2022年12月に10人体制で新たなスタートを切ったエビ中。現体制初のファンクラブイベントとなった今回は、前半でメンバーが5人ずつ二手に分かれての対決企画、後半でレア曲も交えたライブパフォーマンスを展開し、それぞれの個性があふれる盛りだくさんの内容で集まったエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)を存分に楽しませた。
開演前のステージには格闘技ではおなじみの金網と、オクタゴン(八角形)ならぬ十角形のリングが鎮座し、これから何が起こるのかというファミリーの期待を高める。開演時刻を迎え、会場のスクリーンに流れたのは格闘技番組「Breaking Down」風の映像。真山りか、安本彩花、小林歌穂、風見和香、桜井の“えま軍”と星名美怜、中山莉子、桜木心菜、小久保柚乃、仲村悠菜の“ゆな軍”に分かれたエビ中メンバーはガラの悪い服装と表情でパイプ椅子に腰掛け、丁々発止のにらみ合いを展開するが、セリフが棒読みになったり互いの人相に吹き出したりというユルすぎる光景に客席からは笑いが起こった。
映像が終わると、この日のMCを務めるお笑い芸人・Gたかしと、ジャッジを務めるエビ中マネージャーの藤井ユーイチ校長、総合格闘家の佐々木憂流迦選手、杉山しずか選手が登場。Gたかしの呼び込みでえま軍、ゆな軍は客席を練り歩きながら現れ、場内を大いに沸かせた。今回の勝負は先鋒戦から大将戦までの5番勝負で、各軍から1人ずつが出場しての直接対決を繰り広げることに。それぞれの個性が現れた戦いっぷりに、会場は最後まで大盛り上がりとなった。
先鋒戦は安本と中山によるダンス対決。対決内容を決めるじゃんけんで勝利した中山は意気揚々と「ダンスで!」と指定するも、安本から「そっちかい! 絶対強いから腕相撲かと思った」とツッコまれ「確かに……!」と我に返る。そんな2人は次々に流れる楽曲に即座に反応して振り付けを再現する対決を展開。判定の結果は3対0で中山の勝利となり、ゆな軍が1勝目を収めた。
次鋒戦では真山と小久保が“叩いてかぶってジャンケンポン”で対決。意気込みを尋ねられた小久保は自身の反射神経について「まあ、若いので……(笑)」と豪語してファミリーを笑わせ、その言葉に真山は「若さだけじゃないってところを見せます!」と闘志を燃やす。しかし3本目で小久保が見事勝利し、ゆな軍に2勝目をもたらした。
えま軍が2連敗を喫し、あとがなくなったところで始まった中堅戦は小林と桜木による“ノーリアクション対決”。これは足ツボマッサージを受けてどれだけノーリアクションでいられるかを競う勝負で、先攻の小林は涼し気な表情を浮かべてメンバーから「女優じゃん!」と絶賛される。対する桜木も無表情で耐えるが、微妙に笑顔を浮かべてしまい僅差で敗れる結果となった。
風見と星名による副将戦の内容はジェスチャー対決。声帯結節の診断を受け、発声を伴う活動を控えている星名はスマートフォンの音声読み上げ機能で意気込みを語る。ジェスチャー対決に向けて風見が「しゃべれないんでね?」と挑発すると、スマホの冷静な声色で「だまれ」と言い返してファミリーを笑わせた。そんな風見は2問目のお題“停電“に大苦戦し、わずか1問正解という結果に。星名は豊かな表現力で8問の正解を導き出して圧勝し、「私、人魚姫なので」と涼しい顔で宣言した。
大将戦ではいよいよ桜井と仲村が直接対決。負け越したゆな軍に対決内容の選択権が与えられると、仲村は“二人羽織対決”を選んだ。それぞれが選んだチームメンバーとペアを組み、二人羽織でうどんをうまく食べられるかという内容だが、メンバーを選ぶ際に桜井は「まだ活躍していない初めの2人(安本、真山)に……」、仲村は「ちゃんとやってくれそうな人が1人もいないですけど、唯一負けているので桜木さんに」と先輩メンバーに臆さず言い放ってファミリーの爆笑を誘う。先攻を務めた桜木&仲村ペアの苦戦っぷりを目にした真山&桜井ペアが抜群のコンビネーションを見せ、最後にえま軍が一矢報いる形で勝利した。
