山本彩が8年間におよぶNMB48生活に幕、新キャプテンは小嶋花梨

本日11月4日に大阪・NMB48劇場にて、山本彩の卒業公演「目撃者」が開催された。

本公演では2017年からチームNで行ってきた劇場公演「目撃者」の内容に加え、最新シングル「僕だって泣いちゃうよ」含む全21曲を披露。本日をもってグループを卒業する山本彩の姿を見届けようと劇場には多くのファンが駆け付けた。影アナは山本が担当。彼女はライブの注意事項を述べたあと「今日で山本彩が完結します。皆さんは、その最後の“目撃者”です」とコメントを添えた。公演はおなじみの「overture」で幕開け。“さやかコール”が吹き荒れる中、チームNメンバーは「目撃者」「前人未踏」「いびつな真珠」「憧れのポップスター」まで、ポップなナンバーで一気に駆け抜け、会場のボルテージを引き上げた。

大興奮の中、メンバーによる自己紹介へと移り、山本は「みんながコールしてくれて、ホントうれしいです。最後までよろしくお願いいたします！」と挨拶。これを受けて客席から力強い“さやかコール”が巻き起こった。山本、山尾梨奈、日下このみ、堀詩音、東由樹による「10クローネとパン」でライブはユニットコーナーへと突入。愛らしいフリルの衣装をまとった山本、泉綾乃、本郷柚巴による「おNEWの上履き」、谷川愛梨、古賀成美による「スキャンダラスに行こう！」、内木志、梅山恋和、河野奈々帆による「フィンランド・ミラクル」、林萌々香、小嶋花梨、三田麻央による「抱きしめられたら」で来場者を沸かせた。

その後、三田、林、古賀がステージへ。くじ引きで林がMCに決定し、来場者からの質問に回答する。「さや姉に1つおねだりできるとしたら、何がしたい？」という質問に三田は「私だけのためにギターライブしてほしい」と贅沢なリクエスト、古賀は「体幹がすごいんで、その体幹を分けてほしい」とユニークな回答で場内から笑いを誘っていた。「アジアツアーで行ってみたい国は？」という質問に古賀は行ったことのあるタイを挙げ、「めっちゃモテモテだったんですよ」と理由を明かす。三田は「料理が好きなので韓国」、林は「台湾に行きたい」とそれぞれの希望を語り合った。

真紅の衣装に身を包んだメンバーが登場し、後半戦がスタート。「美しき者」「アイヲクレ」「摩天楼の距離」とアップテンポな曲調に、ファンによるコールが重なって会場の一体感が高まっていく。トークパートでは山本の8年間の活動に敬意を払いつつ、メンバーが8年で成し遂げてきたエピソードをそれぞれ話す。小嶋から「これからもファンとして応援したい」という素直な気持ちを聞いた山本は、小嶋の部屋のグッズ置き場のスペースを確認して「まだまだやな。部屋が私一面になるくらいにしたい」と、これからの活動に向けて気合いを入れた。そして8年前の山本のステージを見て「NMB48に入りたいと思った」という河野のエピソードに山本は「もっと言って、もっと言って」と感激の様子を見せた。

少し緊張していると気持ちを吐露した山本は自身の立ち位置へと向かい、最後の曲「命の意味」を披露。メンバーがステージを去ると、観客の「アンコールいくぞ！」の掛け声で場内が一体となり大コールが巻き起こる。それを受けて再びステージに現れたチームNメンバーはアンニュイな雰囲気漂う「I'm crying」でアンコールをスタート。「ずっと ずっと」を終えた山本は「アンコール、まだまだいけますか？」と観客を煽り、「皆さん、たっく“た”ん声を出してください！」と甘噛みしてキュートな魅力を振りまいた。チームNメンバーは最新シングル「僕だって泣いちゃうよ」に続けて、ステージ初披露の「嘘つきマシーン」と「僕がもう少し大胆なら」をメドレーで魅せる。そして「Pioneer」を披露して、止まらない“さやかコール”を受けながらステージを去った。

