「ただいま」MUCC、lynch.葉月も駆け付けた武道館ライブで夢烏と再会

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MUCCが12月27日に東京・日本武道館にて単独公演「惡 -The brightness world」を開催した。

「惡 -The brightness world」の様子。(撮影:Susie)

「惡 -The brightness world」の様子。(撮影:Susie)

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SATOち(Dr)の脱退発表後初めての有観客ライブとなったこの日。会場では検温や換気、マスクの着用など新型コロナウイルス感染拡大防止対策が取られ、現地に足を運ぶことが叶わなかった国内外の夢烏(MUCCファンの呼称)のためにライブの模様はニコニコ生放送、Streaming+、LiveFrom EVENTSという3つのプラットフォームおよびWOWOWで生中継された。

観客に全方位を囲まれる形のステージに足を踏み入れたMUCCとサポートの吉田トオル(Key)は、最新アルバム「惡」のオープニングナンバー「惡 -JUSTICE-」でライブの幕を開けた。SATOちの刻む硬質なビートに乗せて、逹瑯(Vo)は朗々としたボーカルを響かせ、ミヤ(G)とYUKKE(B)もそれぞれの楽器を奏でながら咆哮にも似たシャウトを繰り返す。4人はおよそ10カ月ぶりの有観客ライブとは思えない伸びやかなパフォーマンスを披露し、「ENDER ENDER」「G.G.」といったライブの定番曲を挟みながら、「惡」の収録曲を次から次へと叩き込んでいった。また逹瑯は興奮のあまり「ヤバいヤバい! 楽しいな。落ち着け、俺。楽しみすぎて粗くなってるぞ」と口にしながら、縦横無尽にステージを駆け回り、その声を武道館中に轟かせる。それに応えるようにオーディエンスは大きく飛び跳ねたり、咲いたりしながら会場に熱狂の渦を作り出した。

SATOち(Dr)(撮影:渡邊玲奈 [田中聖太郎写真事務所])

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逹瑯とミヤが切ないハーモニーを響かせたジャジーな「海月」、重厚で攻撃的なサウンドスケープを描き出す「アイリス」といったダークサイドの楽曲を立て続けにプレイしたのち、逹瑯は「本番前、緊張してたんですが暗転した瞬間に、『おおっ』という声が聞こえて一気に楽しくなりました。日々いろんなことがありますが、今日はひさしぶりのライブじゃん? どんな感じになるのかビビりが9割、楽しみ、ドキドキが1割だったんですが、今は逆転してるかな。やっぱライブっていいね」とうれしそうな表情を浮かべた。しかし、穏やかなMCとは相反するように、5人は激しくスリリングなパフォーマンスで観客と視聴者を圧倒。本編の折り返しで披露された「積想」ではミヤが弾くピアノとYUKKEのアップライトベース、後藤泰観(Violin)のバイオリンの音色で豊潤なアンサンブルが紡がれる。その中で逹瑯はランタンを手に胸に迫るような声を張り上げ、哀しくも優しい空気で武道館を満たした。

歌詞の世界を表現するように淡雪が天井から舞った「COBALT」、後藤と琴羽しらす(Violin)を迎えて演奏された「アルファ」を届けたのち、逹瑯は「これまで『この世は地獄だぜ。死ぬぜ』みたいな曲を歌ってきたんですが、いざこういう世の中になって、こういうところで『地獄だぜ』みたいな曲をやってても笑顔になっちまうぜ」と笑う。「ずっと我々は配信でライブやってたんですよ。ノーレスポンスのライブに慣れているもんですから、君たちの顔が見れて、(手持ちの楽器が)シャカシャカ鳴ってるだけでそれはそれは……ライブに来てるんだなって実感します」と楽しげに語り、SATOちが叩くドラムの合いの手を受けながら、ミヤやYUKKEと和やかにトーク。そして自身の亡き父親を思って作った「スーパーヒーロー」を言葉に思いを重ねながら歌い上げた。

逹瑯(Vo / MUCC)と葉月(Vo / lynch.)(撮影:Susie)

