たこやきレインボー「なにわン」ライブ、羽のない天使が愛を届ける

たこやきレインボーが昨日12月15日、東京・中野サンプラザホールでワンマンライブ「なにわンダーランド2019～Joy to the World～」を開催した。

「なにわンダーランド」はハロウィンやサーカスなど毎回異なるテーマに沿って進行するたこ虹の恒例企画。約2年ぶりの開催となった今回は“天使と夢の国”をテーマに、「羽のない天使たちがありったけの愛を届ける」というコンセプトにもとづいたパフォーマンスがノンストップで展開された。

ステージには聖堂を思わせるステージセットが組まれ、その周囲には白銀のクリスマスツリーや燭台が並ぶ。ホール内に鐘の音が響き渡ると、ステンドグラス風のスクリーン映像をバックにシスターに扮したたこ虹の5人が登場。まずはこのライブのコンセプトにもなった“羽のない天使”の歌「天使のラブソングを」を歌い、ここから全16曲、ノンストップで“天使と夢の国”の物語を紡いでいく。清井咲希は「今年も1年間ほんまにおつかれさまでした。いろいろあったよね。大変やったよね」と会場の虹家族（たこやきレインボーファンの呼称）に優しく語りかけ、堀くるみは「ここではいろんなことを忘れて、一緒に体を揺らしたり、声を出したりして、笑顔になって帰ってほしい。今日はそのためにここに来ました」と伝える。「羽はないんやけど、私たち天使なんです！ 羽がないので歩いて来ちゃいました！」という根岸可蓮のひと言で笑いが起こり、春名真依が「また明日から前を向いてがんばれるように、たくさんのメッセージを歌に乗せて届けるので、皆さんしっかり受け取ってほしいです」と呼びかけると、彩木咲良は天を仰ぎながら「さあ、迷える仔羊たちよ。私たちに付いてこい！」と声を上げた。

前半の「にじースターダスト」から「ナンバイサンバイジャー」までの4曲はKiWiによる新たなアレンジに。「Whoop It Up!」のイントロで5人はメンバーカラーのコートを脱ぎ、クラシカルな衣装にチェンジする。「めっちゃDISCO」ではステージ頭上で2つのミラーボールが旋回し、中野サンプラザは巨大なディスコと化した。「Pa Pa Pa Party」ではメンバー5人がステージを降りて客席通路へ。「迷える人々のお悩み相談を」と1F席の女性に話しかけ、「どうしたら彼氏ができますか」という相談に「本屋で運命の出会いを作り出す」「結局は誰かとぶつかったらいい」など実用性に乏しいアドバイスを与えて「神の御加護がありますように」と祈りを捧げた。

ステージに戻ってのライブ後半は「ウエッサイ・ストーリー」「めっちゃFUNK」「たこ虹物語～オーバー・ザ・関ヶ原～」とアッパーな楽曲で盛り上がり、「ナナイロダンス」では虹家族もメンバーも肩を組んで一体に。再びシスター風の衣装をまとった5人は、KiWiによるリアレンジが施されたインディーズ1stシングル「オーバー・ザ・たこやきレインボー」で“羽のない天使”の物語の幕を下ろした。

通常のライブで使用されるオープニングナンバー「overture ～tacoture～」で物語の世界観をリセットしたたこ虹は、10月にリリースされた最新シングル「もっともっと話そうよ -Digital Native Genereaion-」でアンコールに突入。ここでようやくこの日初めてのMCを入れ、今年の「なにワン」のコンセプトやKiWiによるリアレンジについて話した。清井は「もっともっと話そうよ -Digital Native Genereaion-」のカップリングに収録されたこの日のオープニングナンバー「天使のラブソングを」の歌詞を目にしたときに今回のコンセプトが浮かんだと説明し、「『君にありったけの愛を届けるために あの虹を降りてきた 羽のない天使』と書いてあって『うちらのことやん！』と思ったし、そういう存在でありたいんです」とコメント。これに根岸が「私たちも最初は歌とかダンスとか、コミュニケーションも全然ダメやったやん？ 全然ダメなままアイドルになったやんか。それが“羽のない天使”と重なってキュンとしたんや」と付け加えると、ほかのメンバーも「いいこと言うなー」と頷いた。KiWiは昨年2月に発売された2ndアルバム「ダブルレインボー」で初めてたこ虹楽曲に参加し、「天使のラブソングを」の編曲も手がけている。春名は「かわいさがキュッと詰まったKiWiさんの曲で『なにワン』の世界観を作らせていただけたらと思っていたので、『天使のラブソングを』をアレンジしていただけたタイミングで叶えることができてほんまにうれしかったです」と喜びを語った。5人はKiWiによるアレンジに引っ張られるように、新たな振り付けを考案してライブに挑んだという。

さらに5人は「虹家族の皆さんに、たこ虹サンタからちょっと早めのクリスマスプレゼントです！」と、オリジナルのクリスマスソング「クリぼっちONE DAY!」「なにわもジングルベル」を2曲連続で披露した。「まだ足りない感じ？ もっとプレゼント欲しいですか？」と、年明け1月5日に大阪で春名のバースデーイベントが行われること、そして6月から10月にかけて全国14都市を回るたこ虹最大規模のライブツアー「たこやきレインボー 全国ツアー2020 TACONIJI HOUSE」が行われることを発表。大喜びの虹家族に向けて最後にもう1曲「RAINBOW～私は私やねんから～」を歌ってライブは終了となったが、終演のアナウンスが流れても虹家族のアンコールは鳴り止まず、5人は三たびステージへ。急遽この日2度目の「たこ虹物語 ～オーバー・ザ・関ヶ原～」を歌い、虹家族の声援に応えた。

関東での今年最後のワンマンライブを終えたたこ虹。年末には地元大阪にて「虹家族ザ・ベストテン」「たこやきレインボーpresents『西日本アイドルフェスティバル2019』」と2つのイベントが控えており、「西日本アイドルフェスティバル」にはたこ虹のほかSTU48、大阪☆春夏秋冬、大阪女子流（Rename from 東京女子流）、TEAM SHACHI、LinQ、AMEZARI -RED STARS-、新井ひとみが出演する。

※記事初出時、セットリストに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。