藤井フミヤ、長期にわたった「ACTION」ツアー完走「また一緒に遊ぼうぜ」

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藤井フミヤが昨年10月から開催していたコンサートツアー「藤井フミヤ コンサートツアー 2020-2021 “ACTION”」が、7月10日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでファイナルを迎えた。

藤井フミヤ(写真提供:FFM)

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コロナ禍の中、「今だからこそ、心が盛り上がるコンサートを届けたい」という思いのもとで企画された今回のツアーだったが、緊急事態宣言の発令の影響や感染予防対策の観点から延期を余儀なくされる事態に。長期間におよんだロングツアーの最終公演は、会場のキャパシティを50%以下に抑え、マスク着用が義務付けられ、歓声は禁じられていたものの、終始熱気と興奮に満ちあふれた内容となった。

SEをかき消すようにバンドが奏でる爆音を浴びながら、定位置にスタンバイしたフミヤは「BET」でライブの口火を切る。大島賢治(Dr)と山田“Anthony”サトシ(B)が生み出すグルーヴ、藤井尚之(Sax, G, Cho)が奏でるバリトンサックスの艶やかな音色に乗せ、フミヤはキレのあるダンスを踊りながら「君と僕とでGameを始めようぜ」と「ACTION」の世界へと誘った。続いてフミヤは「TOKYO CONNECTION」をサックスを軸としたダイナミックなアンサンブルとともにプレイし、当時を彷彿とさせる享楽的な匂いをステージから放ち、華麗にマイクスタンドを回しながら「UPSIDE DOWN」をパフォーマンス。ダンサブルなナンバーを連投して、たちまち広いホールを自分のペースに巻き込んでいった。

藤井フミヤ「藤井フミヤ コンサートツアー 2020-2021 “ACTION”」パシフィコ横浜 国立大ホール公演の様子。(写真提供:FFM)

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「ずっと君に会いたかったけれど、コロナのやつが邪魔をしてなかなか会うことができなかった。でも僕は君と会っていないと自分が消えてしまいそうで……だから今日は君に会いに来た」。そんな言葉からフミヤは着ていたジャケットを脱ぎ、それを高く揺らしたり、肩にかけたり、抱きしめたり、まるで誰かと踊るようにしながら「Style」を披露する。さらに混沌とした今の時代を反映するかのような「この空の真下で」を奏で、場内をシリアスな空気で染め上げた。

ライブの中盤では、チェッカーズ時代のナンバーの数々がオーディエンスを魅了。フミヤがエレキギターをつま弾きながら切々と歌った哀歌「Rolling my stone」にはじまり、歌詞の退廃的な世界をパントマイムで表現した「100Vのペンギン」と、懐かしい楽曲がアップデートして届けられる。フミヤは「やっとお会いできました」とファンとの再会を噛み締めつつ、「ここから先はタイムマシーンに乗っていただこうかと思います。ときは1980年代……その頃にはどんなあなたがいるんでしょうか……」と、売野雅勇作詞、芹澤廣明作曲による大ヒット曲「星屑のステージ」「ジュリアに傷心」を続けて熱唱。きらびやかでノスタルジックな照明の演出もあいまって、ホール内は在りし日のダンスフロアのムードを醸し出していく。また貫禄をたたえたサウンドが印象的な「WANDERER」、尚之の奏でるサックスが切なく響いた「I Love you, SAYONARA」などチェッカーズの中期の楽曲もプレイされ、観客は色とりどりの光を放つグッズ「HOTAFURU」やサイリウムを揺らしながら思い思いの形でライブを楽しんでいた。

「タイムマシーンの乗り心地はいかがでしたでしょうか? またのご乗車をお待ちしております」と車掌のように挨拶したフミヤは、この日のバンドメンバーを紹介し、「自分で言うのもなんだけど、かんばった」とツアーを振り返ってしみじみ。トークの穏やかな空気をつないでいくように「ティーンネイジ・ドリーマー」を皮切りに、「Another Orion」「TRUE LOVE」と自身の代表曲をみずみずしい歌声でしっとりと歌い上げた。

