード「ゼッタイだよ」では、アリーナ頭上のミラーボールが放つまばゆい輝き、メンバーが1人ひとり順番に口にしたセリフが観客を夢心地にさせた。
ライブ中盤には昨年4月のライブでさいたまスーパーアリーナ公演の開催決定が発表された瞬間の映像、メンバーがこの日までの歩みや宣伝部員への思いを語るインタビュー、そして4年前の無観客ライブで夢と決意を口にしたときの模様が上映される。映像の中で4年前の坂井が「次は必ずみんなでここに来ましょう。そんな思いを込めて『100%オレンジ』」と曲振りをすると、6人は当時のライブで着用したオレンジ衣装をアップデートした新衣装を身にまといステージへ。LEDビジョンに投影される過去の自分たちとリンクするように「100%オレンジ」を柔らかに歌い上げた。メンバーと宣伝部員が掲げるペンライトの光によって、さいたまスーパーアリーナはきれいなオレンジ一色に。場内に広がるドラマチックな景色と、「同じ笑顔のまま ここでまた会おうね」というこの瞬間のシチュエーションと重なる歌詞が感動を誘い、メンバーの頬にも涙が伝った。
続いて超とき宣は手持ちカメラで自らの笑顔をLEDビジョンに映しながら、4年前の無観客ライブでも披露した「SHIBUYA TSUTAYA前で待ち合わせね!」を歌唱。坂井が「私たち超とき宣メンバーと宣伝部員さんたちなら、なんだってできる! これからもどこまでも一緒に突き進んでいきましょう!」と呼びかけたあとには新曲の1つ「We Can Do It Now!」が高らかに響きわたった。そのままライブはラストスパートへとなだれ込み、「すきっ!~超ver~」「青春ハートシェイカー」などの鉄板曲が連続。超とき宣を令和を代表する人気グループへと押し上げた「最上級にかわいいの!」で公演本編が華やかに締めくくられた。
「どんな壁にも立ち向かっていきたい」
宣伝部員が叫ぶアンコールの声に導かれて始まったのは、観客が写真や動画を撮影できる「ロックオンフリータイム」。トロッコに乗って再登場した超とき宣は、レア曲や初期メンバーも含む計13曲を詰め込んだ「超ときめき♡メドレー」を歌いつつ会場内を巡り、手を振りながらスタンド最上部の客席までくまなく笑顔を振りまいていく。ステージに再び6人でそろい立ったあとは「最上級にかわいいの!」の続編にあたる「こんなあたしはいかがですか」がキュートにパフォーマンスされた。
続いて6人は2025年の活動についての新情報を次々に告知。3月9日に「超ときめき♡宣伝部オフィシャルカレンダー 2025.4-2026.3」が発売されること、4月30日にニューシングルをリリースすること、3月に神奈川・KT Zepp Yokohamaと東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で「『ときめき♡超音波!!』アフターパーティLIVE」、4月1日に神奈川・赤レンガ倉庫 イベント広場でグループの結成記念フリーライブ、4月26、27日に神奈川・横浜BUNTAI、29日に神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールでワンマンライブ「ときめき♡春の晴れ舞台2025」を行うことを発表した。「『ときめき♡超音波!!』アフターパーティLIVE」は10月より日本テレビにて4週連続で放送された冠バラエティ番組「ときめき♡超音波!!」発のイベント。アンジュルム、こっちのけんと、KANA-BOON、コレサワをゲストに迎えた対バンライブが行われる。
翌年も精力的な活動が続いていくことを示し、宣伝部員の心を躍らせたメンバーは、ここで1人ひとりライブの感想を言葉に。坂井は目に涙を浮かべながら4年前のことを振り返り「そのときはちょっと不安な気持ちもあって。ライブでみんなと会えない時期が続いていたし、本当に叶えられるかなって……ちょっとだけだよ? 不安な気持ちがあったんだけど、今日こうやって叶えることができてとてもうれしいです。今年は夢がたくさん叶った年だったなと思います」と語りつつ、「だけど、叶わなかった夢もあって……。大きい壁に立ち向かえば立ち向かうほど、悔しい思いがたくさんあふれてきちゃんうんだけど、私はみんなとなら、とき宣のメンバーとなら絶対に越えられると信じているから、これからもどんな壁にも立ち向かっていきたいと思っています」と力強く決意を表明した。また菅田愛貴は「1つわがままを言っていいですか?」と切り出すと、12月20日に20歳になったことを報告しつつ、観客に「ハッピーバースデートゥーユー」を歌ってほしいとリクエスト。会場が温かく和やかなムードで包まれた。
