ツユ、晴れの野音で“第3章”幕開けの音を高らかに鳴らす

ツユが6月12日に東京・日比谷公園大音楽堂（日比谷野音）にてワンマンライブ「ツユ 3rdアニバーサリーワンマンLive『雨模様』」を開催した。

2019年に結成されたツユは、ぷす（G）、礼衣（Vo）、miro（Piano）の3人からなる音楽ユニット。彼らの結成記念日に開催されたこの日のワンマンライブ「雨模様」は、ユニット結成から3年が経ったことを受けた“第3章の幕開け”として行われた。

温かい拍手に迎えられたツユのメンバーが定位置に付き、礼衣（Vo）が「やっぱり雨は降るんだね」を歌い始めると、それまで座っていたオーディエンスは一斉に立ち上がり、手に持っていた青いうちわを上げる。関東ではすでに梅雨入りが発表されていたもののこの日のライブは天気に恵まれ、野外会場周辺にはぷすが奏でるさわやかなギターサウンドが鳴り響く。MCで「予報が雨だったのに雨が降らなかった」と喜ぶ礼衣は「“やっぱり雨は降らないね”なんですよ我々。ライブの日に雨だったことがない」と、ぷすと笑い合っていた。

ツユはその後も「雨を浴びる」「太陽になれるかな」と天気にまつわる楽曲を立て続けにパフォーマンス。続く「梅雨明けの」ではmiroの伴奏をバックに礼衣が伸びやかな歌声を響かせ、オーディエンスを魅了した。「かくれんぼっち」で流麗なギターソロを披露したぷすは演奏後に思わず「きっつ！ 筋トレです」とこぼす。さらにぷすは「今回は外だし明るいから、ポップな感じでいこうと思う」とアナウンス。ダークなテーマを持ち味としていた“第2章”と一線を画すライブであることを強調した。

その後もツユは人気曲「デモーニッシュ」や音楽ゲーム「CHUNITHM」収録のダンスナンバー「テリトリーバトル」、この日のワンマンと同じタイトルの新曲「雨模様」、P丸様。への提供曲「シャーベット」のツユバージョンと、3年のキャリアを総括するようなセットリストを展開。日が傾きかけてくるとツユは「あの世行きのバスに乗ってさらば。」「終点の先が在るとするならば。」といったアッパーチューンを立て続けに披露し、ライブをフィナーレに向けて盛り上げていく。

「泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて」の歌唱時にはすっかり日も落ち、ステージにはスクリーンをバックにぷす、礼衣、miroのシルエットが映し出されるひと幕も。本編の最後に彼らが披露したのは、代表曲「くらべられっ子」。miroのピアノソロから始まるライブならではのアレンジが施された「くらべられっ子」の演奏が始まると水玉模様の照明が乱反射し、会場内に幻想的な光景が広がった。

本編を終えても会場内の熱気は冷めやらず、ライブはアンコールに突入。再びステージに登場したツユは、5月に公開されたばかりの新曲「いつかオトナになれるといいね。」でライブを再開する。歌い終えてすぐ、礼衣が「この曲、大変すぎます！」と作曲者のぷすにクレームを入れると、ぷすは「なんでも歌ってくれる」と満足気な笑顔を見せた。またmiroのキーボードの上にコガネムシが現れ、コガネムシが挟まれないように楽器を弾いていたことを明かすひと幕も。ツユの面々は野外ならではのハプニングも含めてライブを楽しんでいた。

最後のMCではぷすから、ツユがメジャーレーベルに所属することになったことがアナウンスされた。さらに彼は「ここからはこれまで届かなかったところにツユの曲を届けたい」と自身の思いを語った。ぷすは「まだまだ話したい」とライブの終了を惜しみながら、最後の曲「ロックな君とはお別れだ」の演奏を始める。「じゃあね」という一節でファンとの別れの挨拶を交わしたツユは、最後にオフマイクでオーディエンスに感謝の言葉を伝え、ワンマンライブ「雨模様」をフィナーレに導いた。