ちゃんみな、ネバーランドで愛に包まれた満月の夜「自分自身をよく知ってください」

ちゃんみなが12月12日に東京・昭和女子大学人見記念講堂でホールツアー「THE PRINCESS PROJECT 4」の追加公演を行った。

「THE PRINCESS PROJECT 4」は、ちゃんみなが8月に発売した2ndアルバム「Never Grow Up」のリリースツアーとして開催したもの。11月14日の大阪・NHK大阪ホール公演と11月22日の東京・LINE CUBE SHIBUYA（渋谷公会堂）公演のチケットがいずれもソールドアウトになったことを受けて追加公演が行われた。毎回明確なコンセプトを定めてワンマンライブを行っているちゃんみなは、今回「Never Grow Up（大人にならない）」というアルバムのタイトルにちなんだ演出でアルバム収録曲やライブ定番曲を織り交ぜて披露し、会場に“ちゃんみな流ネバーランド”を作り上げた。

ステージには2階建てのセットが組まれ、中央には荘厳な大時計が鎮座。この時計が動きを止め、激しい落雷の音が会場に響きわたると、立ち込めるスモークの中からちゃんみなが姿を見せる。バンドの演奏に乗せて「君が勝った」を切なげに歌った彼女は、続けて「GREEN LIGHT」を披露し、迫力ある歌声とラップで観客を熱狂させていく。「CAFE」ではレオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」のように、食卓の前にダンサーと横並びに座ってパフォーマンスを展開。ブラックライトを施した演出に会場からは歓声が上がった。シンガロングを巻き起こした「CHOCOLATE」に続いては、プロジェクションマッピングによりステージセット全体に波が打ち寄せる浜辺や夜の街並みなどさまざまな情景が映し出される中、アルバムのリード曲となった切ないラブソング「Call」が披露された。

人気曲「Doctor」でフロアを沸かせたちゃんみなは「ようこそいらっしゃいました。皆さん本日は楽しんで帰ってくださいね」と挨拶し、初のホールツアーがソールドアウトとなったことを喜んだ。ちゃんみなは「みんなと一緒に歌うのが大好きなんです。知ってる曲があったら一緒に歌ってくれますか」と呼びかけると「GIRLS」でライブを再開。「Never」では男性ダンサーとのペアダンスを華麗に舞い踊って大きな歓声を集めた。スクリーンに表示された時計が燃え上がり、ステージが赤く染まる中、ちゃんみなは「MY NAME」「Princess」を激情的にパフォーマンス。「私の曲って傷ついたり、心が痛いと思ったりしたときに生まれた曲ばっかりで“残骸”なんです。私にとっての“残骸”を皆さんがこんなにもいいって言ってくれて、こんな人数が集まってくれて、それがアートになっている気がして。この環境に感謝しています」と思いを語ると「PAIN IS BESUTY」をファンと共に歌った。

ライブ後半、ちゃんみなは観客を着席させると、レコーディングで訪れたアメリカで出会ったというギターを手にする。彼女が“ジュリー”と呼ぶそのギターは店内で長らく展示されていたもので、店員には新品を勧められたが、いくら色褪せていようが古かろうが、ちゃんみなにとっての“完璧”はジュリーだったのだという。ジュリーを撫でるように弾きながら新曲「ボイスメモ No. 5」を歌ったちゃんみなは、数カ月前の病んでいた時期にたくさんの曲ができたことを話すと、2月19日に新作を2作同時リリースすることを発表。作品を作る中で「みんなが思っている私と、私が深く知っている私がだいぶ違うことに気が付いた」と語り、バラード調の新曲「In The Flames」を初披露した。その後「Like This」「I'm a Pop」「LADY」を連発したちゃんみながラストナンバーとして披露したのは、アルバムの表題曲である「Never Grow Up」。パフォーマンス前にちゃんみなは「今日は満月らしいです。しかも今年最後の満月らしいです」と話し、観客に「いつもとは違うほんとのほんとの さよならをしよう月が綺麗だね」と歌わせた。

本編終了後、熱狂的な観客の声に応えたちゃんみなは、ダンサーやバンドと共に再び登場。客席に降りると興奮したファンに囲まれながら「アーカイブに保存した曲」を歌った。ちゃんみなは自分を愛してくれるファンに感謝の思いを伝えつつ、前回のワンマンで「自分の夢に少しでも近付くこと」を観客に約束させたことを振り返り、「自分をもう1段階よく知ってください。もっと自分を愛してください」と新たな約束を伝える。そして「自分らしさって見つけるものじゃないんだよ。作るものなんだよ。だから自分が好きな形を作ってください。がんばろうね、みんな！」と笑顔で呼びかけると、最後はロックチューン「SAD SONG」を心底楽しげに歌ってホールツアーに幕を下ろした。