開演時間を迎え、Bialystocksとサポートメンバーがステージに登場するものの、会場内は薄暗いまま。1曲目「All Too Soon」の演奏が始まっても照明が明るくステージを照らすことはなく、ときおり逆光で彼らの姿が垣間見えるだけでステージの全容を確認することはできない。2曲目「花束」の演奏が始まり、バンドメンバーが一斉に音を鳴らすとようやくステージに光が当たり、この日の編成が甫木元空(Vo)と菊池剛(Key)のメンバー2人に西田修大(G)、越智俊介(B /
Bialystocksが5曲を届けたところで会場内が暗転。スクリーンに水面の映像が映し出され、焚き火の音と虫の鳴き声をバックに、男の声のモノローグが流れ始める。男の声は甫木元が監督を務める映画「はだかのゆめ」の主人公・ノロのものであり、そのセリフに重なるように菊池が次曲「フーテン」のイントロを弾き始めた。サイケデリックな色彩の照明で会場内を怪しく彩った「コーラ・バナナ・ミュージック」、7人全員で1つの音楽を奏でるBialystocksのバンドらしい側面を強調した「Winter」などを経て、ライブは後半へ。再び会場内が暗転するとステージ上に夜の車窓の映像が流れ始める。この映像はBialystocksが9月にリリースしたばかりの「灯台」のミュージックビデオの一部を彷彿とさせるもので、彼らは映像を大写しにしながらこの曲をオーディエンスに届けた。次曲「Thank You」ではこれまでピアノやキーボードの演奏に徹してきた菊池がアコースティックギターを手にして演奏に加わり、メンバーとともに繊細なバンドアンサンブルを奏でた。ライブ本編の最後を飾ったのは、彼らの代表曲の1つ「Nevermore」。曲が進行するにつれて甫木元の歌声にも力が入り、最終的には叫ぶようにエモーショナルな歌声を会場内に響かせた。演奏が終わるとこれまで静観するようにステージ上のパフォーマンスを見守っていたオーディエンスは堰を切ったように大喝采をステージ上に送り、ライブ本編の幕が閉じられた。
アンコールには甫木元と菊池の2人だけが姿を現し、新曲「日々の手触り」をライブで初披露することに。菊池の自由奔放なピアノの旋律に甫木元が情感豊かな歌声を重ね、オーディエンスは彼らの阿吽の呼吸が織り成す息ピッタリのセッションを心ゆくまで堪能した。1曲歌い終えるとこの日初めてのMCに入り、甫木元は「お集まりいただきありがとうございます。Bialystocksです」と挨拶。さらに彼は11月にポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsよりアルバムをリリースしてメジャーデビューをすること、来年1月から2月にかけてアルバムを携えたツアーを開催することをオーディエンスにサプライズで発表した。会場内が祝福ムードに包まれる中、再びバンドメンバーをステージ上に招いたBialystocksは、この日最後の曲として「夜よ」を演奏。ステージ後ろの幕が開き、大手町のビル街を背景に甫木元は“別れと再会”の意を込めて「さよなら」と繰り返し歌い、この日のライブをフィナーレに導いた。
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Bialystocks「第一回単独公演 於:大手町三井ホール」2022年10月2日 大手町三井ホール セットリスト
01. All Too Soon
02. 花束
03. またたき
04. Emptyman
05. 光のあと
06. フーテン
07. コーラ・バナナ・ミュージック
08. あいもかわらず
09. Winter
10. ごはん
11. 東大
12. Thank you
13. I Don’t Have a Pen
14. Over Now
15. 差し色
16. Nevermore
<アンコール>
17. 日々の手触り
18. 夜よ
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Bialystocks 第一回単独公演 於:大手町三井ホール のライブレポートが掲載されました!
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