スクリーンにて2010年のオーディション風景からこれまでのミュージックビデオの撮影風景など、山本の華々しい活動歴を振り返るメモリアル映像が映し出されたあと、場内には再び「さやかコール、いくぞ！」の声が。力強い“さやかコール”を受けて、真っ白なドレスを着た山本を中心に三度メンバーがステージに集結し、チームNメンバー、研究生ら合計32名は「約束」と「青春ラップ」を披露した。

最後には山本の卒業公演のセレモニーが執り行われた。ステージにはNMB48メンバー71名が勢ぞろい。山本はファンからプレゼントされた花冠と花束、感謝状の盾を手にして満面の笑みを浮かべた。メンバーから寄書きの色紙、思い出の場面が詰まったアルバム、そして今後劇場に飾られる金のネームプレートを贈られた山本は「このプレートを見て、一気に実感が……」と改めて、山本は最後の日を噛み締める。そして「本当に私の最後の姿を見届けてくれてありがとうございます」と、感謝の気持ちを述べた。

彼女は卒業を発表してからの3カ月間は「あっと言う間だった」と充実ぶりを口にし、「8年間通い続けてきた劇場に来なくなる寂しい気持ちもあります。NMB48が身体の一部のような存在だった。まだ、なくなるのが正直想像が付かない」と溢れ出る素直な感情を口にする。「8年前の初めて劇場に立った時の景色も忘れてないです」と、当時の気持ちを持ちながら走り抜けてきたことについて触れ、悔しい経験も乗り越えながらここまでやってこられたと感無量の様子を見せた。そして「今は毎晩、それを青春と呼ぶのかなと思っています」「胸を張ってアイドル人生は楽しかったと言えます。グループに入って夢を追いかけるのが楽しいんだっていうことをNMB48と、今日まで支えてくださった皆さんが教えてくれたからです。メンバーに、そして皆さんに会えて本当によかったです。皆さんへの恩返しは、これから先続ける音楽へ情熱を注ぎ、そして成功することだと思っています。決して簡単な道ではないことはわかってます。でも諦めるつもりもありません。次、皆さんに会うときは今以上の私で皆さんの前に帰ってこれるように、これからも自分に厳しくやっていきたいと思います」と、涙ながらに目標を掲げた。「なので私のこと忘れないでください。『忘れてほしい』という曲を歌っていたんですけど、『そんなことない、みんな忘れないで』と心の中は思ってました。私も皆さんのことを、培ってきた8年間のことを忘れません」と呼び掛けた山本は「時間は掛かるかもしれません。また皆さんの前に堂々と胸を張って出られるように、卒業後も、今以上にがんばっていきます。8年間、私をアイドルにしてくれて、本当にありがとうございました」とメンバーとファンへの感謝の気持ちを伝えた。

その後、山本は新キャプテンとして小嶋の名を挙げる。新キャプテンに就任した小嶋は「先輩方が見て来た景色を私は見ていないので、そんな私がキャプテンとしてできることがあるのかなと考えたんですけど、日に日に大好きになるNMB48のためなら、何でもできると思いました。私にだけしかできないキャプテンになります」と、山本からのバトンをしっかり受け継ぐ意志を見せた。最後にメンバーと手をつないでお辞儀をした山本。彼女は「私の人生、まだまだこれからだなって思っています。皆さんを、素晴らしい世界に連れ出していきますので」と、次なるステージにファンを引っ張っていくと宣言し、「これからの人生を、皆さん末永くよろしくお願いします！」とファンに向けて最後のメッセージを送る。沸き上がる“さやかコール”の中、山本は「私のことばっかりになったんですけれども、NMB48の子供たちのことも、皆さんどうぞこれからもよろしくお願いします。ずーっと、ずーっとNMB48も、みんなのことも大好きです！」と熱いメッセージを投げ掛け、ステージをあとにした。