生バンド!ロックレーン!360°ステージ
「SixTONES LIVE TOUR 2024『VVS』」は今年1月にリリースされた最新アルバム「THE VIBES」を携えて大阪・京セラドーム大阪、福岡・福岡PayPayドーム、愛知・バンテリンドーム ナゴヤ、東京ドームを舞台に計10公演が行われ、51万5000人の観客を動員。SixTONESは今回のツアーでグループとして初めて生バンドの演奏を取り入れたパフォーマンスに挑んだほか、観客が360°を囲むセンターステージ、6方向に長く伸びるメンバー命名の“ロックレーン”も作り、これまでのドーム公演以上に観客と物理的に近い距離でのパフォーマンスを約3時間にわたって届けた。ちなみに、ロックレーンは音楽ジャンルとしての“ロック”、SixTONESのグループ名の由来である石としての“ROCK(ロック)”、SixTONESの名前に含まれている「6(ロク)」とクレーンを掛け合わせた造語とのこと。この記事では4月22日公演の模様を紹介するほか、終演後のメンバーコメントを掲載する。
色とりどりのペンライトの光と、観客の高揚した話し声に満たされる東京ドーム。スクリーンに映し出されていた「VVSixTONES」のロゴが不意に消え、トーチを模した巨大なステージセットから炎が上がる。続いてセンターステージにバンドメンバーがスタンバイすると、高く上がったロックレーンからメンバー6人が姿を見せた。意表を突く形で登場した彼らが5万5000人に届けたのは、キレキレのラップとメンバー同士の掛け合いを聴かせる「アンセム」。あちこちから上がる悲鳴のような歓声を受け止めつつ、ファンとともに大いにシンガロングし、ライブの幕開けにふさわしい1曲を貫禄たっぷりに響かせた。
続く「Rollin'」では、6本の花道の横に設置された噴水が2階席の高さまで上がる演出も。高地優吾は「最高に楽しんでいけ!」とツアー最終日の気合いをにじませ、全方位に向かって叫ぶ。そして、三位一体ならぬ“六位一体”のダンスで観客を沸かせた「Outrageous」、ステージを斜めに飛び交うファイヤーボールや花火をものともせず、がなるように絶唱する「ABARERO」を経て、6人はそれぞれのキャラクターを全開にしながら観客に挨拶を始めた。先陣を切ったジェシーは、「皆さん、騒ぐ準備できてるかい? ストレス、発散しに来たんだろ? 右向き、左向き、ムッキムキ」とポーズを決め、京本大我は「俺たちSixTONESと音楽でぶつかる準備はできてるのか? やれるものならやってみな」と不敵に笑う。松村北斗は「いらっしゃいませ!」と観客全員を歓迎し、森本慎太郎は「お前らあっという間だぞ。このライブ、ハンパないからね。乗り遅れたら一瞬で置いてかれるよ」と告げる。高地は「SixTONESがバンドを連れてきたぞ!」と胸を張り、「360°死角なし」と宣言する。「お前らそんなもんだっけ? まだ声出るよね?」とひたすら挑発したのは田中樹。彼が「今日は誰ひとり気を抜くなよ! お前らと俺たちの最上級のバイブスをぶつけ合っていこうぜ」と口にしたことを合図に、バンドによるセッションを挟み、狂おしく艶かしい思いを歌った「Hysteria」へ。この曲ではメンバー同士の絡みが悲鳴のような歓声を誘ったが、中でも高地が京本に抱き付き頬を寄せると、観客は卒倒せんばかりに沸いた。
“誰一人置いていかない”姿勢と脱線しまくりの楽屋トーク
優美な噴水の演出を交え、3人ずつに分かれて花道を舞台にパフォーマンスを展開した「House of Cards」に続き、疾走感のあるドラムの音を口火に京本と森本のユニット曲「希望の唄」へ。2人は互いに笑顔を交わし、少年のようにまっすぐな声を重ねてみせる。そして最後に互いのパフォーマンスを讃えるように力強く抱き合った。ジェシーが歌詞を間違え、茶目っ気たっぷりに笑った「"Laugh" In the LIFE」を皮切りに、6人はトロッコに乗ってアリーナエリアを巡回。ギラギラとした照明が印象的な「PARTY PEOPLE」やレーザー光線を駆使した「S.I.X」では、東京ドームをダンスフロアへと変え、“誰一人置いていかない”姿勢をさまざまな形で見せる。
