YOASOBI初ライブは新宿ミラノ座跡地から「明日も明後日も音楽があり続けますように」

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YOASOBIが昨日2月14日に初のワンマンライブ「KEEP OUT THEATER」をオンラインで開催した。

YOASOBI 1st LIVE「KEEP OUT THEATER」の様子。(Photo by Kato Shumpei)

YOASOBI 1st LIVE「KEEP OUT THEATER」の様子。(Photo by Kato Shumpei)

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2019年11月に発表した楽曲「夜に駆ける」がBillboard Japan総合ソングチャート「HOT100」にて2020年の年間1位を獲得し、2020年の年末には同曲にて「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たしたYOASOBI。2人にとって初ライブとなった今回の「KEEP OUT THEATER」は、その名の通り“今は入ることができない劇場”であり、現在新施設を建設中の新宿ミラノ座の跡地から生配信された。

ikura(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)

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開演を告げるアナウンスのあと、YOASOBIと「NHK紅白歌合戦」でもステージをともにした禊萩ざくろ(Key, Cho)、AssH(G)、仄雲(Dr)、やまもとひかる(B)の後ろ姿が画面に映し出される。6人は巨大なエレベーターに乗り込み、上層階にあるバンドセットのもとへと移動。ikuraとAyaseはこちらには聞こえてこないくらいの声量で言葉を交わして笑い合い拳を突き合わせると、それぞれのポジションへと歩みを進めた。

Ayase(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)

Ayase(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)[拡大]

YOASOBIのキービジュアルを思わせるロゴのライトの前にやってきたikuraは大きく息を吸ってアカペラで「あの夢をなぞって」をワンコーラス歌う。それに続いてバンドの演奏が始まると、後方の壁にはカラフルな花火が咲き乱れた。Ayaseが弾く軽やかなイントロからライブは2曲目の「ハルジオン」へ。ダンサブルなビートに乗せてikuraはエモーショナルな歌声を響かせた。

ikura(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)

ikura(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)[拡大]

2人は半年かけて準備してきたという「KEEP OUT THEATER」がついに当日を迎えた感慨を語り合ったあと、今回のライブの舞台が新宿ミラノ座の跡地であることを明かす。また真っ白なMA-1を自らスプレーで着色し、この日のためにオリジナルの衣装を制作したことなど、細かなこだわりについても語った。Ayaseは「同じ時間を過ごせてうれしいね」と画面を通じてではあるものの、リアルタイムで音楽を届けられる喜びを口にし、ikuraは「皆さんはおうちでぬくぬくと観ていると思うんですけど、こちらから負けじとアツアツな音楽を届けていけたら」とファンにメッセージを送る。2人の空気感が伝わるリラックスしたトークのあと、YOASOBIは「たぶん」を披露。ikuraは恋人たちの別れの朝を描いた歌詞をシンプルな展開の楽曲に乗せて丁寧に歌い上げた。

ikuraのハイトーンボイスが突き抜ける「ハルカ」ではカメラがバンドセットの中を旋回。各メンバーを順番に映し出していく配信ライブならではのカメラワークでパフォーマンスを魅せた。その後、ikuraは「ハルカ」の原作小説「月王子」がとある少女の成長を見守るマグカップの目線で描かれた物語であることから、視聴者とマグカップで乾杯することを提案。YOASOBIとバンドメンバーがカップの中身を視聴者に伝え、最後にマグカップを手にしたikuraは「私はなんだろ?」とカップに口を付ける。Ayaseが「飲むんや。乾杯前に」と笑うと、ikuraは「お茶でした……今のはノーカウントで!」と言い、バンドメンバーからは笑いがこぼれた。

YOASOBI 1st LIVE「KEEP OUT THEATER」の様子。(Photo by Kato Shumpei)

YOASOBI 1st LIVE「KEEP OUT THEATER」の様子。(Photo by Kato Shumpei)[拡大]

そんなほっこりする乾杯のやり取りのあと、YOASOBIは怪しげなスモークと極彩色の照明の演出の中でテレビアニメ「BEASTARS」の主題歌「怪物」を披露。疾走感のある楽曲を乗りこなすように、ikuraはパワフルでエモーショナルな歌声を響かせ、Ayaseも頭を振りながら一心不乱に鍵盤を叩き続ける。配信ではバンドの演奏の様子だけではなく、激しく光り輝くビルの一角を遠くから捉えた映像も届けられた。

ikuraが「怯えるような日々の中で画面を通してつながり合うことができて本当に幸せです。明日も明後日も音楽があり続けますように」と祈るように語り、ライブは「アンコール」のパフォーマンスへ。Ayaseによるドラマチックなサウンドと繊細な歌詞をikuraは持ち前の歌唱力で巧みに表現してみせた。

Ayase(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)

Ayase(YOASOBI)(Photo by Kato Shumpei)[拡大]

終盤のMCでikuraは「YOASOBIの活動が始まってから振り落とされないようにしがみついてきて怖さがずっとあった。でも今日を迎えて1人じゃないんだとすごく思って。Ayaseさんやバンドメンバー、支えてくれるたくさんのスタッフさん、そして画面の向こうでこのライブを観たいと思ってくれた多くの皆さんのおかげです。ネットで1曲を配信したときは、こんなに多くの方に観てもらえる日が来るとは思っていなかった。今は怖さよりもワクワクしています。この場に立てていることもこうやって音楽を続けられることも幸せだなと、ライブをしながら噛み締めています」と思いを語る。Ayaseも「こたつに入ってPCで作った曲から始まったことがこれだけ大きなことになって、まだ実感があるかと言われるとそうではないけれど、本当に僕は幸せ者で、周りに恵まれているなと日々感じています。僕らにできる精一杯の音楽を画面の向こうのあなたに届けられたらいいなと思います」と感慨深げに話した。

そんなMCに続いてYOASOBIは、カラフルな照明の中で代表曲「夜に駆ける」を披露。ラストナンバー「群青」ではAyaseとバンドメンバーがコーラスで盛り上げ、ikuraは各メンバーのもとを回りながら熱唱した。8曲のパフォーマンスを終えたYOASOBIの2人は柱にサインを書き、フレームアウト。その後、カメラは地面や階段、柱などに書かれたスタッフクレジットを映し出し、ライブの終わりを告げた。

YOASOBI 1st LIVE「KEEP OUT THEATER」2021年2月14日 セットリスト

01. あの夢をなぞって
02. ハルジオン
03. たぶん
04. ハルカ
05. 怪物
06. アンコール
07. 夜に駆ける
08. 群青

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