バーチャルシンガー
この日のための特別アレンジ
HACHIは2019年に活動をスタートさせ、2020年7月にVTuber音楽レーベル・RK Musicよりデビュー。YouTubeで週2回行っている生歌の配信では、リスナーに寄り添うようなシルキーボイスと距離感の近いトークにより毎回数千人の視聴者が集まっている。海外からの注目度も徐々に高まっている彼女は、2ndアルバム「Close to heart」のリリースを記念し、東京と台北で有観客ライブを行うツアーを企画。Spotify O-EASTでのライブはその東京公演として開催された。
オープニング映像の上映後、ステージに姿を現したHACHIは「夜迷い言」を豪華な音色を加えた特別なアレンジで披露。続けて「空が待ってる」「Twilight Line」で伸びやかな歌声を響かせる。その声は会場の観客だけでなく、Z-aNで行われた生配信の視聴者にも届けられ、画面には蜂の巣をイメージさせる六角形の照明に照らされながら熱唱する彼女の姿が映し出された。
MCに移るとパフォーマンス中のクールな姿からは一転、BEES(HACHIファンの呼称)に向け「こんはちー!」と呼びかけたり、歓声を浴びてはしゃいだりと、自然体の姿を見せるHACHI。そのギャップでファンを夢中にさせつつ、彼女が椅子に腰掛けながら「Deep Sleep Sheep」を歌い始めると、再び会場の空気が引き締まる。「Deep Sleep Sheep」は2ndアルバム「Close to heart」の収録曲で、“役目を終えたアンドロイドの最後のひとりごと”をテーマにササノマリイがサウンドプロデュースを手がけたナンバー。この曲を皮切りに、「バスタイムプラネタリウム」のリミックスバージョンなどしっとりとした楽曲が続いた。
「武道館にVとして立ちたい」
場内に閑やかな空気が漂ったかと思えば、疾走感あふれるナンバー「Greyword」をきっかけにフロアの高揚感が一気に増大。「Rainy proof」「いつまでも」など、HACHIの歌唱力を存分に味わえるエモーショナルな楽曲もライブのクライマックスを盛り上げ、夏をモチーフにした「八月の蛍」「夏灯篭」「ビー玉」では、楽曲に合わせて歌い方を変えることで彼女の表現力の高さが発揮された。
その後、HACHIは「宇宙一大好きなみんなの前で、この曲を歌わせてください」と言葉を紡ぎ、ギターロックテイストの「まなざし」をまっすぐに歌唱。アンコールではファンへの感謝の気持ちを口にしたほか、「武道館にV(VTuber)として立ちたい」とかねてからの目標を改めて表明し、「みんなが胸を張って応援できるような活動を心がけてがんばっていきたいと思います」と意気込んだ。
そして「みんなでひとつになって歌を作りましょう」と笑顔で呼びかけたHACHIが、このライブのラストナンバーとして歌ったのは「HONEY BEES」。観客はペンライトを左右に振り、HACHIの歌声に合わせてシンガロングを繰り広げた。
なお「HACHI東京・台北ツアー『Close to heart』」の台北公演は、11月19日に台北のClapper Studioで行われる。
セットリスト
HACHI「HACHI東京・台湾ツアー『Close to heart』」2023年10月9日 Spotify O-EAST
01. 夜迷い言
02. 空が待ってる
03. Twilight Line
04. Deep Sleep Sheep
05. Lonely girl
06. さよならfrequency
07. Level off
08. バスタイムプラネタリウム(Remix)
09. Greyword
10. 涙することは疎か、息も出来ない。
11. Rainy proof
12. いつまでも
13. 光の向こうへ
14. 八月の蛍
15. 夏灯篭
16. ビー玉
17. まなざし
<アンコール>
18. HONEY BEES
RK Music @RKMusic_inc
[HACHI 掲載情報]
『ナタリー』にて、HACHIのLIVE TOUR「Close to heart」東京公演のレポート記事が掲載されました。
バーチャルシンガーHACHI「Close to heart」ツアー東京公演でBEESとひとつに
https://t.co/WtF5LynqHr