大友良英トリオがフリージャズの偉人2名を現代解釈で蘇生

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アルバート・アイラー没後40周年企画として、ONJT+(大友良英・ニュー・ジャズ・トリオ・プラス)がオーネット・コールマンをカバーした「Lonely Woman」と、アルバート・アイラーをカバーした「Bells」という2枚のアルバムを本日11月25日に同時リリースした。

大友良英とは?

1959年、神奈川県生まれ福島県育ちの音楽家。主な演奏楽器はギターとターンテーブル。1990年にGROUND-ZEROを結成後、国内外で作品のリリースやライブを行う。GROUND ZERO解散後はフリージャズやノイズミュージックのフィールドで活動を続ける傍ら、DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENなどさまざまな音楽プロジェクトへ参加する。劇伴制作にも定評があり、「アイデン&ティティ」(2003年)、「色即ぜねれいしょん」(2009年)といった映画、「クライマーズ・ハイ」(2005年)や「その街のこども」(2010年)、「とんび」(2012年)といったヒットドラマで手腕を振るう。さらに現代美術やメディアアートの分野でも評価が高く、音響機器を利用した展示作品「without records」「ensembles」などの展示を国内外で開催している。2011年には東日本大震災を受けて、自身が10代を過ごした福島県で「プロジェクト FUKUSHIMA!」を展開。野外音楽イベント「フェスティバル FUKUSHIMA!」の開催をはじめとした一連の活動が評価され、2012年度の「芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門」を受賞し話題を集めた。2013年には、連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽を担当。ドラマのヒットと共にその劇伴にも注目が集まり、サントラや劇中歌などが次々とCD化された。また「あまちゃん」のオープニングテーマと劇中歌である「潮騒のメモリー」の2曲で「第55回 輝く!日本レコード大賞」の作曲賞をSachiko Mとともに受賞。「第64回NHK紅白歌合戦」にも出演した。2014年にはアジア各地の音楽家の交流プロジェクト「ENSEMBLES ASIA」を国際交流基金と共に立ち上げる。2017年に、札幌国際芸術祭の芸術監督に就任。2019年にはNHK大河ドラマ「いだてん」の音楽を担当し、福島を代表する夏祭り「福島わらじまつり」改革のディレクターも務めている。

アルバム「Lonely Woman」のジャケット。カバーアートは五木田智央によるもの。

アルバム「Lonely Woman」のジャケット。カバーアートは五木田智央によるもの。

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これまでONJE(アンサンブル)、ONJQ(クンテット)、ONJO(オーケストラ)と続いてきた大友良英のニュージャズプロジェクト。2008年夏よりONJTとして大友(G)、水谷浩章(B)、芳垣安洋(Dr)というトリオ編成で演奏するようになり、今回のアルバムでは「+」としてSachiko Mとジム・オルークが一部加わっている。

オーネット・コールマンの「Lonely Woman」は1959年に発表された「ジャズ来るべきもの」の冒頭を飾る楽曲。非常に印象的なメロディで多くのジャズメンに愛され、大友も好んで演奏し続けている。ONJT+のアルバム「Lonely Woman」では、クインテット、トリオ、ギターソロの3種類のフォーマットで演奏された、それぞれ表情の異なるこの曲を6種類収録。五所純子と大友によるライナーノーツも読むことができる。

1964年にESPから発表されたアルバート・アイラーの「Bells」は、1曲がアナログの片面のみに収録された特殊な作品。ONJT+の「Bells」にはクインテットとトリオによる音源が収録される。ONJT+のマッチョな部分が強調されたノイジーな演奏と牧歌的なフレーズのコントラストが味わい深い逸品。こちらのライナーノーツは吉田アミと大友が担当している。

本日11月25日は、1970年にアルバート・アイラーの変死体がニューヨークのイーストリバーで発見された日。今回の企画はフリージャズの誕生と死を象徴する2人の偉大なアーティストを、ONJT+が現代の解釈とサウンドで蘇生させる試みと言える。

「Lonely Woman」収録曲

01. Lonely Woman(quintet / 14:16)
02. Lonely Woman(guitar solo / 4:22)
03. Lonely Woman(trio / 10:26)
04. Lonely Woman(trio / 4:19)
05. Lonely Woman(guitar solo / 3:41)
06. Lonely Woman(quintet / 11:05)

「Bells」収録曲

01. Bells(quintet / 17:41)
02. Bells(trio / 14:16)

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