それぞれ胸の内を話し終え、宣伝部員との絆を確かめた6人は、吉川ひよりが作詞を手がけた「未完成ガール」でパフォーマンスを再開。困難に立ち向かう覚悟を歌に乗せつつ、「どんなあたしでも『そばに居てお願い』」とまっすぐな思いを宣伝部員に伝える。続く「きみと青春」でも夢に向かって突き進む決意が歌に込められ、その思いを強調するように、メンバーのメッセージがつづられた金色のテープがアリーナに向かって盛大に放たれた。
ついに目入れが完了したオレンジのだるま
4年前の無観客ライブの最後、宣伝部員とともにさいたまスーパーアリーナに帰ってくることを誓い、オレンジ色のだるまに片目を入れていた超とき宣。そのときのだるまがステージに運び込まれると、メンバーは4年をかけて当時の約束を果たしたことを祝し、もう片方の目入れを行った。そして会場全体が感慨にふける中、ここでライブの終了するかと思いきや、彼女たちは「それでは……と見せかけて!」「みんな、とき宣のライブがここで終わるわけないよね!?」とライブを続行することを宣言。ステージに登場した「ときめき♡ルーレット」を回して次に披露する曲をその場で決める展開へと突入した。その結果、2015年発表のインディーズデビュー曲「土っキュン♡!!少女」が選ばれると、大きな歓声が沸き起こる。6人は晴れやかな笑顔を浮かべて花道を駆け抜け、会場後方のステージでおなじみの“ロックオン”ポーズを決めた。
グループの始まりの楽曲で見事に大団円を迎えたように思えたが、まだライブは終わらない。今度は超とき宣のマスコットキャラクター・パブりんがルーレットを回し、最後にもう1曲「びりーぶ」を歌唱することに。自分たちを信じて突き進み、夢を次々に叶えてきた超とき宣にぴったりな楽曲で夢のさいたまスーパーアリーナ公演がフィナーレへと導かれた。
この公演の模様を生配信したU-NEXTでは、1月7日23:59まで見逃し配信を実施中だ。
セットリスト
「行くぜ!超ときめき♡宣伝部 at さいたまスーパーアリーナ ~超ときめきクリスマス~」2024年12月28日 さいたまスーパーアリーナ
01. トゥモロー最強説!!
02. LOVEイヤイヤ期
03. 初恋サイクリング
04. 発見!ポジティブ☆モンスター!!
05. ハピラブルー!
06. 夢がとまらない!
07. 超最強
08. ちょま
09. プリンセスヒーロー
10. ギュッと!
11. ときどきセンチメンタル
12. 下書きの恋
13. ゼッタイだよ
14. ラヴなのっ♡
15. ぴょんぴょん
16. 100%オレンジ
17. SHIBUYA TSUTAYA前で待ち合わせね!
18. We Can Do It Now!
19. すきっ!~超ver~
20. 青春ハートシェイカー
21. エンドレス
22. 最上級にかわいいの!
<アンコール>
23. 超ときめき♡メドレー
・サンタさんが・・・・・やってこない!
・かわいいメモリアル
・WANTED
・ホップステップジャンプLOVE
・Cupid in Love
・妄想プールデート
・恋のシェイプアップ♡
・雨上がり
・
・ドキドキ ドキドキ
・青春アンセム
・キタコレ!モーニング
・わがままプリンセス
24. こんなあたしはいかがですか
25. 未完成ガール
26. きみと青春
27. 土っキュン♡!!少女
28. びりーぶ
今後の公演情報
「超ときめき♡宣伝部オフィシャルカレンダー 2025.4-2026.3」発売記念イベント
2025年2月24日(月・祝)東京都 ベルサール渋谷ガーデン 1F HALL
「ときめき♡超音波!!」アフターパーティLIVE
2025年3月16日(日)神奈川県 KT Zepp Yokohama
<出演者>
[昼公演]超ときめき♡宣伝部 / アンジュルム
[夜公演]超ときめき♡宣伝部 / こっちのけんと
2025年3月27日(木)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
超ときめき♡宣伝部 / KANA-BOON
2025年3月31日(月)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
超ときめき♡宣伝部 / コレサワ
超ときめき♡宣伝部結成記念フリーライブ
2025年4月1日(火)神奈川県 赤レンガ倉庫イベント広場
ときめき♡春の晴れ舞台2025
2025年4月26日(土)神奈川県 横浜BUNTAI
2025年4月27日(日)神奈川県 横浜BUNTAI
2025年4月29日(火・祝)神奈川県 パシフィコ横浜国立大ホール
むむむむむー @ebimomochan
4年前に絶対このステージにまた立つって
誓ったひとちゃんの言葉。
さいたまスーパーアリーナで会場
いっぱいに灯った橙の光。100%オレンジ。
今思いだしても目頭が熱くなる🥲
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