NIGHTMARE×MUCC初ツーマンで互いの曲をカバー、コラボ曲はLUNA SEAとBOØWY

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NIGHTMAREMUCCが8月24日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で初のツーマンツアー「悪夢69」のファイナル公演を開催した。

アンコールの様子。(撮影:冨田味我)

アンコールの様子。(撮影:冨田味我)

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NIGHTMAREとMUCCはともにヴィジュアル系シーンをけん引してきたが、意外にもこれまで競演の機会は少なかった。今回MUCCがNIGHTMAREに提案する形で、ツーマンツアーが実現。彼らは愛知・Zepp Nagoya、大阪・Zepp Osaka Bayside、Zepp Haneda(TOKYO)の3カ所を回り、対バンライブならではのコラボパフォーマンスも披露してオーディエンスを喜ばせた。

NIGHTMAREのライブの様子。(撮影:冨田味我)

NIGHTMAREのライブの様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

まずステージに姿を現したのはNIGHTMARE。YOMI(Vo)が左手を掲げて「いこうか!」と告げると、5人は「BOYS BE SUSPICIOUS」で豪快にライブの口火を切った。そして彼らは今年リリースした最新シングル曲「FAREWELL」を爽快にプレイ。「DIRTY」ではYOMIがアンプの上に座り込み、自由奔放に舞台を使いながらパワフルな歌声を響かせた。

「MUCCとのツーマン、今日がツアーファイナルです! こんな俺たちを誘ってくれて、MUCCのメンバー、どうもありがとう!」とYOMIは声を弾ませる。「名古屋も大阪もすごくいいライブになりました! ツアーファイナルもいいツーマンにしていこうぜ!」とYOMIが呼びかけると、NIGHTMAREは「ピラニア」「mimic」とアッパーチューンを連投。さらに「極上脳震煉獄・弌式」でヘッドバンギングの嵐を巻き起こし、フロアを熱狂の渦へと導いた。

YOMI(Vo / NIGHTMARE)(撮影:冨田味我)

YOMI(Vo / NIGHTMARE)(撮影:冨田味我)[拡大]

ツアーファイナルを迎え、柩(G)は「悲しいです」と名残惜しみ、「もう毎年やりたい」と発言。この言葉を受け、YOMIが「MUCCのメンバーはなんて言うかな」と首を傾げると、柩は「MUCCのメンバーの前に……」とRUKA(Dr)に視線を向けた。RUKAから飛び出てきたのは「面白かったですね」という言葉。「面白かったということは……」とYOMIが話を続けると、柩も「あるかも?」と期待をのぞかせた。NIGHTMAREとMUCCは今回たっぷりと親交を深めたようで、YOMIが「この間も大阪でご飯を一緒に食べさせてもらって。今回のライブツアーで距離がだいぶギュッと縮まりました」と話すと、柩も「べったりですね」とにっこり。YOMIは「今日は逹瑯さんリスペクトで、ひさしぶりに裸足でライブをやってます。もともとインディーズのときに逹瑯さんの影響で裸足でライブをやっていて。そのときの初心の気持ちを今回のツーマンツアーで思い出せてよかったなと思います」としみじみと語った。

NIGHTMAREとYUKKEのコラボパフォーマンスの様子。(撮影:冨田味我)

NIGHTMAREとYUKKEのコラボパフォーマンスの様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

「1曲参加してほしいなと思いまして」とYOMIに呼ばれ、ステージに登場したのはMUCCのYUKKE(B)。彼の手にあるのはベースではなく、なんとマイク1本のみ。YUKKEが「好きな曲があって、『この曲、歌いたいな』ってラジオで言ったら、まさかステージに招待されるなんて」と目を輝かせると、YOMIは「NIGHTMAREの『With』という曲を好きでいてくれてるみたいで、今日はYUKKEさんと一緒に歌いたいと思います」と宣言。歌う気満々のYUKKEは「『With』がすごく大切な曲だという人はいる?」と観客に呼びかけたうえで「本当の悪夢、見せてやるよ」と言い放った。YUKKEは咲人(G)のギターに合わせて楽曲のキーを念入りに確認したあと、YOMIの「それでは皆さんに贈ります。『With』with YUKKE」という曲振りを経て、「With」を高らかに歌い始める。YUKKEとYOMIは息ぴったりにツインボーカルで温かみのある歌声を重ね、「君とふたりで歩いた」のフレーズでお互いを指差した。さらに間奏ではYUKKEがオリジナルの語りパートを披露。手を左右に振りながら最後までノリノリで歌を届け、「最高だな!」とお立ち台の上でジャンプして満足げに舞台を去っていった。

