KOTORI、“演奏1本勝負”で挑んだ初の両国国技館ワンマン

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KOTORIの47都道府県ツアー「PLAY FOR THE FUTURE TOUR」が11月6日に東京・下北沢Daisy Barで幕を閉じた。この記事ではツアーのセミファイナルとして11月3日に行われた東京・両国国技館公演の模様をレポートする。

KOTORI(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

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「PLAY FOR THE FUTURE TOUR」はKOTORIが5月リリースの3rdフルアルバム「We Are The Future」を携え、全国を回って計50公演を行ったツアー。バンドは自身初となる両国国技館にて、普段と変わらない自然体で全25曲を披露した。

横山優也(Vo, G)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

横山優也(Vo, G)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)[拡大]

この日の両国国技館にはアリーナに円形のセンターステージを設置。ステージ中央には「We Are The Future」のジャケットを彷彿とさせるテレビがセットされ、ファンの目を引いていた。開演時間を迎えると、アリーナの入場口から横山優也(Vo, G)、上坂仁志(G, Cho)、佐藤知己(B)、細川千弘(Dr)がゆったりとした足取りで登場。4人は向かい合う形で定位置に着き、3rdフルアルバムのタイトルトラック「We Are The Future」でライブをスタートさせた。横山はスケール感のあるこの曲を力強く歌い上げて、オーディエンスをバンドの楽曲の世界観に誘った。

横山優也(Vo, G)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

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KOTORIはみずみずしく青春感のあるサウンドの「Blue」、横山による「音楽があれば大丈夫!」という前置きから始まる「unity」、ブラストビートが炸裂する「1995」と次々に楽曲を演奏していく。本公演では会場用の特別な演出や特効はほとんど用意されず、バンドはライブハウス公演と同様のシンプルな演出でパワフルなステージングを披露した。MCでは横山が「普段と違う感じでヤバいっすね。神聖な場所でできることをありがたく思います」と顔をほころばせ、「今日は演出一切なし。あるのはこのテレビくらい。演奏1本勝負でやらせてもらいます。ツアーで見てきた景色を曲に閉じ込められたらいいなと」と意気込んだ。

佐藤知己(B)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

佐藤知己(B)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)[拡大]

KOTORIは「We Are The Future」より、鋭いビートが冴える「sleepless」、シューゲイザー調でバンド初のほぼ全編英詞曲の「Anywhere」と浮遊感のあるサウンドが印象的な楽曲を連投。横山はリバーブの効いた歌声を響き渡らせ、場内に幻想的なムードを漂わせる。そして彼らは7分超におよぶ「Anywhere」の演奏で場内に深い余韻を残した。続いて横山がエレキギターからアコースティックギターに持ち替えて演奏したのは「ソングバード」だ。先の余韻を引き継ぐように、彼はアコースティックギターで柔らかい音色を奏でた。佐藤の見せ場の1つとなったのが「雨のあと」。透明感のあるギターリフに彼が鳴らす温かなトランペットの音色が寄り添い、歌詞に登場する“雨の中”のような情景が表現された。

上坂仁志(G, Cho)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

上坂仁志(G, Cho)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)[拡大]

自身の背後にある客席を見やった横山は「すみませんね。背中で語る男なんで、見といてください」とファンに呼びかける。その後、彼の「僕らなりのラブソングをやります」という言葉から「ふたり」「ラブソング」、そして3rdフルアルバムのラストを飾る「東京より愛を込めて」という3曲のラブバラードが奏でられるブロックへ。オーディエンスは4人が奏でる優しいメロディをじっくりと堪能した。“東京”という言葉がタイトルに冠された「東京より愛を込めて」に続いて披露されたのは、2017年6月リリースの1stフルアルバム「kike」に収録されている「トーキョーナイトダイブ」。横山の伸びやかな歌声とエモーショナルなメロディが混ざり合い、場内をノスタルジーな雰囲気に染めた。

細川千弘(Dr)(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

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KOTORI(Photo by MASANORI FUJIKAWA)

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「ここからは座らせません!」と横山が息巻いてから、KOTORIはビート感の強いナンバーやアッパーな楽曲を畳みかける。“戦う人”へ贈る応援歌「EVERGREEN」では盤石のバンドアンサンブルに乗せて、横山が力強い歌声で歌詞に込めたメッセージをファンに届けた。続く「素晴らしい世界」では4人の熱気あふれるパフォーマンスに応えるように、観客が勢いよく拳を突き上げる。そんな様子を見た横山は「もうちょっとがんばれば一緒に歌えそうなんで、もうちょっとがんばりましょう!」と鼓舞。そしてスタンドマイクの向きを180°回転させ、これまで背を向けていたファンに向かって絶唱した。その後彼は「これからも誰かのためになれるような、誰かがその曲を聴いて前に進めるような音楽をずっとやっていこうと思います」と決意を表明。4人は本編最後に「光」を丁寧に演奏してステージをあとにした。

アンコールでは横山がファンに感謝を述べてから「みんなが自慢できるようになりますんで、引き続きよろしくお願いいたします!」と挨拶。そして会場全体が黄色のライトに包まれる中、KOTORIはラストナンバー「YELLOW」を熱演して両国国技館公演を終えた。

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KOTORI「PLAY FOR THE FUTURE TOUR」2021年11月3日 両国国技館 セットリスト

01. We Are The Future
02. Blue
03. unity
04. 1995
05. sleepless
06. Anywhere
07. ソングバード
08. 風に吹かれて
09. sora
10. 雨のあと
11. ふたり
12. ラブソング
13. 東京より愛を込めて
14. トーキョーナイトダイブ
15. オリオン
16. 春一番
17. SPARK
18. REVIVAL
19. I'll Never Walk Alone
20. RED
21. EVERGREEN
22. 素晴らしい世界
23. 羽
24. 光
<アンコール>
25. YELLOW

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