大野雄二、キネマ倶楽部をルパン色に染め上げる

Yuji Ohno & Lupintic Sixがコンサート「ルパン三世コンサート2018～LUPIN! LUPIN!! LUPINISSIMO!!!～」を5月26日に東京・東京キネマ倶楽部で開催した。

この公演はアニメ「ルパン三世」シリーズの音楽を手がける大野雄二率いるYuji Ohno & Lupintic Sixと大野がプロデュースする女性コーラスグループ・Fujikochansが、「ルパン三世」のアニメーションとのコラボパフォーマンスを行うというもの。チケットはソールドアウトで、会場には老若男女のファンが彼らの盤石なアンサンブルと「ルパン三世」の世界を堪能した。

大野、市原康（Dr）、ミッチー長岡（B）、松島啓之（Tp）、鈴木央紹（Sax）、和泉聡志（G）、宮川純（Org）の7人は軽快な「OPENING THEME」でライブの幕を開ける。和泉が「ここからガンガン盛り上げていくぜ！」と声を上げてから始まった「BUONO!! BUONO!!（BUONISSIMO）」では「BUONO!! BUONO!!」という掛け声がフロアから上がる。また同曲終わりのMCではライブでおなじみとなりつつある、手を数字の「6」の形にしてみせる“6ポーズ”をファンと共に作るなど、さっそく場内は一体感に包まれた。

彼らは佐々木久美、TIGER、佐々木詩織、稲泉りんからなるFujikochansを呼び込み、「ルパン三世のテーマ」に妖艶なアレンジを加えた「ルパン三世のテーマ～introducing Fujikochans with Yuji Ohno & Friends Ver.～」を届ける。その後、アニメの最新シリーズ「ルパン三世 PART 5」のエンディング映像が映し出される中、同シリーズのエンディングテーマ「セーヌの風に…（Adieu）」を佐々木詩織が切なげに歌唱し、同シリーズの新作サウンドトラック収録曲「シボン！シボン！」では稲泉が挑発的かつ艶やかな歌声で観客を魅了するなど、キャラクターやシーンにあわせた表情豊かな演奏を繰り広げていった。和泉が「先輩たち大丈夫ですか？」と冗談交じりに年長組の市原と長岡を気遣ってから始まった次元大介のテーマ「TORNADO」は和泉いわく「すごいカッコいいテンポ」で披露される。疾走感あふれるサウンドに乗せ、松島と鈴木は性急な掛け合いで緊張感を誘った。

「ルパン三世のテーマ」の替え歌「物販三世のテーマ」に乗せて和泉がグッズを紹介した物販コーナーを経て、ライブは後半戦へ。TIGERのソウルフルな歌声が響いたテレビアニメスペシャル「ルパン三世 ルパン暗殺指令」の主題歌「DESTINY LOVE」、佐々木久美がしっとりと歌い上げた映画「ルパン三世 カリオストロの城」の主題歌「炎のたからもの」、長岡が情感たっぷりのソロを聞かせた「銭形マーチ」などが次々と演奏されていく。そして彼らは最後に再び「ルパン三世のテーマ」で場内を盛り上げ、本編を締めくくった。

アンコールでは最初に大野が1人で登場。彼は「今日ずっとエレピだったから全然ピアノ弾いてないんだよ（笑）」と笑い、この日初めてグランドピアノに向き合うと「MEMORY OF SMILE」を美しく弾き上げた。そしてYuji Ohno & Lupintic SixのメンバーおよびFujikochansが再びステージにそろうと、彼らは映画「ルパン三世 カリオストロの城」の映像と共に同映画の劇伴「サンバ・テンペラード」を演奏し、観客を踊らせる。曲中には長尺のソロパートも。和泉はステージに端に用意された階段の上まで進み、大野は立ち上がってプレイするなど、11人は楽しげに演奏する。ハッピーなムードが場内に漂う中、和泉が「また来年も会いましょう！」と声を上げて、彼らはステージをあとにした。