YOMI(Vo / NIGHTMARE)とYUKKE(B / MUCC)。(撮影:冨田味我)

YOMI(Vo / NIGHTMARE)とYUKKE(B / MUCC)。(撮影:冨田味我)[拡大]

本公演ではNIGHTMAREとMUCCがお互いの楽曲をカバーする場面もあった。NIGHTMAREがMUCCの楽曲の中からセレクトしたのは「流星」。浮遊感のあるギターサウンドがたゆたうように場内を満たしていく。センチメンタルな空気をまとったYOMIは、お立ち台に座りながらエモーショナルな歌声を響かせた。「ジャイアニズム天」ではオーディエンスが一斉にジャンプ。咲人が軽やかにタッピング奏法を披露し、RUKAはドラムを乱れ打つ。最後に「極東乱心天国」で一体感のあるシンガロングが場内に広がると、NIGHTMAREのメンバーはじっくりとフロアを見渡しながらその歌声を受け取ってステージをあとにした。

MUCCのライブの様子。(撮影:冨田味我)

MUCCのライブの様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

NIGHTMAREからバトンを受け取ったMUCCは、逹瑯(Vo)の気迫に満ちたシャウトとともに「99」でライブを開始。ギラついた空気を漂わせながら、そのまま「咆哮」へ突入し、魂のこもった音を開放していった。「ファズ」では四つ打ちのダンサブルなビートに乗ってオーディエンスが一斉に体を揺らし、場内はたちまちダンスフロアに変貌。熱気に包まれたフロアを見渡し、逹瑯は「今日で終わっちまうんだってよ。これを始まりにしてえよな。始まりにしようか。これは1回目のツアーだ!」と言い放った。

逹瑯(Vo / MUCC)(撮影:冨田味我)

逹瑯(Vo / MUCC)(撮影:冨田味我)[拡大]

「謡声」で夏の景色を晴々と描き出したあと、オレンジ色のライトに染まったステージで「君に幸あれ」を感傷的に演奏したMUCC。「今思えばずっと(ツーマンを)やってこなかったんですよ、NIGHTMAREと。なんで?」と逹瑯が口を開くと、フロアからは「待ってたよ!」という声が上がった。逹瑯は「俺は思い出したんだ。NIGHTMAREがガーっと売れ出した時期があって、悔しかったんだと思うんですよ。うらやましかったし、悔しかった。でも、それを口に出して認めちゃうと、自分たちのアイデンティティが崩れるような気がしていて」とかつての心境を振り返り、「当時はこんな未来があるなんて思ってもなかった。いつか今日のこの日も、またこの先の未来で『あのときこうだったね』って思い出話になるように、これから一緒に生きてきましょう」と観客に穏やかに呼びかける。そして逹瑯は「あのときめちゃくちゃ悔しかった曲、思いっきり気持ちを込めて歌います」と述べ、NIGHTMAREが階段を駆け上るきっかけとなったアニメ「DEATH NOTE」主題歌「the WORLD」を熱く歌い上げた。

逹瑯(Vo / MUCC)と咲人(G / NIGHTMARE)(撮影:冨田味我)

逹瑯(Vo / MUCC)と咲人(G / NIGHTMARE)(撮影:冨田味我)[拡大]

「YUKKEさんがNIGHTMAREでお世話になりましたね。MUCCでもNIGHTMAREをお世話してやろうか!」という逹瑯の言葉に呼ばれて、ステージには咲人が登場した。「咲人が弾きてえって言った曲やるよ!」と宣言し、彼らが演奏し始めたのは「娼婦」。咲人とミヤ(G)はステージに並んで向かい合い、ツインギターで華麗なプレイを繰り広げた。

咲人(G / NIGHTMARE)とミヤ(G / MUCC)。(撮影:冨田味我)

咲人(G / NIGHTMARE)とミヤ(G / MUCC)。(撮影:冨田味我)[拡大]