藤井フミヤ(写真提供:FFM)

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ライブの定番曲「ALIVE」を歌い終えたフミヤは「本当に1本目はどうしたらいいのかわからなくて」と歓声なしのツアー開催に戸惑いを覚えていたと述べ、「皆さんがルールを守ってくれるから最後までコンサートができました」とファンに感謝の思いを伝える。そして「来年くらいのライブは大騒ぎしましょうね」とファンと約束を交わすと、「体が思わず動いてしまうのがロックンロール」という説明から観客を踊らせる「WE ARE ミーハー」へ。沢頭たかし(G)の華やかなギターソロが炸裂した「GIRIGIRIナイト」、SUNNY(Key)の奏でるキーボードによってアーバンな雰囲気が増した「NANA」が届けられたのち、本編の最後を飾ったのはチェッカーズのデビュー曲「ギザギザハートの子守唄」。切れ味の鋭いアンサンブルに合わせて、エネルギッシュな歌声がホールに広がり、場内の熱狂はピークに達した。

藤井フミヤ「藤井フミヤ コンサートツアー 2020-2021 “ACTION”」パシフィコ横浜 国立大ホール公演の様子。(写真提供:FFM)

藤井フミヤ「藤井フミヤ コンサートツアー 2020-2021 “ACTION”」パシフィコ横浜 国立大ホール公演の様子。(写真提供:FFM)[拡大]

「今のところうまくいっていると思います」とアンコールの冒頭でライブの手応えを明かしたフミヤ。「私、随分長く歌わせていただいています。でも、やってることはチェッカーズ時代から変わってない。その変わらないものを観に来てくださる皆さんも変わらないということで。世の中いろんなものが変わっていきますが、変わらないものもある。変わらない心、変わらない好きなものは変わらないでいこう」と決意表明のように口にすると、電話のダイヤルを回す仕草をしてから「涙のリクエスト」を歌い出した。サビでは観客が指先で宙に美しい弧を描き、フミヤやバンドメンバーの演奏を盛り上げていく。往年のヒット曲によって場内が再びタイムマシーンと化したかと思えば、その直後にはスマホ時代におけるラブソング「言葉しかない Love song」が観客を現代に引き戻し、甘い気持ちにさせた。

「ACTION」ツアーのクライマックスを彩ったのは、フミヤのソロ1stアルバムの表題曲である「エンジェル」。天使の梯子を想起させる照明演出の中、雄大なサウンドスケープが描かれる。終盤でステージがまばゆい光に包まれると、フミヤは美しく伸びやかなロングトーンを響かせ、長いツアーに終わりを告げた。全22曲を披露し終えたあと、彼は改めて全国のファンの協力でツアーを完走できたと吐露。「また一緒に遊ぼうぜ」というおなじみの挨拶とともに一丁締めをして、名残惜しそうにステージをあとにした。

なおフミヤは、8月9日に大阪・大阪城ホール、21日に神奈川・横浜アリーナにて「FUMIYA FUJII ARENA CONCERT 2021 "One more ACTION"」と銘打ったアリーナ公演を開催することを発表。両公演とも、新型コロナウイルス感染症拡大の予防対策から会場のキャパシティを半分に以下に抑えて行われる。

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藤井フミヤ「藤井フミヤ コンサートツアー 2020-2021 “ACTION”」2021年7月10日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト

01. BET
02. TOKYO CONNECTION
03. UPSIDE DOWN
04. Style
05. この空の真下で
06. Rolling my stone
07. 100Vのペンギン
08. 星屑のステージ
09. ジュリアに傷心
10. WANDERER
11. I Love you, SAYONARA
12. ティーンネイジ・ドリーマー
13. Another Orion
14. TRUE LOVE
15. ALIVE
16. WE ARE ミーハー
17. GIRIGIRIナイト
18. NANA
19. ギザギザハートの子守唄
<アンコール>
20. 涙のリクエスト
21. 言葉しかない Love song
22. エンジェル

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