“イトケン節”が怒涛の勢いで炸裂、「サガ」人気曲を圧倒的な演奏で届けた伊藤賢治30周年記念ライブ

伊藤賢治によるオンラインライブ「KENJI ITO The 30th Anniversary Concert ～supported by SQUARE ENIX～」が、1月30日に開催された。

これは「サガ」シリーズや「聖剣伝説～ファイナルファンタジー外伝～」などのゲーム音楽を手がけ、“イトケン”の愛称で親しまれる伊藤の作曲活動30周年を記念して行われたもの。このライブで伊藤はスキルフルなバンドメンバーとゲストを迎えて「サガ」シリーズの人気曲の数々を約3時間にわたって演奏し、ゲームファンの心を震わせる“イトケン節”を炸裂させた。

配信時刻を迎えるとキーボードに置かれた伊藤の手が映し出され、ソロパフォーマンスがスタート。演奏されたのは「Sa・Ga2 秘宝伝説」の楽曲「安らぎの大地」で、この曲は1990年にスクウェア（現スクウェア・エニックス）に入社した伊藤が初めて作曲したデビュー曲だ。静かに幕を開けた30周年記念ライブだが、ドラムカウントを合図に「Sa・Ga2」のバトル曲が始まるとムードは一転。伊藤とバンドメンバーの寺前甲（G）、宮崎大介（G）、上倉紀行（G, Key）、榎本敦（B）、岡島俊治（Dr）、和田貴史（Manipulator）は競い合うように激しい演奏を繰り広げ、視聴者のテンションを一気に引き上げた。短い挨拶を経て、伊藤は「ロマンシング サ・ガ」シリーズの通常戦闘曲「バトル1」をメドレー形式で演奏。ここから土屋玲子とMIZが奏でるバイオリンの美しい音色も加わり、サウンドはより重厚なものとなった。

パフォーマンスの合間にはトークコーナーもあり、「いざゆけ！怪傑ロビン」演奏後には「インペリアル サガ」でロビンを演じた声優の杉田智和とKENNが登場し、伊藤を相手に「サガ」シリーズへの思いを熱弁。続く伊藤と上倉のトーク中には、ピアニストの清塚信也から伊藤へのコメント映像が上映された。トーク後に登場したのは、ソプラノ歌手の野々村彩乃。彼女は「サガ スカーレット グレイス」の主題歌「胸に刻んで」と「サガ スカーレット グレイス 緋色の野望」の主題歌「砕かれし星」で力強い歌声を伸びやかに響かせた。その後もステージにはゲストが続々登場。「ポドールイ」「ALONE」の2曲にはスクウェア出身の作曲家・弘田佳孝がチェロの演奏で参加し、「冥魔・堕されしものども」「怒闘」ではゲーム音楽作曲家・成田勤がギターを演奏した。「怒闘」は「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる植松伸夫が作曲した「魔界塔士Sa・Ga」のラストバトル曲だが、今回のライブでは伊藤が手がけたアレンジバージョンが披露された。

そしてライブ後半、伊藤は「四魔貴族バトルメドレー」を皮切りにゲームのボス戦の楽曲を怒涛の勢いで連発。「ロマサガ2」「ロマサガ3」の「ラストバトル」から「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」のラスボス戦楽曲「決戦！サルーイン-Final Battle with Saruin-」につなげると、その勢いを弱めることなく一拍置いてすぐに「七英雄バトル」でアンコールになだれ込む。さらに「邪聖の旋律」で演奏のボルテージを引き上げた伊藤とバンドメンバーは、ボーカリストの岸川恭子を迎えると「Battle#4」「熱情の律動」で熱狂的なクライマックスを作り出した。バンドメンバーとゲストの退場後、これまでの活動を振り返りつつ、今後の展望について語った伊藤は、ピアノソロで「ロマサガ」の「オープニングタイトル」を演奏。穏やかに30周年ライブに幕を下ろした。

なお本公演のチケットは本日2月2日18:00まで販売されており、購入者は本日23:59までアーカイブを視聴できる。

※記事初出時、キャプションに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。