高地がシャツをはだけながら躍動し、メンバーが腰を使ったダンスで盛り上げた「DRAMA」のあとは、6人がクールな表情と声で魅せる「JAPONICA STYLE」へ。この曲では、メンバーも「今日の花びらの量多くない?」と驚くほどの紙吹雪がドーム中に舞い、観客の灯すペンライトと相舞って幻想的な景色を描き出した。
リラックスしたムードに終始したMCでは、ツアーが楽しすぎたという田中が「もう1回、同じライブやっても来てくれる?」とファンに呼びかける場面も。またこの日は子供も多く足を運んでいたことを受けて、松村が「何歳からこの重低音を聴かせていいのかな?」と心配すると、田中は「大人になってから、そんじょそこらの曲で満足できないかも。でも俺は、60歳まで引っ張るよ! 60になったら15はネックレスが増えてるからね」と今の路線を変えることなく活動していくこと明言する。
さらに田中はツアーファイナルらしいエピソードとして、スタッフが「10公演お疲れ様でした。来年は北海道も連れて行ってね」と書いた張り紙を通してメンバーにエールを送っていたことを明かす。この言葉にジェシーは「じゃあ、プライベートで連れて行こう」と冗談めかしつつ、「来年は(札幌ドーム)に行きたいね」と5大ドームツアー開催の夢を膨らませる。この提案に野球好きの森本が「12球団ツアーやりたいんだよね。で、俺らも沖縄キャンプしてさ」と続けると、松村が「野球選手の方で入場曲にSixTONESの曲を使ってくれている人いるじゃない? その人たちのために歌いに行くとか?」、京本が「SixTONESのライブのたびに始球式やってもらうとか」と野球絡みの夢を語る。東京ドームらしく野球トークがしばらく展開されるも、我に返った森本が「本当にこれ、楽屋のトークだよね」とひと言。「楽しいの俺らだけだよ!」と自らツッコミを入れる田中だが、「俺らアイドルだから、1秒でも長くステージに立ってたいんだよ!」と開き直り、その後もメンバーによる古畑任三郎のモノマネ対決や、森本によるPayPayのCMでおなじみのキレッキレの“PayPayダンス”パフォーマンスコーナーなど、6人のトークは脱線し続けた。
和やかなひとときを挟み、ライブは「Call me」で後半戦に突入。まろやかな鍵盤の音色とスパニッシュギターの調べが艶やかなムードを醸す「マスカラ」では、6人は常田大希が紡いだ歌詞を心を込めて歌い上げ、観客のテンションをじっくりと高めた。その空気を引き継ぐように、松村と田中のナチュラルな掛け合いが楽しい「スーパーボーイ」が始まり、肩の力が抜けた2人の声がドームにアットホームな空気を送り込んだ。
SixTONESデコトラに乗り込みファンの近くへ
一瞬の暗転ののち、メンバーが回転するリフターに乗り、スケール感たっぷりの「Need you」でチルアウトタイムを演出。かと思えば、「TOP SECRET」では背中合わせになり、観客と向き合うようにパフォーマンスを繰り広げる。曲ごとに異なる表情、歌声、オーラを立ち上らせるそのステージングはまさに百花繚乱。“六者六様”の個性を保ちながらも、SixTONESという1つの“生命体”としての生き様を見せるようなエネルギッシュなパフォーマンスに、オーディエンスは魅了され続けた。
なお、このツアーで6人は「THE VIBES」収録のユニット曲もすべて披露した。ライブの後半を彩ったのはジェシーと高地によるミディアムチューン「Blue Days」。それぞれ異なる花道でパフォーマンスを始めた2人だったが、曲の展開とともにセンターステージへと歩みを進めていく。クライマックスでは「隣に居るように歌を歌うよ」という歌詞を体現するように、高地がジェシーにマイクを向け、頬を寄せた。
