杏沙子がcinnamons迎えた自主企画第1弾で1年10カ月ぶりライブ、次のお相手は関取花

杏沙子が企画するツーマンライブ「mix juice ～1st order～」が、9月23日に東京・WWWXで開催された。

シリーズ企画の第1弾として行われたこのライブには、cinnamonsがゲスト参加。オープニングにはマイクを持った杏沙子とアコースティックギターを抱えたひぐちけい（G）が2人で登場し、ステージの床に座ったリラックスした状態で演奏を始めた。ひぐちの演奏に乗せて杏沙子がひと節歌ったのは「天気雨の中の私たち」。この曲は2019年11、12月に行われた杏沙子のワンマンライブ「あさこまとめ2019～まとめません～」のラストに歌われた楽曲で、杏沙子は「今のこの歌をみんなの前で歌ってから約1年と10カ月が経ちました。長かった……会いたかった……」としみじみ語った。杏沙子は初の試みとなるツーマンライブへの意気込みを観客に伝え、記念すべき第1回のゲストを紹介。「cinnamonsの皆さんの世界を楽しんでください！」とcinnamonsを呼び込んだ。

山本和明（B / evening cinema）をサポートに迎えたcinnamonsのパフォーマンスは「Summer radio」で軽やかにスタートした。鈴木まりこ（Vo）は「みっくちゅじゅーちゅ」とタイトルを噛みつつ「“mix juice”だけに、cinnamonsのファン、杏沙子さんのファンの方と一緒に素敵な時間を作っていけたらと思います」と挨拶。続けて「冬のトキメキ」を披露し、青山慎司（G）とのツインボーカルで場内をさわやかなムードで満たす。杏沙子がライブ前日の9月22日に配信リリースした新曲「負けたんだ」に刺激を受けたというcinnamonsは「dawn」「夏の終わりに」「summertime」といった既発曲に加え、この日に合わせて作ったできたての新曲（タイトル未定）も披露。さらに杏沙子を呼び込み、YUIのカバー「HELLO」でコラボレートした。ちなみにcinnamonsのバンド名はYUIの楽曲「Cinnamon」が由来。杏沙子は自らステージ上でのコラボをcinnamonsにリクエストし、cinnamonsは自身のルーツでもあるYUIの楽曲から「HELLO」を選曲したという。杏沙子と鈴木による「HELLO」のデュエットは大いに盛り上がり、cinnamonsは最後に「noon」を歌い、杏沙子にバトンをつないだ。

幕間には「mix juice radio」と題したこの場限りのラジオ番組が流れ、パーソナリティの杏沙子はゲストのcinnamonsからの質問に回答。ライブパフォーマンスだけではないコラボで観客を楽しませた。ラジオを経て再登場した杏沙子は、1曲目「女の子にしてよ」をアカペラで歌い始める。やがてeji（Key, Cho）、なかむらしょーこ（B）、ひぐちけい（G）、山本まき（Dr）によるバンドサウンドが重なり、温かいサウンドがフロアを包んだ。続く「ファーストフライト」では観客も立ち上がってハンドクラップで大盛り上がり。杏沙子はフロアを見渡しながら「顔を見せてくれ。元気そうでよかった！ ありがとう来てくれて。会いたかった！」とファンとの再会をしみじみ喜んだ。「いろんな思いを抱えてここに来てくれていると思うけど、何より元気でいてくれて心からありがとう。今みんながここにいてくれていることが、私にとって何よりのプレゼントです。今日は音楽で1人ひとりに力いっぱいハグして帰りたいと思います」と感謝の思いを伝えた杏沙子は、ファズの効いたベースに乗せて「Look at Me!!」を歌い始め、再びフロアに火をつける。続く「ユニセックス」で一体感を高めたところで、杏沙子は「自分の中にある“本当”を探した2年」を過ごして生まれた新曲「負けたんだ」を初披露。さらに、今のモードに切り替わるきっかけになったという「見る目ないなぁ」をじっくりと歌い、ライブを締めくくった。

アンコールを求める拍手を受けてもう一度ステージに上がった杏沙子は「生き返りました。水を得た魚……って使うベストタイミングだと思う」とライブができた喜びを語り、「本当に……やっと息ができました」と思わず涙ぐむ。そして最後にもう1曲、「花火の魔法」を歌って初のツーマンライブを終えた。

またこの日のアンコールでは、ツーマンライブシリーズ第2弾「mix juice ～2nd order～」の情報が発表された。次回は11月27日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて、関取花をゲストに迎えて行われる。