逹瑯(Vo / MUCC)と葉月(Vo / lynch.)(撮影:Susie)[拡大]

「DEAD or ALIVE」を挟み、逹瑯の「2月の武道館の練習をさせてやろうと名古屋から呼びました!」という紹介で登場したのは葉月(lynch.)だ。そこからSATOちの四つ打ちのビートが炸裂するダンサブルな「目眩 feat. 葉月」へ。逹瑯と葉月はじゃれあったかと思えば、次の瞬間にはシャウト合戦を繰り広げ、ひさしぶりの大舞台にふさわしいコラボレーションを繰り広げた。「ニルヴァーナ」を皮切りに「カウントダウン」「TONIGHT」とボルテージの高い楽曲を経て、本編のクライマックスを飾ったのは「スピカ」。吉田、後藤、琴羽に加え、ストリングス隊を交えた編成で、MUCCの4人は「君のいる場所はずっと変わらないよ」と歌うミディアムバラードを丁寧に届ける。ミヤの弾いた旋律の余韻が残る中、最後に逹瑯は笑みを浮かべ「ただいま」と口にした。

「惡 -The brightness world」の様子。(撮影:田中聖太郎 [田中聖太郎写真事務所)])

「惡 -The brightness world」の様子。(撮影:田中聖太郎 [田中聖太郎写真事務所)])[拡大]

アンコールのMCではメンバーと吉田トオルが口々にひさしぶりに夢烏と再会できた感慨を明かし、SATOちは「背中を見られていると恥ずかしい」「でも背中でみんなのことを感じる。真正面の人は顔で感じる」と彼らしい天然の発言で会場を和ませる。逹瑯は「ここにいる全員の無事を祈りながら、自分たちの居場所を確認できて今日は感動しました」と夢烏に呼びかけ「My WORLD」でパフォーマンスを再開。「名も無き夢」ではミヤが「笑顔でSATOちを成仏させてやろうぜ!」と煽って観客を高くジャンプさせ、ライブの鉄板曲「蘭鋳」では葉月も加わり、熱狂と興奮が渦巻くカオスな空間が作り出された。アグレッシブな楽曲が続いたアンコールからは一転して、ダブルアンコールでは「家路」「優しい歌」「ハイデ」と優しいメッセージを込めたノスタルジックなナンバーが続き温かなムードが武道館に広がっていく。「優しい歌」では観客がスマートフォンの光を灯し、ミヤ、YUKKE、SATOちは瞳を潤ませながら場内を見渡し、逹瑯は「この小さな小さな一歩が、始めの一歩になったらいいんじゃないかな?」と口にした。3時間におよぶライブのフィナーレを彩ったのは、メンバー全員で作詞したという新曲「明星」。SATOちの脱退という大きな節目を前にした思いが込められたナンバーではあるが、サウンドにも歌詞にも希望がにじみ、夢烏はメンバーが全身全霊で届けた1曲に喝采を送った。

なお、ライブのアーカイブ映像は1月3日いっぱいまで視聴可能。ミヤが徹底的にこだわったという音質や、配信ならではのカメラワークでMUCCのパフォーマンスを楽しむことができる。

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MUCC「惡 -The brightness world」2020年12月27日 日本武道館 セットリスト

01. 惡 -JUSTICE-
02. CRACK
03. 神風 Over Drive
04. ENDER ENDER
05. G.G.
06. 海月
07. アイリス
08. サイコ
09. Friday the 13th
10. SANDMAN
11. 積想
12. COBALT
13. アルファ
14. スーパーヒーロー
15. DEAD or ALIVE
16. 目眩 feat. 葉月
17. ニルヴァーナ
18. カウントダウン
19. TONIGHT
20. スピカ
<アンコール>
21. My WORLD
22. 名も無き夢
23. 蘭鋳 feat. 葉月
<ダブルアンコール>
24. 家路
25. 優しい歌
26. ハイデ
27. 明星

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明智カィネ @AkechiKyne

https://t.co/6I7CGG9Wdi
逹瑯ーーー!!

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