ジェシーと高地の紡いだ穏やかな空気を雲散したのは「DON-DON-DON」。ドームを揺らすほどの強烈すぎるビートに乗せて、グラウンドの一角から「SixTONES」の電飾をあしらったデコトラが現れ、その上にストリートファッションに身を包んだ6人が乗り込みアリーナエリアへ。そのまま「RAM-PAM-PAM」「Bang Bang Bangin'」を畳みかけ、5万5000人のボルテージを極限まで引き上げていく。
極彩色のライティングやレーザー光線、吹き上がる花火などの演出も相まって異様な熱気がドームを満たす中、トドメを刺したのは「THE VIBES」の収録曲の中でも特にロック色が強い「Something from Nothing」だった。野生味あふれるグロウル混じりのボーカルを、回転するリフターの上から轟かせる6人。しかしメンバーはそのまま攻撃の手を緩めず、BPMの高いダンサブルなロックチューンを連投する。「BE CRAZY」では再びロックレーンに乗り込みドームの上方へ。メンバーは「東京ドーム最後だぞ!」「いつもいい景色をありがとう。これからも俺たちについてこれるか?」とシャウトし、360°から沸く大歓声に身を委ねる。6方向から上がる噴水が清涼感をもたらした「Seize The Day」を経て、6人はSixTONESの躍進を約束するように「こっから」を投下。鮮やかに彩られたステージの上で「こっから始まんだ!」と高らかに叫び、円陣を組みながらステージの下へと消えていった。
「音色」初披露のプレゼントから……
盛大なSixTONESコールに呼び戻される形でステージに帰還した6人は、陽気なポップチューン「Good Luck!」でアンコールをスタートさせる。なお、花道とトロッコを用いてファンとの親密なコミュニケーションを楽しんだ「この星のHIKARI」と「WHIP THAT」をもって昨日までの公演は終わっていたが、この日はツアーファイナルらしい“プレゼント”が用意されていた。
ジェシーが「騒げたかい? 全部出し切れたかい? ストレス発散できたかい?」と呼びかけるも、京本は「足りないね……みんなも足りてないけど、僕らも足りてないよ」と消化不良の様子。そんな言葉から「5月1日発売の曲、やって出し切ろうぜ」と京本は口にし、自身が主演するドラマ「お迎え渋谷くん」の主題歌「音色」につなげる。この曲は「出会えただけで特別な毎日」「このまま一緒に歩いていこう」と歌う、ポジティブなメッセージが込められたミディアムチューン。新曲の初披露というサプライズでファンを喜ばせたあと、6人は肩を組みドームツアーを完走した充実感を分かち合った。
ツアーファイナルらしい晴れやかな空気にメンバーが浸っていると、ドーム常設の巨大なリボンビジョンに「お前らがどうしてもやりたいって言った360°ステージは楽しめたか? お客さんのVVSは感じられたか? まあ、相変わらずMCはなげぇし、つまらねぇ時もあったけど最高に楽しめたよ! また一緒にツアーやろうね、大好きだぞ。TOUR STAFF一同」というメッセージが浮かぶ。スタッフからの愛にあふれたメッセージにメンバーは顔をほころばせ、「いつか5大ドームやれたらいいよね」「スタジアムいこうぜ!」とSixTONESの“こっから”に思いを馳せていた。
SixTONESメンバー終演後コメント
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「VVS」【ライブレポート】360°ステージ!生バンド!ロックレーン!SixTONESが51万人超を圧倒したドームツアー終幕(コメントあり)
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