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伊東歌詞太郎が小説「家庭教室」執筆で気付いたことは?反応受けて「報われた気持ちです」

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著書「家庭教室」を手に微笑む伊東歌詞太郎。

著書「家庭教室」を手に微笑む伊東歌詞太郎。

伊東歌詞太郎が執筆した小説「家庭教室」が5月16日に刊行された。これを記念して本日5月27日に歌詞太郎によるサイン会イベントが東京・ヴィレッジヴァンガード渋谷本店にて行われた。

過去には年間1000冊以上の本を読破したこともあるという、本が大好きな歌詞太郎。彼が初めて執筆した「家庭教室」は発売から1週間足らずで重版がかかるほど、好評を博している。サイン会は全国10カ所で開催され、本日行われたヴィレッジヴァンガード渋谷本店でのイベント前にはマスコミ向けの囲み取材が実施された。

発売からすぐに重版がかかったことについて歌詞太郎は「おかげ様で。小説家にとっての重版は重要だとわかっているけど、自分の中では重版がかからないことも想定していたので、うれしさよりも先におどろきがあります」とうれしそうに語る。歌詞太郎は声帯結節の手術を1月末に受け、2月1日から28日までという1カ月弱で本作を書き上げた。術後の発声ができない期間に合わせて自ら1カ月という期間を定めたという歌詞太郎。彼はこのことについて「編集部の方に『どのくらいで書けますか?』って言われて、家に引きこもる期間にあわせて1カ月と答えました。死ぬほど大変だったんですけど、締め切りは守るものだし、自分で決めた締め切りを破るのなんて最悪だと思ったので、めちゃくちゃ必死にがんばりました。あとから『もしかして1カ月でってヤバいですか?』と聞いたら『1カ月って言う人はいない』と言われて……先に言ってくれよと(笑)」と苦笑いしていた。

4月には「家庭教室」を歌詞太郎と声優陣で朗読する“朗読会”が開かれた。このチャレンジを行ったことについては「僕はミュージシャンなのでお客さんの反応をダイレクトに感じられるけど、出版界にはそういう機会がなかなかないんです。それはやってみて気付いたんですけど、KADOKAWAチームの皆さんがすごく喜んでくださってよかったです」と述べた。「家庭教室」で読者に伝えたいことは何かと問われると、歌詞太郎は「伝えたいこととはちょっと違うかもしれないんですが、この本を読む前と読み終わったあととで、誰かほかの人に優しい気持ちを持てるようになってくれたら。みんなが優しさを持って、社会がよくなってほしい」とコメント。サイン会でファンと直接触れ合ったことについては「皆さんに手紙をいただくんですけど、僕はそれを全部読んでいて。小説を書くのは音楽を作るよりも大変だったので、手紙を読んでこんなにちゃんと受け取ってもらえているんだと思うと、報われた気持ちです」と話した。

また歌詞太郎は「表現したいことを伝える手段が音楽なのか文学なのかの違いであって、芸術とは同じものなのだと思いました。結果として『誰かに何かを伝える』ということは変わらないので。この本を1冊書いたのは音楽を1カ月作っていたのと同じなんです。そういう“同じだった”という答え合わせが自分でできました」と小説執筆をしてみて感じたことを口にする。続けて「でも苦労の度合いは(音楽の)100倍くらいでしたけど(笑)」と笑った。次作の予定について聞かれると「まだまだ伝えたいテーマがあるので、シリーズ化していきたい」と意欲を見せた。

なおヴィレッジヴァンガード渋谷本店のB1展示スペースでは「『家庭教室』のすべて」をテーマにした展示が6月13日までの期間限定で行われている。ここでは大型パネルや歌詞太郎愛用の楽器などを展示しており、店内では歌詞太郎の選書フェアも開催されている。

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