「渋谷金王八幡宮例大祭」は毎年9月に行われている祭り。青山、渋谷区域の祭礼として数百年以上続けられてきた。BEGINは金王八幡宮にて、ブラジルの音楽でサンバの元となったと言われているマルシャと盆踊りをかけ合わせた“盆マルシャ”アレンジの楽曲やヒット曲など、全10曲を演奏した。
時刻が19時に近付いた頃、渋谷区青少年吹奏楽団による華やかなパフォーマンスが終了。お祭りムードが漂う金王八幡宮の神楽殿に、法被を羽織ったBEGINが登場した。比嘉栄昇(Vo)が「渋谷の皆さん、こんばんは。BEGINです! 渋谷吹奏楽の皆さんが上手になっていてびっくりしました」と挨拶し、BEGINはさっそく代表曲「島人ぬ宝」を披露する。9月に入ったにもかかわらずじっとり蒸し暑い夜に三線の音が響き渡り、神社内に琉球の風が吹いた。
曲中の「イーヤーサーサー」といったかけ声で場内に一体感が生まれたところで、比嘉は「虫の声も聞こえてきますね」と鈴虫の声に耳をすませる。そして彼が「もう1曲島の歌を歌わせてください」と前置きしてから奏でたのは「三線の花」。比嘉、島袋優(G, Vo)、上地等(Piano, Vo)が美しいコーラスワークを響かせる。さらに鈴虫の声とBEGINが鳴らす“島唄”が混ざり合い、この会場ならではの風情が生まれた。続いて島袋がメインボーカルを務める「海の声」が演奏され、オーディエンスは優しいメロディとハスキーな歌声を堪能した。
ここで渋谷区青少年吹奏楽団と踊り手がステージへ。各々が定位置に着くまでの間、比嘉は沖縄・石垣島でY.A.Bというバンドを結成したことを説明するが、「誰も気付かないんですよ」と自虐的に語って笑いを誘う。そこへY.A.Bのボーカルでもあり、比嘉栄昇の息子でもあるケンジロウが登場し、「ワッショイワッショイ!」とシャウトのごとくソウルフルに叫んだ。熱気が満ちてきたところで、BEGINは盆踊りソング「東京音頭」「炭坑節」を“盆マルシャ”アレンジでカバー。吹奏楽団やケンジロウとともに懐かしくも新しいメロディで盛り上げる。観客たちはしとやかに振付を先導する踊り手にならって、見よう見まねといった様子で盆踊りを楽しんだ。
その後もBEGINは美空ひばり「お祭りマンボ」、ヒット曲「涙そうそう」なども“盆マルシャ”アレンジで演奏。ライブも終盤に差しかかった頃、比嘉は渋谷が100 年に一度の再開発で変わり続けていることや、昨年忠犬ハチ公が生誕100周年を迎えたことを語る。さらに「これはBEGINの歌ではなく、渋谷の盆踊りの歌でございます」と曲紹介して、BEGINは8月に配信リリースした最新曲「渋谷百年総踊り」をパフォーマンス。比嘉のこぶしが効いた歌声や篠笛の音などが印象的で、まさに盆踊りにぴったりなこの曲を晴れやかに届けてステージをあとにした。
セットリスト
BEGIN「金王八幡宮例大祭 奉納ライブ」2024年9月12日 金王八幡宮
01. 島人ぬ宝
02. 三線の花
03. 海の声
04. 東京音頭
05. 炭坑節
06.お祭りマンボ
07.自動車ショー歌
08.好きになった人
09.涙そうそう
<アンコール>
10. 渋谷百年総踊り
BEGIN_official @BEGIN_Staff
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