定刻を少し過ぎた頃、観客の温かな拍手と歓声に迎えられながら比喩根(Vo, G)、ジャスティン(Dr)、玲山(G)、小﨑(B)がステージに登場。4人は5月発表の最新アルバム「ポートレイト」から「crush」をセレクトすると、そのまま「Heart Jack」「Ivy」を抜群のコンビネーションで届けて会場の熱気を高めていく。比喩根が満員のフロアに向けて「今日はせっかくのツアーファイナルということで、今回のツアーで一番盛り上がる楽しいライブにしたいと思うんですけど、皆さんお手伝いいただけますか!?」と呼びかけると、オーディエンスのテンションは一気に上昇。chilldspotはさわやかで聴き心地のいい「music」や、ポジティブなメッセージが込められた「Girl in the mirror」、タイトルの通り夜を連想させるメロウチューン「夜の探検」などタイプの異なる楽曲を次々と繰り出して観客の体を揺らした。
chilldspotは今回のツアーを振り返りながら、初めての経験として出待ちのファンが現れたことや、マスクなしの観客の声の大きさに驚いたことなど、思い出話に花を咲かせる。そして比喩根が「ほかの会場では、むずかしい手拍子や少しクセのあるかけ声をお願いしたんですけど、みんな臨機応変にやってくれて……(笑)。次やる曲でむずかしい手拍子とか一緒にやりたいんですけど、LIQUIDROOMの皆さんお手伝いいただけますか?」と煽って「supermarket」でライブを再開。4人の演奏を浴びた観客がハンドクラップをしたり、ともに歌ったりと一体感のあるステージが繰り広げられた。
ライブ終盤、比喩根はchilldspotの音楽がここ数年で広く聴かれるようになった現在の状況を「すごくいいこと」と語りつつも、その中でプレッシャーを感じていたことや、アルバム「ポートレイト」の制作期間中に書きたいことがなくなった時期もあったと告白。そしてSNSを通して届くファンからのメッセージに励まされたと語り、「今まで弱みだと思っていた部分を『素敵だね』と言ってくれる人がいたんです」「だから自分の素を出した曲を作りたいと思って、『ポートレイト』にはそういう曲を入れさせてもらいました」と続けて、「Anymore」「5/7」の2曲を情感たっぷりに歌い上げた。その後chilldspotは「Don't lose sight」で大合唱を巻き起こすと、「Like?」「BYE BYE」を軽やかにプレイしてステージをあとにした。
アンコールを受けて再び登場したchilldspotは、ツアーグッズの紹介を交えつつ、ゆるいトークを展開。そしてバンドのオフィシャルファンクラブ・チルズスポットを開設することをアナウンスした。最後は鳥飼茜によるマンガ「サターンリターン」とのコラボ曲「ひるねの国」、グルーヴィなダンスチューン「Groovynight」を届け、大盛況の中この日の公演の幕を降ろした。
関連する特集・インタビュー
chilldspot「chilldspot 2nd One Man tour "Road map"」最終公演 2023年6月29日 LIQUIDROOM セットリスト
01. crush
02. Heart Jack
03. Ivy
04. music
05. line
06. Girl in the mirror
07. 夜の探検
08. supermarket
09. full count
10. please
11. Monster
12. Kiss me before I rise
13. Anymore
14. 5/7
15. Like?
16. Don't lose sight
17. BYE BYE
<アンコール>
18. ひるねの国
19. Groovynight
関連商品
田中大輔DT@LINE MUSIC @daisuketa18
chilldspotが全国ツアー完走、オーディエンスと一体になったLIQUIDROOM公演
https://t.co/KPGsrECaZB