すべての勝負を終えたゆな軍のリーダー・仲村は「結果的に勝ったのはこちらなんで、これからは私の言うことを聞いてほしいです(笑)」と宣言。あどけない声と強気な発言のギャップでメンバーやファミリーを笑わせて前半の幕を閉じた。
Gたかしによるモノマネショーを経て、イベントは後半のライブパートへ。「仮契約のシンデレラ」で軽やかに始まったライブは「まだ×2売れたいエモーション!」「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」といったアッパーチューンの連投であっという間に盛り上がっていく。しかし「ザ・ティッシュ」の曲中には真山が「何これ、心菜のブーツが落ちてるんだけど!」と、破損して脱げてしまった桜木のブーツの片方を拾い上げるというハプニングも。桜木は苦笑いしつつ、続く「さよなら秘密基地」をアグレッシブにパフォーマンスした。
普段は星名が行っている「朝のチャイムが鳴りました!」という挨拶は、声を出せない彼女に代わり中山が担当。星名はスケッチブックへの筆談で「みんな なつかしい曲聴けた?」とファミリーに呼びかけた。先程のハプニングを経て桜木が戻ってくると、真山は「シンデレラが帰ってきた! 今日は人魚姫にシンデレラと大変ですね(笑)」と、プリンセスが続々と登場するこの日のイベントを振り返る。中山は「今日のセットリストは『みんな体力大丈夫ですか?』っていう感じです」と話し、後半のさらなる盛り上がりを期待させた。
小林曰く「ハイテンションパート」という中盤のパートでは「熟女になっても」「未確認中学生X」「Go!Go!Here We Go!ロック・リー」などを次々とパフォーマンス。また、初めて出演したファンクラブイベントの感想を尋ねられた桜井は「ファンの人しかいないっていいですね」と笑顔を見せる。一方、前半戦ではヒゲをたくわえた強面のビジュアルだった仲村が「戦いのときと違って、ライブではかわいくできたのでよかったです」と喜ぶと、真山は「新メンバーはまともなことをさせてもらえないよね?」と苦笑い。星名も「それが洗礼」と同意していた。
「Bang Bang Beat」「ボイジャー」を力強く披露したエビ中は、ラストナンバーとして「キングオブ学芸会のテーマ~Nu Skool Teenage Riot~」をパフォーマンスし、エンディングを飾った。最後にエビ中は4月15日より全国ツアー「私立恵比寿中学spring tour 2023~100%ebism~」を開催することを発表。中山はこのツアーを通じて「10人で土台を作っていきたいと思います」と話し、グループの目標としている埼玉・さいたまスーパーアリーナでの2度目のライブ開催に向けたさらなる底上げを誓った。
今回のイベントの模様は後日ファンクラブ公式サイトにて配信予定。
私立恵比寿中学「エビ中会員限定 ファミリーの集い2023」2023年2月12日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト
01. 仮契約のシンデレラ
02. まだ×2売れたいエモーション!
03. ザ・ティッシュ~とまらない青春~
04. さよなら秘密基地
05. 熟女になっても
06. ハイタテキ!
07. 未確認中学生X
08. HOT UP!!!
09. Go!Go!Here We Go!ロック・リー
10. Bang Bang Beat
11. ボイジャー
12. キングオブ学芸会のテーマ~Nu Skool Teenage Riot~
※記事初出時、一部キャプションに誤字がありました。お詫びして訂正します。
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