その後、MUCCはぐるぐるとステージを徘徊しながら「オルゴォル」を演奏。ミヤはステージに膝をつき、ゆらゆらと揺れながら怪しげにギターソロを紡ぐ。そしてMUCCのファンにとっては聴き馴染み深いイントロのギターリフに、オーディエンスの掛け声が重なり「蘭鋳」がスタートした。逹瑯は途中で観客を全員座らせると、「マジでまたやろうね。とりあえず水戸と仙台やろう。ここに来てくれてる人が全員来たら入らないかもしれないけど、水戸と仙台やるのでよろしくお願いします」と2組の地元でのツーマン開催を約束。その後「3、2、1」のカウントを経て、オーディエンスは一斉にジャンプし、激しいヘッドバンギングを起こした。最後にMUCCは真っ赤な照明に染まった舞台で「リブラ」を演奏。逹瑯がマイクスタンドを勢いよく倒すと、メンバーは魂を解放するかのようになりふり構わず楽器をかき鳴らした。

アンコールの様子。(撮影:冨田味我)

アンコールの様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

アンコールではLUNA SEAチームとBOØWYチームに分かれてコラボパフォーマンスが行われた。まずは逹瑯、YOMI、柩、咲人、YUKKE(B)、Allen(Dr)がLUNA SEAの「END OF SORROW」をカバー。YUKKEはLUNA SEAのJモデルの赤いベース、咲人はSUGIZOモデルの“白プリンス”と呼ばれる白いギターをそれぞれ携え、リスペクトを込めて生き生きと演奏を繰り広げた。さらに柩が「YUKKEさんの歌どうでしたか?」と改めて観客に問いかける場面も。逹瑯は「人様の歌のノリを勝手に変えたらあかんよ」と述べるも、YOMIは「あんなに盛り上がった『 With』、今までなかった。これからはあのノリがよさそう」と左右に手を振るミヤのノリが気に入っている様子だった。

アンコールの様子。(撮影:冨田味我)

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続いて逹瑯、YOMIを除くメンバーが入れ替わり、ミヤ、Ni~ya(B)、RUKA、トオル(Key)によるBOØWYチームが登場。逹瑯に「あれ? RUKAさん、サングラスは?」とBOØWYの高橋まことのスタイルを求められたRUKAは「なかったっす」と答えた。すると逹瑯が「じゃあ氷室さんかな。初日の名古屋では僕が『すべての夢を見てるやつらに贈るぜ、『DREAMIN'』と煽りまして、大阪ではミヤさんがやりました。カンペも用意したんで」とRUKAに曲振りを提案。MUCCサイドは準備万端で、ミヤが素早くカンペを掲げた。突然の無茶振りにRUKAは動揺するも、サングラスと曲振りのどちらがいいかを迫られ、曲振りを選択。BOØWYに憧れてバンドを始めたRUKAは、「最後に夢を見てる奴らに贈るぜ、『DREAMIN'』」とクールに告げてフロアから大歓声を浴びた。RUKAの言葉に続いて、BOØWYチームは「DREAMIN’」を楽しげにプレイ。YOMIと逹瑯の情熱的な歌声が重なり、会場に晴れやかに響き渡った。

アンコールの様子。(撮影:冨田味我)

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ここで8月21日に誕生日を迎えた逹瑯にNIGHTMAREがケーキをプレゼント。誕生日に地元水戸にて行われたMUCCのツアーファイナルで祝われたばかりの逹瑯は「もうやったよ!」と笑いながらも、「ありがとう!」とバースデーソングを受け取って蝋燭の灯りを吹き消した。最後にNIGHTMAREとMUCCは全員でLUNA SEAの「WISH」を演奏。特別な夜を祝福するようにこの曲を仲睦まじく届け、初のツーマンツアーに幕を下ろした。

NIGHTMARE&MUCC「悪夢69」2023年8月24日 Zepp Haneda(TOKYO)セットリスト

NIGHTMARE

01. BOYS BE SUSPICIOUS
02. FAREWELL
03. DIRTY
04. ピラニア
05. mimic
06. 極上脳震煉獄・弌式
07. With(with YUKKE)
08. 流星(MUCCカバー)
09. ジャイアニズム天
10. 極東乱心天国

MUCC

01. 99
02. 咆哮
03. ファズ
04. 謡声
05. 君に幸あれ
06. the WORLD(NIGHTMAREカバー)
07. 娼婦(with 咲人)
08. オルゴォル
09. 蘭鋳
10. リブラ

<アンコール>
11. END OF SORROW(LUNA SEAカバー)
12. DREAMIN'(BOØWYカバー)
13. WISH(LUNA SEAカバー)

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